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孤宿の人
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孤宿の人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全171件 121~140 7/9ページ
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江戸に生まれながら、誰からも顧みられず金比羅参りで棄てられたほうと、彼女を姉妹のように優しく見守る宇佐と言う二人の純真な少女と、国や藩などを先ず考える「大人の世界」の考え方との対立を、丸海藩と言う四国の小藩を舞台に描いてゆきます。 物語は、ほうが慕う医者の娘の毒殺事件から始まります。 犯人もはっきりしているのに不問に付してしまう「大人の世界」に対して、疑問を持つほうと宇佐。 その後もこうした子供の目には不可思議なことが続きます。 その裏には、丸海藩が幕府から押しつけられた元勘定奉行の罪人加賀の受け入れがあります。 彼を“悪霊”として恐れる民意を利用して行われる藩の内紛も蠢いています。 そうした様々な事件を通して、成長してゆく二人の慕いあう少女たちですが、ほうは大人たちに利用されてゆくことになります。 宇佐は、そんなほうを影ながら心配しています。 そんな純真な魂の触れあいは、心温まるものがあります。 切ないラストですが、なかなか楽しめる一冊です。 | ||||
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四国の小藩(モデルは丸亀藩)を舞台に、江戸から放逐された天涯孤独の少女"ほう"、女だてらに岡っ引き(引手)見習いの宇佐を中心に、小藩に暮らす人々の悲喜こもごもの世界を描いた作品。江戸からこの小藩に流罪になった元勘定奉行が巻き起こす悪霊騒動、毒殺事件が物語を貫く糸となる。 正直言って上巻はかなり退屈である。漁師町の風情が木目細かく描かれているとは言え、読む者を惹き付けるモノがない。"ほう"の境遇も取り立てて珍しいものではないし、第一"ほう"の描写が少な過ぎる。流罪人の加賀に関する情報が無さ過ぎるのも退屈さの要因。「悪霊に取り憑かれたモノ」と京極夏彦氏ばりの言辞を弄する割には物語に妖異性がある訳でもない。宇佐の気丈さだけが頼りなのだが上巻の最後で見習いをクビになる。 加賀の留置所はかつて謎の疫病が流行った屋敷。その屋敷で下働きをする"ほう"。"ほう"を襲う黒い影。悪霊が憑いた屋敷に鬼が棲む、などと人々は噂する。疫病の風評も立つ。京極堂なら"憑き物落し"をする所だ。一方、加賀に目通しを許され教育を受ける無垢な"ほう"。"ほう"との交流で凪ぎの表情を見せる鬼ならぬ人の加賀。悪霊や鬼は人の心の中に棲むと言うテーマだが目新しさに欠ける。作者が四国に取材に出掛けた事で、却って小宇宙での閉塞感に満ちた物語が出来てしまった。悲劇の人、加賀の最後は予定調和。題名の「孤宿の人」は加賀を指していたのだ。最後に"宝"の字を貰う、作者が意図したと言う"ほう"の成長物語が唯一の救い。 | ||||
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宮部みゆきさんの歴史物は全て読んでいます。この作品は、私にとっては待ちに待ったご本でしたが、やっぱり宮部さんでした。登場する人間全てに愛着を感じ、また今回登場の子供『ほう』も、何とも言えない透明感と愛おしさ、大切に読み進みたい強い意識を持ちました。肩肘張らずにその時代に溶け込んでいける、そこに自分の目をおいて読み進める自然感と優しさが好きです。 | ||||
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宮部みゆきさんらしく、主人公「ほう」だけの視点だけではなく、 周りの人々からの視点も描かれており、読むほどにぐいぐい引き込まれていきました。 ミステリーではあるものの、「ほう」とそれを取り巻く人々との心温まる交流に、 結末は切なくなり泣けてしまいます。 また宮部みゆきさんの別の時代物を読んでみたいと思いました。 | ||||
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宮部氏の作品はほとんど読んでいるが、中でもこれは一番良かったかもしれない。 本を読んで感動はしても泣くということはほとんどないのだが、ラストでは涙があふれて自分でも驚いた。 | ||||
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読み始めて、時代物だったことに気づく(笑) 宮部みゆきの時代物は今まで手に取ったことがなかった。 どんなものかな?と先を進めると どうも主人公は幼いしかもどうも哀れな境遇のよう。 と、ちょっと怯んだ。 幼い子どものいわゆる涙モノは苦手だ。 心にひっかき傷が出来るようで。 でも、そこはやはり宮部みゆき。 彼女の筆力は侮れないと感心。 読み終える頃には涙がポタポタと落ちていた。 最初の予感を綺麗に裏切る気持ちで。 物語は、人として扱われることもなかった「頑是無い」子ども、「ほう」 名前の由来はあろうことに阿呆の「ほう」。 生きてゆく拠り所さえない彼女と、 どうにもやりきれない悲しみの中で、 悪霊・鬼と恐れられる流刑の元勘定奉行「加賀殿」。 この二人を取り巻く物語。 「頑是無い」何度も出てくるこの言葉が心に残った。 上巻で何度もそう繰り返された「ほう」。 彼女の無心さが、下巻では ただ死を望むことしかできない「加賀殿」の心にふれ、 言葉と生きる術も身につけてゆく。 下巻ではもう「頑是無い」とは表されないけれど、 その無心さは失われない。 悪霊と恐れられた男だけでなく、 みんなこの「ほう」に救われたのかもしれない。 もちろん宮部みゆきの物語なので、 二人の魂のふれあいだけでは終わらない。 いろんな人生や思い、小藩の苦渋などを絡めていく。 どの生き方も哀しい。 彼女の本を読んだ後はいつも 解ききれない宿題を出されたような重しが残る。 「孤宿の人」 このタイトルは一体誰を指しているのだろう。 | ||||
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さすがは宮部さん。何を書いてもいい話に仕上がっている。最初は結構つまらないなーと思ってたけど、なんだかんだいってこの大長編を読ませる力、しかもあのラストやっぱうまいわこの人は。ラジオのドラマがやってたの知らんかったけど…。 | ||||
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無垢な少女「ほう」を核に、身分の違う人々がそれぞれの人生を生きるさまを丁寧な描写で描きあげたもの。 哀しい生い立ちの「ほう」がひねくれもせず、素直に ひたすらに生きる姿、武士として筋の通った生き方を通しながら「ほう」に出会うことで安らぎを感じたであろう加賀様の最期。読み進むうちに涙があふれた。読み終えて静かな感動が残る。 | ||||
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無垢な少女「ほう」を核に、身分の違う人々がそれぞれの人生を生きるさまを丁寧な描写で描きあげたもの。 哀しい生い立ちの「ほう」がひねくれもせず、素直に ひたすらに生きる姿、武士として筋の通った生き方を通しながら「ほう」に出会うことで安らぎを感じたであろう加賀様の最期。読み進むうちに涙があふれた。読み終えて静かな感動が残る。 | ||||
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野育ち、あほう、と言われる「ほう」を中心にとつとつとした光景が描かれる上巻。 登場人物が多く、藩の背景も丁寧に描かれているので中だるみ、と言う意見があるのも 頷けるところですが、下巻に入って一気に読ませます。 四国の丸海藩に流されてきた江戸の大罪人・加賀と、無垢なほうとの心のやり取り。 人の心の闇を嫌と言うほど見てきて人生に倦んだ加賀と、人の心の闇によって丸海藩に 居つく事になったほうの手習いのシーン、二人の別れのシーンは涙をこぼしました。 小気味よい江戸ものも上手な宮部氏ですが、この作品は悲しい物語。 でもじんわりと、心に響く何かがあり、読後感は悲しいながらもとても暖かです。 ほうはその後、どうしたのかな。幸せだといいな。と読み返すたび思う作品。 | ||||
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この作品のところどころにあるテーマは『噂』だと思う 『噂』が普通の人を暴徒にしちゃうし、『噂』を巧みに利用して生きながらえる人もいるし。 いつの時代にもそういうふうに情報操作ってあるんだなあっていうのが感想。 閉鎖された地域であればあるほど操作はしやすいだろうし。 今までの宮部さんの時代物では、妖(しゃばけ風)って普通にありだったのに 「若先生」になんにでも理由がある(当時真の理由は分からなかったとしても)、 みたいな事を言わせたのにはちょっとびっくり。 「模倣犯」以降の宮部さんの作品は、私にとってね、何だか重たくて救われないなーって思うのが多く、自分にもエネルギーがある時でないと読み進められなかったのですが、 意外にも今回は一気に読めた。 やっぱり上手いなー宮部さん。 あの人たちがああいった場面で死んじゃうのも、すごく最近の宮部さんらしいと思いました。 私には泣くシーンってなかったけど、「孤宿の人」に死んで欲しくないなーと強く思いながら読んでいました。 | ||||
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不幸な生い立ちのたった9歳の「ほう」が江戸から讃岐へと流れ着き、丸海藩存亡に係る課役、悪霊と恐れられる流罪人「加賀殿」お預かりに巻き込まれていく。匙家の娘の毒殺・藩内の内紛・流行病・自然災害。次々と起こる事どもを人々は「加賀殿」が招じていると噂する。そして藩はその噂を利用して厄介者の「加賀殿」を丸海の神にしてしまおうと画策する。しかし、「加賀殿」の罪の真相は・・・。また、阿呆の「呆」と名付けられた「ほう」は加賀殿より「方」そして「宝」と名前を付け替えられていく。 | ||||
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●以下下まで含めた感想です。●とにかく重いです。海に面した開けた土地を舞台にしているのにものすごい閉塞観が漂っています。江戸が舞台のほかの作品ではまった人はあの闊達さを期待するとちょっとがっかりします。●登場人物の感情の動きや思考過程にいまいち共感できませんでした。彼女の作品で登場人物がハリウッド映画よろしく敢然と運命に立ち向かうなんてことは期待しません。でも他の作品の主人公なり脇役なりを鑑みると状況に流されつつも犠牲を最小限に抑えようとしたり自分が潰されない範囲で僅かな理想の痕跡を残そうとささやかな抵抗を試みたりします。そういう巧妙さや柔軟性によって体現されるリアルで逞しい崇高さが好きだったんですがこれの登場人物からはまったくそういう心意気や慧眼が感じ取れませんでした。ご都合主義的なくらい後手後手に回り過ぎだしあまりにも環境や状況それによってもたらされる損害を甘受し過ぎです。ありのままを呑み込み過ぎる。どうも今までの作品のような趣がなかったです。田舎者の長いものには巻かれろという習性が偏見のように羅列されています。巻かれるにしてもいい加減うまい巻かれ方があるだろうってちょっと歯痒かったです。●最期のカタストロフの発生が私にはどうも力技っぽくて無理がありました。今までの伏線がいかにもそれのために用意されているのがあからさまなんで。●真実や後日譚を明かさずおぼろげにしているエピソードが多いです。詳細が伝わっても小さな影響しかない人物の末路なんで隠す意味が分かりません。その割には核心的な大物の謎を会話で唐突にばらしてしまったり。●無駄に長い説明台詞が多いような気がしました。橋田さんのドラマみたいな箇所がいくつもありました。●いろいろ難儀でしたがまったく立ち止まらずに読めました。やはりうまさは抜群です。ただし今回は芸術家的なうまさではなく職人的なうまさだけでどうにかしのいだ感じでしょうか。 | ||||
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とにかく読みやすくて良かったです。最後は感動で涙してしまいました。(上)は(下)への伏線的な感じがします。(下)に入ると本当に一気に話が進んで行きました。僕は時代物はあまり読まないのですが、これを機にさらに時代物が読みたくなりました!おすすめです! | ||||
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長編ということもあり、面白い出来事も沢山ありますが、宮部ファンの私でも中だるみし、まだ続くのか・・・と投げ出したくなりながら読んだところもありました。漸くクライマックスかといったあたりでも、なんかさほど宮部らしくないすっきりしない話になりそうと思いきや・・・最後の最後で、これまでの沢山の出来事が走馬灯のように甦り、ものすごい感動に結びつくのです!!ほんと、「ほう」の健気さに心が洗われました。 宮部みゆきってやっぱり、いい仕事しますね。 | ||||
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な事が売り物の宮部作品。 この作品もご多分に漏れず、の一作。 其々の人物が、愛情込めて描かれているのも、いつもの通りで安心して読める。 私は宮部作品はどちらかと言うと現代ミステリー物より時代小説の方が好きなのだが、舞台を江戸市中ではなく地方に移した事で、宮部さんお得意の江戸の町の雰囲気を巧みに描く文体が持つ彼女の面白さが、少々失速した感はどうしても否めない。 | ||||
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「日暮らし」を読んで飽き足らない気持ちだったが、本作品はストーリー、文章力を堪能した。素晴らしいと思う。 しかし、最後に一体どういうことになるのだろうという期待には応えてくれなかった。加賀殿の暗黒部、また彼をなきものにしようという勢力の暗躍が明らかになると読者は期待して読みつづける。ところが、裏切られる。屋根に金物?それが待ちわびた回答なの?雷獣ってか? 上下巻と長編であるのに、これまでの冗長さがなかったことは上出来だが、最後は肩透しをくった。 | ||||
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「日暮らし」を読んで飽き足らない気持ちだったので、ストーリー、文章力を堪能した。素晴らしいと思う。 しかし、最後に一体どういうことになるのだろうという期待には応えてくれなかった。加賀殿の暗黒部、また彼をなきものにしようという勢力の暗躍が明らかになると読者は期待して読みつづける。ところが、裏切られる。屋根に金物?それが謎解きなのかしら?雷獣ってか? 上下巻と長編であるのに、これまでの冗長さがなかったことは上出来だが、最後は肩透しをくった。 | ||||
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2005年の話題作の一つ。 私自身、宮部氏の現代小説は全冊読んでいるが、時代小説を読むのはまだ2作目であるが、正直、作者のファンでなくては、この上下巻あわせて800ページ以上を読破するのは骨が折れると思う。 作者の作品の特徴である、淡々としながらもハートウォーミングな語り口で作品が進行するのであるが、とにかく、この作品には「抑揚」がない。なにしろ、「孤宿の人」本人が登場するのが、上巻の405ページを読破しさらに、下巻の56ページ目である。そして、作品のテンポがはやまり、面白くなってきたのは600ページ目からであった。私自身、作者の作品であるからこそ、「いつか面白くなるはず」と信じて読むことができたが、他の作者の作品だったら、途中で挫折していたと思う。また、この作品には数人の主要な登場人物が描かれているのだが、結局誰が主人公であるのかがはっきりしなかった。このへんが作品の「抑揚」のなさにつながるのかもしれない。 | ||||
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2005年の話題作の一つ。 私自身、宮部氏の現代小説は全冊読んでいるが、時代小説を読むのはまだ2作目であるが、正直、作者のファンでなくては、この上下巻あわせて800ページ以上を読破するのは骨が折れると思う。 作者の作品の特徴である、淡々としながらもハートウォーミングな語り口で作品が進行するのであるが、とにかく、この作品には「抑揚」がない。なにしろ、「孤宿の人」本人が登場するのが、上巻の405ページを読破しさらに、下巻の56ページ目である。そして、作品のテンポがはやまり、面白くなってきたのは600ページ目からであった。私自身、作者の作品であるからこそ、「いつか面白くなるはず」と信じて読むことができたが、他の作者の作品だったら、途中で挫折していたと思う。また、この作品には数人の主要な登場人物が描かれているのだが、結局誰が主人公であるのかがはっきりしなかった。このへんが作品の「抑揚」のなさにつながるのかもしれない。 | ||||
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