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孤宿の人



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孤宿の人の評価: 4.25/5点 レビュー 167件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(3pt)

うーん

金比羅参りの途中の立ち寄り先、また特殊な染物を生産することで主要な収入源を得ている四国の小さな藩、丸海藩が舞台。金比羅参りのために江戸から連れてこられそのまま置き去りにされた少女ほうと、江戸から罪人として流されてきた高官加賀をめぐる物語です。

上巻でやっと話が動き出すのが400ページ目くらい。その前に登場人物や丸海藩での様々な暮らしの描写が続きます。ひとつひとつ丁寧に書いてあるとも言えるし、冗長とも言えると思います。正直言ってちょっと飽きてしまって、読み続けるのが辛かった。その後物語が盛り上がって、下巻に突入。でおもしろくなったと思ったら、また色々な人が登場して、その人たちの心の動きを丁寧に説明するので、物語の勢いを削いでしまったのではないでしょうか。

最後はたしかに感動でしたが、やっと終ったーとほっとした思いもあり。全体的な感想として、主要なストーリーラインはすごくおもしろくて泣けるものだったのに、周りを書き込みすぎて焦点がぼやけてしまったような気がしています。
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321
No.12:
(3pt)

終わり方がスッキリしない

全体の2/3くらいまでは、話の全体像に謎が仕込まれておりそれなりに読み応えがあるのだが、1/3くらいは終わりに向けていろんなことが一挙に進められている感が有り、読んだ後のスッキリ感はなかった。
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321
No.11:
(3pt)

お食事シーンが少なひ

上下巻併せてのレビュー。
文章はさすがにこなれていて、とても読みやすかったです。
ほう視点での文体チェンジも違和感少なかったですし。

著者特有の作風なのかもしれませんが、映像効果を意識した平板な語句での
細かい情景描写が、ややしつこく感じられました。(丁寧といえば丁寧だけれど)

物語のテンポは今ひとつ。ねっとりとした不安感や閉塞感を演出するための手法
としてはアリなのでしょうけど、皮肉にも整った文章が湿度を弱めてしまっている。
テーマも作風も異なりますが、なんとなく中上健次の「枯木灘」が思い起こされます。

主題がよくわかりませんでしたケド、智や利に惑わされぬ大愚の有り様を無垢な
子供に仮託した、時代小説版「アルジャーノン〜」がやりたかったとか?
ストーリー的には普通に面白かったです。
アンロジカルキャラ代表として、花吉さん視点での挿話も読んでみたかったかも。
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321
No.10:
(3pt)

少し変わった宮部作品

上巻は本当に読み進めるのに苦労しました。宮部作品でこれだけ読み進めるのに難儀した作品は初めてでした。

下巻に入る頃からぐっと引き込まれるようになり、最後は一気読みでした。

美しい自然とそこに生きる人々の温かみ、確かに「悲しいだけではない作品」だと思いますが、物語が終盤に向かうにつれ、悲劇的結末が避けられないのだろうなぁと思われる流れとなり、やはり悲しい話だと感じます。

文庫版に収録されている児玉清さんの解説は素晴らしいもので、一読の価値があるように思います。
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)より
4101369313
No.9:
(3pt)

“宝”の心に涙

場面がコロコロ変わり、重要人物の描写が全て中途半端に感じて、私にはあまり読みやすい小説ではなかったです。もう少し登場人物の気持ちを感じ取りたかったかな…
 でも、毎日を一生懸命生きる“宝”にとても感動して涙が出ました。“宝”は確かに物覚えなどは良くないのかもしれないけれど、自分の頭でしっかり考え、自分の心で感じたことに正直で、加賀様がくれた“宝”という漢字がとてもピッタリだと思います。身近な幸せを感じて、毎日キラキラした日々を送ってもらいたいなと願います。
 宇佐や、渡部さんにも幸せになってほしかったので、読み終わったあと、とても寂しかったです。
 

孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321
No.8:
(3pt)

手抜きっぽい

作者自身が、途中で何度も投げ出したくなった、と書いているように、
これまでの宮部作品にはないような、きめの粗さ、というか、
登場人物の扱いが雑で、心境の変化とかストーリー展開も強引で、
なんだか全体的に投げやり気味で、手抜きっぽい感じがしました。

ぐっときたのは、「ほうは、あほうのほうです」というとこくらいでしょうか。
この一言を無駄にしないために、最後まで書き続けたのかもしれません。

丸亀市長さんとの対談で、丸海藩を舞台にした続編も考えている、
とあったので、今度は、もっと緻密なものを期待したいと思います。
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)より
4101369313
No.7:
(3pt)

物足りない

宮部作品が好きな理由は、どんな凄惨な内容でも読後には「人間ってすばらしい」と、パンドラの箱のような感情を持てるからでした。読者をぐいぐい引き込む文章力はさすがです。たった2行で涙がこぼれました。

でもこの作品にパンドラの箱は開かなかったな〜。
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321
No.6:
(3pt)

う〜ん…昔を今になすよしもがな…

「理由」以降、ひたすらに作品が長くなっていっている宮部みゆきに限らず、ミステリ系では長い作品が増えていますが、そこまでの長さの割に作品全体の密度が低いというのも共通しており、この作品もその一つ。
他のレビューにもありますが、登場人物へのそれぞれの力点の置き方が最後まで収束しきれていませんし、エピソードも完結していない小道具が多い。さらに、ここまで大掛かりな道具立てをした割りには、藩の中の相剋も加賀殿の罪の真実もイマイチ明瞭でない。
「ほう」の造形は、宮部みゆきが初めて「少女」で「無垢」を作り出せた成功例でしょう。宮部みゆきはもともと「少年」を使って「無垢」や「純真」を、作品の中で動かすのを得意としてきましたが、どうしても少年に比べて「おませな」印象を持ってしまう「少女」の場合は、「知恵がたりない」という小道具を用いることで生み出すことに成功したのだと思います。
ラストはやはり涙しましたが、その感動と作品の完成度への評価とは別。
「火車」「返事はいらない」「龍は眠る」「蒲生邸事件」といった時代が、懐かしい。あれらの緊張感ある完成度ではなく、「レベル7」に見られるような、気を持たせておきながら、結局はなんとなくまとまりに欠ける、という傾向の方が最近強く出てきているようです。
「理由」も「模倣犯」も一般の評価は高いですが、初期〜中期の作品の緊密度の高さは、年齢的にもはや望めないのかもしれない…。話を発散させずに手元でぐっと引き締めておくには心身の体力が必要ですから。非常に寂しいです。
孤宿の人 (上) (新人物ノベルス)Amazon書評・レビュー:孤宿の人 (上) (新人物ノベルス)より
4404035586
No.5:
(3pt)

「呆」から「宝」へ

四国の小藩(モデルは丸亀藩)を舞台に、江戸から放逐された天涯孤独の少女"ほう"、女だてらに岡っ引き(引手)見習いの宇佐を中心に、小藩に暮らす人々の悲喜こもごもの世界を描いた作品。江戸からこの小藩に流罪になった元勘定奉行が巻き起こす悪霊騒動、毒殺事件が物語を貫く糸となる。

正直言って上巻はかなり退屈である。漁師町の風情が木目細かく描かれているとは言え、読む者を惹き付けるモノがない。"ほう"の境遇も取り立てて珍しいものではないし、第一"ほう"の描写が少な過ぎる。流罪人の加賀に関する情報が無さ過ぎるのも退屈さの要因。「悪霊に取り憑かれたモノ」と京極夏彦氏ばりの言辞を弄する割には物語に妖異性がある訳でもない。宇佐の気丈さだけが頼りなのだが上巻の最後で見習いをクビになる。

加賀の留置所はかつて謎の疫病が流行った屋敷。その屋敷で下働きをする"ほう"。"ほう"を襲う黒い影。悪霊が憑いた屋敷に鬼が棲む、などと人々は噂する。疫病の風評も立つ。京極堂なら"憑き物落し"をする所だ。一方、加賀に目通しを許され教育を受ける無垢な"ほう"。"ほう"との交流で凪ぎの表情を見せる鬼ならぬ人の加賀。悪霊や鬼は人の心の中に棲むと言うテーマだが目新しさに欠ける。作者が四国に取材に出掛けた事で、却って小宇宙での閉塞感に満ちた物語が出来てしまった。悲劇の人、加賀の最後は予定調和。題名の「孤宿の人」は加賀を指していたのだ。最後に"宝"の字を貰う、作者が意図したと言う"ほう"の成長物語が唯一の救い。

孤宿の人 (上) (新人物ノベルス)Amazon書評・レビュー:孤宿の人 (上) (新人物ノベルス)より
4404035586
No.4:
(3pt)

いろいろな面で無理が目立ち物語に没入できませんでした。

●以下下まで含めた感想です。●とにかく重いです。海に面した開けた土地を舞台にしているのにものすごい閉塞観が漂っています。江戸が舞台のほかの作品ではまった人はあの闊達さを期待するとちょっとがっかりします。●登場人物の感情の動きや思考過程にいまいち共感できませんでした。彼女の作品で登場人物がハリウッド映画よろしく敢然と運命に立ち向かうなんてことは期待しません。でも他の作品の主人公なり脇役なりを鑑みると状況に流されつつも犠牲を最小限に抑えようとしたり自分が潰されない範囲で僅かな理想の痕跡を残そうとささやかな抵抗を試みたりします。そういう巧妙さや柔軟性によって体現されるリアルで逞しい崇高さが好きだったんですがこれの登場人物からはまったくそういう心意気や慧眼が感じ取れませんでした。ご都合主義的なくらい後手後手に回り過ぎだしあまりにも環境や状況それによってもたらされる損害を甘受し過ぎです。ありのままを呑み込み過ぎる。どうも今までの作品のような趣がなかったです。田舎者の長いものには巻かれろという習性が偏見のように羅列されています。巻かれるにしてもいい加減うまい巻かれ方があるだろうってちょっと歯痒かったです。●最期のカタストロフの発生が私にはどうも力技っぽくて無理がありました。今までの伏線がいかにもそれのために用意されているのがあからさまなんで。●真実や後日譚を明かさずおぼろげにしているエピソードが多いです。詳細が伝わっても小さな影響しかない人物の末路なんで隠す意味が分かりません。その割には核心的な大物の謎を会話で唐突にばらしてしまったり。●無駄に長い説明台詞が多いような気がしました。橋田さんのドラマみたいな箇所がいくつもありました。●いろいろ難儀でしたがまったく立ち止まらずに読めました。やはりうまさは抜群です。ただし今回は芸術家的なうまさではなく職人的なうまさだけでどうにかしのいだ感じでしょうか。
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)より
4101369313
No.3:
(3pt)

登場人物のキャラクターが多彩

な事が売り物の宮部作品。 この作品もご多分に漏れず、の一作。
其々の人物が、愛情込めて描かれているのも、いつもの通りで安心して読める。
私は宮部作品はどちらかと言うと現代ミステリー物より時代小説の方が好きなのだが、舞台を江戸市中ではなく地方に移した事で、宮部さんお得意の江戸の町の雰囲気を巧みに描く文体が持つ彼女の面白さが、少々失速した感はどうしても否めない。
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)より
4101369313
No.2:
(3pt)

テンポが遅い?

宮部さんの作品はいつも読んでいて小気味いい感がするのですが、今回は悲しい出だしからなかなか浮かび上がることができずに、だらっと上巻が終わってしまったと言う感じです。
他の時代物作品に比べて、ポイントが絞れていないような気がしました。
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)より
4101369313
No.1:
(3pt)

残念!

宮部作品は、ほぼ全部読んでいるぐらい、
大好きなのですが、この作品は・・。
期待して読んだのですが、作中の登場人物の造形が薄い。
ストーリーもさすが、宮部さんというぐらい、奥深い物を
描こうとしているのは、よく分かるのですが、如何せん、登場人物に
感情移入できない、話のテンポが遅いと読んでいて、おもしろく
感じられなかったのが本当に残念でした。
「泣ける」をうたい文句にしてますが、私は、多分ここが泣くポイント
だろうという所で逆に、心が白けてしまって泣くことができませんでした。
宮部作品の中でも、時代物は、「人間」が丁寧に描かれていて、大好きなんですが。次の作品に期待したいです。
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)より
4101369321

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