■スポンサードリンク
(短編集)
メルカトルかく語りき
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
メルカトルかく語りきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
解決方法が一風変わった作品集 ただし「答えのない絵本」だけは更に一捻り加えてあり 作者によるあとがきを読むまで真相に気づかなかった。 実際にレビューを見る限り、作者の危惧どおり それに気づいていない読者がほとんどのようであるが・・ すべての短編には共通する点がある。 それはエゴイストな探偵の利己主義に基づいた解決 このことが「答えのない絵本」へのヒントとなっているという仕組みなのだ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドイツ人が立てたというその建物は、一階が洋風の煉瓦作り、二階が和風の木造というおかしなハイブリッド。その形状を面白がって彼ら六人が訪れたというのに、彼らの会話に出てきた金閣が、一層=寝殿造り(公家風)、二層=書院造り(武家風)、三層=仏殿造り(禅宗様式)、ついでにてっぺんに鳳凰(中華風)を配したハイブリッドであることに触れない。 高校生諸君、花札の柄を覚える前に日本の歴史を学びましょうw 学校じゃ習わんか……。 竹田の誤認の理由は、なるほど物理的に考えればそーなのかなとは思うが、今ひとつ感心できない。その誤認の理由の解明から、メルカトルは怒涛の推理を展開するのだが、犯人については驚愕だ。 あとがきによれば本作品の毒は一番薄い筈だが……。 ところで、メルカトル鮎はいつでも傲岸不遜、自信満々なわけだが、事件の究明の為には、最低限高校生たちの証言が必要十分でなければ不可能の筈。どーして自信満々でいられるのだ? それも含めて、銘探偵か……。 もう一つ不条理ともいえる展開があるのだが、もーどーでもいい。 本作品の推理小説としての謎解きは、殺人事件にはなく、生野がむしろ好意を抱いていた青倉の告白をなぜ断ったのかにある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
銘探偵メルカトル鮎シリーズの全5編の短編集。 全編本格ミステリーですが、筆者独特の作風というか持ち味が発揮された作品集。 探偵のキャラクターも個性に溢れ、犯人をロジカルに推理していく様は圧巻なのだけれども、全作品に共通して言えることはラストが問題だという事です。モヤモヤが残る読者も多いと思いますが、むしろ筆者のファンはその読後の余韻がいいのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリの要素を無視している作品ばかりで、読後感が良くない。 せっかく面白そうな探偵を登場させたのに、その能力は結局活かせてないんでは? 論理を駆使しても結果が伴わなければ、駆使した意味が分からない。 探偵の論理披露を楽しむだけの作品。 シュレディンガーの猫なんかを引き合いに出すが、ただ論理的に解決できない言い訳にしか思えない。 ミステリファンにはオススメできないなあ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公のキャラが特異で本格推理小説としてよく考えられている部分もありますが、どうしても最後納得できない(すっきりしない)作品もあり読後感がいまいちだった。それより基本的に探偵役のキャラがどうしても好きになれず、このシリーズはもう読まないと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本推理作家協会賞・第11回本格ミステリ大賞受賞作。ミステリが読みたい2位・2012本格ミステリベスト10 2位。このミス2012 7位。 上記に挙げた通りミステリ会においてかなり評価の高い作品だったので読んでみた。 感想は、見た目はミステリの体裁をとってはいるが、厳密にはミステリとはいえず、探偵役のメルカトル鮎が起こった事件に対し、語った内容を楽しむ作品となっている。 5つの短編が収録されているが、全てにおいて犯人は判明しない。理由は、メルカトルが事件の真相よりも自己の利益を最優先するためである。そのため自分の利益に都合の悪い真相を隠し、あたかも真実であるかのようにカバーストーリーを事件関係者やワトソン役の美袋三条に騙る。 そのため、論理的ではあるが作品の肝である真犯人が判明せず読者はかなりのもやもや感が残るという内容になっている。この作者のファンならば楽しめるが、ミステリ初心者や犯人当てを楽しみにして読む人にとっては噴飯ものであるため、注意が必要。 5つある作品の中では「収束」の出来が良く、1から3章の内容が、最後まで読むと分かる構成はうまいと思った。箱の蓋を開けてみるまで中の猫が生きているのか死んでいるのか分からないというシュレディンガーの猫をミステリにあてはめた内容は面白かった。逆に最後の書き下ろし短編である「密室荘」はすぐに落ちが分かってしまい、いまいちの出来。 高校1年の生徒20人が容疑者になる「答えの無い絵本」の結末は、いかにもこのメルカトル鮎らしい落ちのつけ方で、犯人は存在しないというふざけたことを言ってはいるが、利益最優先のメルカトルが真実を述べるわけがなく、依頼人が誰かを考えれば真犯人は見当がつく。 メルカトルのキャラが面白いため、ストーリーは楽しく読めるがミステリ小説としてはかなりの変化球である為、作者のファン以外の人には勧めにくい小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の短編を読み終えて、あっけに取られた。え?これで終わり?と。正直もやもやとした気分が消えず、釈然としない時間を過ごすはめになった。 なぜならミステリにおける基本構造の一要素を完全に無視したまま、話が終わってしまったからだ。実験的なストーリーを作る作者と知っていてもなお、面食らった。 しかし読み進めていき、そういうコンセプトのもとで作られた短編集だということが分かってくると、がらりと印象が変わった。 まず、基本構造の一要素を完全に無視することで、より一層、銘探偵メルカトルの性悪さが際立つ結果になっている。そのため美袋とのやり取りが他のシリーズと比較しても面白く、より楽しめるものになっている。そうすると、これはこれでありかもと思えるようになった。 また、逆説的にメルカトル以外のいったい誰が、このコンセプトの短編集で探偵役を務められるのかと考えると、他の誰にもできるわけもなく、銘探偵メルカトルシリーズの短編集としては、この話でもありという判断に落ち着いた。銘探偵とはよく言ったものだ。 実験的な要素とメルカトルの性悪さを堪能できたので個人的には☆5つだが、万人には薦められないので☆3つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶雄嵩氏の最新作で、日本推理作家協会賞受賞後の第一作となります。 メルカトル鮎という、彼の作品シリーズの中で登場する銘探偵(名探偵ではなく銘探偵です)が主人公ときいて思わず買ってしまいました。メルカトル鮎は、つねにシルクハットにタキシードという衣装で暮らし、初登場作品でいきなり死亡するという、ものすごく特殊でエキセントリックな活躍で記憶に残る銘探偵でしたので、彼が主人公というだけで買ってしまいました。 内容のほうは、彼が遭遇する五つの事件を、彼とその記録作家の美袋が解き明かしていくというものですが、、、普通のいわゆる一般推理ものを期待して読むと大いに肩すかしというか、投げたくなる話ばかりです。なので、普通に推理ミステリを読もうという方にはおすすめできません。でも、普通のミステリではなく、メタミステリであるとか、定石から外れた変則的なミステリを読もうという方であれば、或はミステリという枠の中で何ができるかという実験的要素を楽しめる方であれば、はまる方も出てくるのではないかと思います。 過去作品から比べると、盛り上がりや、推理の切れ、カタルシスという点については落ち気味ですので、高評価はできませんが、かなり特殊なミステリを書くという視点はぶれない麻耶さんらしい作品には仕上がっています。 ファンにはお勧めできるけれど、一般にはお勧めしづらいという点でもぶれていないです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻耶雄嵩氏の最新作で、日本推理作家協会賞受賞後の第一作となります。 メルカトル鮎という、彼の作品シリーズの中で登場する銘探偵(名探偵ではなく銘探偵です)が主人公ときいて思わず買ってしまいました。メルカトル鮎は、つねにシルクハットにタキシードという衣装で暮らし、初登場作品でいきなり死亡するという、ものすごく特殊でエキセントリックな活躍で記憶に残る銘探偵でしたので、彼が主人公というだけで買ってしまいました。 内容のほうは、彼が遭遇する五つの事件を、彼とその記録作家の美袋が解き明かしていくというものですが、、、普通のいわゆる一般推理ものを期待して読むと大いに肩すかしというか、投げたくなる話ばかりです。なので、普通に推理ミステリを読もうという方にはおすすめできません。でも、普通のミステリではなく、メタミステリであるとか、定石から外れた変則的なミステリを読もうという方であれば、或はミステリという枠の中で何ができるかという実験的要素を楽しめる方であれば、はまる方も出てくるのではないかと思います。 過去作品から比べると、盛り上がりや、推理の切れ、カタルシスという点については落ち気味ですので、高評価はできませんが、かなり特殊なミステリを書くという視点はぶれない麻耶さんらしい作品には仕上がっています。 ファンにはお勧めできるけれど、一般にはお勧めしづらいという点でもぶれていないです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!