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虚構推理 鋼人七瀬
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虚構推理 鋼人七瀬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 41~60 3/4ページ
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タイトルやカバー絵の暗い雰囲気に,重苦しい事件を描くミステリ作品かと思いきや, 妖怪や特殊能力,コミカルな会話を含めたキャラクタなど,エンタメ要素が強めの印象. また,本作のメインであり,『想像力の怪物』として登場する亡霊の殺人鬼について, 誕生や消滅の理屈が,今と昔,それぞれの自体の事情を織り交ぜてうまく語られており, 違和感のないたとえ話も併せて,その不思議な設定や雰囲気をわかりやすく伝えています. そして,殺人鬼が存在するという事実に対し,しないという虚構で立ち向かう発想や, 嘘でも支持されれば勝ちと,人々の関心を煽り,『物語』が生まれ,消えていく様子は, ことの始まりから終わりまで,これまた最近のネット事情を如実に映し出すかのようです. 展開される論理は,嘘だとわかっている分,やや引いた視点から見てしまいますが, 息を吐く間もなく繰り出され,場が沸いては乱れる空気に引き込まれていくのは確か. 何より,最後の大仕掛けは,想像力の怪物が新た怪物に飲み込まれていくようにも見え, 虚構が事実を覆すその瞬間は,間違いなく『推理』が成立した瞬間でもあったと思います. なお,ノベルス版刊行時(11年05月)のコメントでは,続編の予定と構想はあるらしく, 次の『標的』も気になりますが,まだ謎の多い主人公らの掘り下げにも期待をしたいです. | ||||
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おもしろい。一気に読んでひきこまれました。 いつも自分は小説に没頭して読み込むとき、物語に入り込んでいる気分に浸ります。推理小説であれば探偵の傍らだったり、主人公の近くにいて事件を一緒に追います。自分もその世界に入り込んでる気分になります。 読者の立ち位置は「登場人物の近く。物語の中」 でもこの虚構推理は違った。読みながら没頭し しっかり物語の中に入り込んでるのにも関わらず、私の立ち位置の気分は「作家の側」 どうすれば読者が納得いく'推理'になる?誰を犯人にしたらおもしろい? 事件をつくる つじつまを合わせる 動機を考える 。読者でありながら作者の側にたった気分になったのは初めてでした。 この本が推理小説なのか賛否両論あるようです。でも、そもそも「推理小説」事態が本来虚構でしょう。不可解な謎の解決の糸口を探しても、その事件事態が本来起こってなどいない物語の中のこと。ご都合主義のつじつま合わせなんてざらでしょ? これはどの推理モノよりも「推理小説」であると私は思います。'推理'ではないですが。 切り口がおもしろいです。ファンタジー色が強いのでトンデモ設定でも受け入れが大丈夫で推理小説が好きなかたは是非。 | ||||
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目をつけて暫く経ったら、2千円前後になってて二の足を踏んでたのですが、 やっとkindle版より下ってきたので、無事買えました。 で、本書を見て思いました。kindleでは読む気にならない。本で買えて良かったと。 ”巨乳アイドル”と”岩永琴子”を結びつけて、私の中で一人の人物が浮かぶのですが、 それ以上は語らないことにします。別に元ネタということでもないようですし。 推理合戦を繰り広げるのが軸となる作品は色々ありますが、 ここでは、どんだけ万人が納得出来る嘘推理が構築出来るかが肝ってのが面白いですね。 ”想像の化物”を相手に、京極堂だったらどう対処するだろうか・・・なんて一瞬思いもしましたが そんな話は出来るわけないか。 斜めから読むと、「2ちゃんでの遊び方」に読めなくもないですね。(ほんとうか?) 欲を言えば、七瀬がどうして「もうどうでも良くなっちゃった」に至ったのか その辺の心(真)理も明かされて欲しかったです。 | ||||
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物語りの設定背景に無理がある気もするけど、非日常と思って読めば気にならないかな… 絶園のテンペストよりスケール感は無いけど、続編が出てきてこれから色々なストーリーが展開されていく? | ||||
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「名探偵に薔薇を」でも感じましたが、この作者はミステリとファンタジー(SF)要素を絡めるのが上手すぎる。 霊視やら予言やら、本来ミステリ作品にあるはずのない能力や設定がこれでもかと散りばめられながらも、 あろうことかそれらを100%活かしきって、物語が紡がれている。 解決篇は、これまで読んだどの作品とも違う体裁でしたが、 最終的には、「探偵」が「犯人」を指差す構図になっていることに痺れました。 読んでいてここまで気持ちが好い作品はそうそうないでしょう。 ミステリ好きの方はもちろん、妖怪・霊魂など好きな方も一読の価値はあると思います。 | ||||
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鮎川賞最終候補作家の城平氏が講談社ノベルスからリリースした初の長編ミステリー作品。 前提として本作は物の怪が実在するという設定になっている。 こういう設定だと言うと、山口雅也氏の死体が蘇る世界での生きる屍の死や西澤保彦氏の超能力が存在する世界でのチョーモンインシリーズなどを連想されるだろうが、これらが、その非現実的な設定が作品内でのトリックやロジックの論理的根拠として組み込まれいくのに対して、本作はトリックやロジックそのものにはこの幽霊が実在するという特殊設定は絡んでこない。 ではこの世界観は単なる奇異を狙っただけかと思いきやそうではない。 本作はいわゆる多重解決の応用パターンと言えるが、本来の多重解決の一つの事件から複数の解決を提示し、最終的に一つの事実に帰着するというのではなく、一つの事件から即事実が提示され、その事実に至らないように複数の解決を提示するという反転した構造になっている。 そしてこの事実が最初から明白であるのに何故多重解決に持ち込まなければならないのかという論拠づけにこの幽霊ありきの世界観が使用されているのである。 発想自体は確かに新機軸であり、同業者のミステリー作家からしたらやられた!と悔しがるのは確実。そういう側面に置いて高く評価されたのであろう。 だが、多重解決ものとして見た場合、前提となる複数推理への事象の制限がかなり緩く、かなり作者側でどうにでもこじつけで複数のストーリーを作り上げられる余地が多く、本格ミステリーの多重解決ものとシンプルに見た場合、やや論理的に弱い部分があり、その点ではやや不満の残るところだ。 酷評意見にはバカミスとか推理じゃないとかという意見があるが、全く本格ミステリーの構造的に読み取れていない。 真の本格ミステリーマニアが読めば、なかなかの意欲作だと評価できるだろう。 | ||||
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本作の漫画化(マガジンR)をきっかけに購入。表紙がついていないんですね,残念です。 虚構の構築,いいと思います。 | ||||
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私的には鮎川哲也氏選の本格シリーズ?に掲載された、飢えた天使が彼にはまったきっかけでお気に入りですが、それには私的に大変失礼ですがいまいちな作家さん達のが収録されているのが邪魔。出来れば、次回作があれば、再録して頂けると嬉しいですが。 | ||||
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タイトルと筆者のファンであった為購入。 探偵役と犯人(?)役は相変わらず好感が持てました。 内容は超常現象が出てくるので全体的に軽い雰囲気に…(私は嫌いじゃないですが) この巻はシリーズの1巻の位置付けなので登場人物の描写が多くなること、この本の探偵、岩永琴子は隠された真実を暴くのではなく、真実は最初からわかっています笑 その上で虚構を混ぜ込み、論理を展開するという破天荒(いい意味です笑)なミステリという感覚で読んでもらえれば楽しめると思います。 私はシリーズ次回作が出たら購入します。 筆者は読者を文章に引き込む力はすごく持ってる方だと思います。刊行数が少ないのが個人的にもったいないと感じて止まない。 城平先生の書く本をもっと読みたいという期待を加味して☆5です。 | ||||
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城平さん●ねんぶりの小説-! 楽しかったです。 読み手は選ぶと思います。 私は好きでした。 スパイラルの鋼鉄番長の密室と少し似ていたかも。 名探偵にバラをと比べるとかなり、ライトノベルよりです。 むしろ、主人公の設定が小日向くるみよりラノベ。 本格推理の文字も無いので、そういうこだわりはないようです。 (本格推理が曖昧で、世間一般に言われているそれからは外れると思います) キャラが立っていて?キャラ萌えの要素すらありそう。 本筋とは関係のない人物設定もかなりあったのでシリーズかを目論んでいるのかも?? 途中まではおもしろいんだけど、 ミステリーになるのかな?って思っていましたが 最後にはちゃんとミステリーしていました。 城平さんらしいやり方で。 ちょっと盛り上がりに欠けたかな? 前置き的なもの(舞台ができあがるまで)が長かったかな?と思いましたが ミステリー部分はきちんと出来ていると思います。 (といっても、この分野はほとんど読みませんが。) タイトルの「虚構推理」 現実は味気ないのだけど、そこにいかにロマンを見いだすか ある意味で虚構(小説)のなかで(虚構)を作る。 流石です。 早く次を。マンガでなく小説で。 | ||||
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怪奇ミステリと言ったら、普通は 「怪物のような犯行の謎を、推理で解いて犯人を暴け」 といった感じで、怪物の不在を証明する為に推理するのが 一般的だと思いますが、この作品は全く逆。 犯人が本物の怪物だと冒頭で示されてしまい、 「通常の人間犯罪だと人々に思わせる為に、推理力によって、 いかにもありそうな、精巧で魅力的なニセの真相を作れ」 という話。 まさしく「虚構推理」です。 殺人を繰り返すこの怪物は、ある怪談の流行によって多くの人が その存在を信じた(または実在して欲しいと願った)ために 出現した存在。消し去るには「なんだ、人間の犯人がいたのかよ」 と誰もが考え直すような「ニセの真相」を流布して、 怪談自体を下火にするしかないのです。 確かに切り口は斬新なのですが… 正直、そうした挑戦的オリジナリティを買えるか、または 論理のパズルのみで面白がれる人でないと、少々厳しい気がします。 推理小説の面白さというのは、「トリックを解き明かす論理パズルの妙」 に加えて、「それが暴かれる事で、舞台や人物の見え方が転覆される妙」 の2つから成るものだと思います。 ところがこの作品は、殺人の真相が最初から明らかであるため、 後者の面白みがイマイチありません。 また、「真相(真実)」は証拠等によって客観的に示せますが、 「嘘」を「信じ込ませるに十分な嘘だ」と客観的に示す方法は無いため、 最終決着が普通のミステリに比べて若干モヤっとした印象でもあります。 ただ、こんな特異な切り口の推理小説はそうそう他に無いですし、 怪異の登場を何とか許容させて読ませるリアリティのコントロール術も 見事だと思います。 普通の推理小説に飽きて、とびきりの変化球を求めていらっしゃる方に お勧めしたい本です。 | ||||
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タイトルに偽りあり。 推理ものの本ではない。いかにだませたかの勝負をしてるだけ。 | ||||
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2011年発表、2012年には、本格ミステリ大賞を受賞しながらも、最近までその存在を知らなかった本作品。 ネット上で、賛否両論状態で、レビューが掲載されているのを発見し、興味を持ち読んでみました。 私は、個人的には、「これまでにない斬新な発想のミステリ」として、評価したいと考えています。 この作品、どんな事件が起こるかというと、元アイドルが、鉄骨に潰されて死ぬという、ある種非業の死を遂げ、以後、顔を潰されたアイドルの衣裳を着た亡霊が、夜、鉄骨で人を襲っているという「都市伝説」が日本中を席巻し、本当に、亡霊が起こしたとしか思えない事件が勃発するというもの。 この手の作品の多くは、「亡霊」という超常現象と見せかけて、じつは、普通の人間が犯人だった── という真相のパターンが多く見受けられますが、本作品の作品世界内は、「亡霊などの超常現象」が「現実」なのです。 このため、この作品世界内での「真相」は最初から明らかで、本当に「亡霊」が事件を起こしている。 実際、探偵役の女性は、霊視の能力を持ち、異界と人間界の橋渡し的役割を担っているという設定です。 では、本作品、どこが斬新かというと、この作品世界のルールは、「みんなが都市伝説を信じると実際にそのとおりになる」というもの。 そこで、「亡霊が出没しなくなる」ようにするためには、「亡霊の存在以上に合理的な説明」=「虚構推理」を人々に信じこませることで、達成できるというのです。 そこで、探偵役の女性が繰り出す推理は、普通のミステリでは、最も合理的として、「真相」として落ち着くような内容。 ところが、その華麗な推理が本作品世界内では、「虚構」なのですから、この捻りの設定そのものが何とも面白い。 もともと、本格ミステリは、名探偵の推理が、犯人が死亡していたり、逃亡していたりで、作品内の「真相」なのかどうか、検証されないものも珍しくありません。 そういう点からすると、「どんなに合理的でもこの推理は虚構だ」と宣言している本作品は、逆説的に「フェア」な小説として、もっと評価されてよいでのではないかと感じています。 | ||||
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本格ミステリー大賞受賞作。 こういう形でミステリーを成立させるやりかたもあるんだなと感心。 虚構で虚構を倒すという論理以外に、 噂が自然増殖して行く恐ろしさを描いた現代批判的な側面も面白かった。 マンガの原作なんかやめて、もっと小説を書いて欲しい。 | ||||
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とても面白かったです、カバーのイラストはAnotherの清原紘さんなのでコミック化されるならば清原紘さんで、でもその前に続編希望です。 | ||||
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さて、本作をどう評価したら良いのだろうか。 ミステリとしては、ある意味バカミスに分類されてもおかしくはない。 しかし、あの前提条件が容認できるひとにとっては、あの凝りにこった理屈がたまらないかもしれない。 だから、本作に対する評価がまっぷたつに分かれるのも、わかる気がする。 そこで、私はあえて中間のスタンスをとりたい。 死んだアイドルの亡霊が現れる、という魅力的な設定があり、事件が起きる。 裏になにがあるのか、というのがポイントになるのは、比較的早い段階でわかる。 しかし、それからの怒濤の理屈(けっしてロジックではない)が本作のキモであり、そこに面白さがある。 いや、私は面白かった。 リーダビリティも高いし。 そしてこのSFチックな設定を容認したミステリというスタイルだが、ランドル・ギャレットや西澤保彦など、いくつも先行作品がある。 カーのあの傑作だってそうだし。 ただし、端正なミステリを期待する向きには、顔をしかめられるような軽い描写など、ちょっとというような点もあることは確かだ。 だから、本作がミステリ賞の受賞作というのには、私のようなオールドマニアには、ちょっと同意できないところもある。 ジャケットもラノベ風だし、今風ミステリというのだろうか。 ただし、続編が刊行されたら、読みたいとは思っている。 | ||||
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城平京氏の原作を手がけている漫画作品を多く読んいでいて、その氏が描き下ろしの新作を発表していたと知り購入しました。 私は城平京作品のファンなので楽しく読むことが出来ました。 城平氏は現在原作を担当しているとある漫画で「この作品はSFです」と述べているものがあります。 この場合のSFはサイエンス・フィクションではなくて「少し不思議」のSFです。虚構推理もミステリーというよりもそっちの分野な気がします。 城平京氏の作品は「論理」を重要視するものが多いです。ただそれだけではなく、それに加えて神や悪魔、魔法だったり吸血鬼だったりとファンタジーに寄りの要素が絡んできます。 そのような作風に対して前述した漫画では、本作はファンタジーにしては理屈っぽくて、サイエンス・フィクションというには科学的な雰囲気がない。そして、ミステリというには世界のルールが不安定。なので、この作品を言い表すのに適当なのは「少し不思議」ではないか、と述べています。本作『虚構推理』もそのような要素を含んでいる気がしました。 王道的なミステリ作品ではないので、自分のようなミステリに耐性がない人も楽しく読むことができると思います。 また、氏はSFを「そっとふざけている」でも可とも言っています。これも氏の作品の魅力の一つです。 シリアスな展開でサラッとふざけてみたり、ここでボケるのか、というような軽妙な会話や言葉遊びの要素が要所要所に存在し、楽しく最後まで読むことができると思います。 しかし、いくつか気になるところもありました。 他のレビューで指摘している方もいますが、本作の主要人物である九郎のキャラ付けが少し薄い点です。 この巻だけでは、九郎という人物を十分に掘り下げられなかったのではないかと思います。彼は肉体労働担当なのですが、おそらく頭脳労働担当の岩永をメインに描写するため彼の影が薄くなってしまったのでしょう。ここは少し残念でした。 また、これはマイナスポイントというわけではないのですが。 この作品はとある都市伝説を中心に物語が進んでいきます。都市伝説、つまり妖怪や怪異と関わっていく物語です。 そして前述した城平京氏の作品の特徴でもある言葉遊びの要素。 この2つの要素を見て思い浮かべる作品はないでしょうか?そう、西尾維新氏の『化物語』を始めとする物語シリーズです。 この作品が化物語をパクっているわけではありませんし、同じ言葉遊びといってもかなり色の異なるものです。 ですが、絶大な人気を誇るシリーズと要素がかなり似ているということは、読み手の感想にそれなりに影響を与えるかと思います。 最後に、この物語の核である「虚構推理」なのですが。 実はコレと同じようなことを城平京氏は他の自分の作品でやっています。 スパイラルという漫画の小説版で『鋼鉄番長の密室』があるのですが、その最後に今作と同じような展開をやっているのです。 もちろん、細かいことは異なりますし(あちらの主人公はチートなので、虚構推理っぽいことしても真実をバッチリ言い当ててます)、 結末も異なります。ただ、氏の作品を読んでいる人は『鋼鉄番長の密室』を思い浮かべた人が多いのではないでしょうか? そしてこの『鋼鉄番長の密室』という作品。名前はふざけてますが、城平京が手がけた作品の中では一番面白いのではないかと思います。 もちろん、単純に『虚構推理』と比べることは出来ません。鋼鉄番長の密室ではキャラクターの設定や物語の下地は漫画のほうで完成しまっているわけですし、世界観の設定からしなければならない読み切り小説とはハードルが違います。 それでも、似た構造を持っている以上どうしても比べてしまい、完成度では『鋼鉄番長の密室』の方が上だなと感じてしまうのです。 以上のように気になる点もありましたが、基本的には面白かったです。 ミステリー分野というとどうしてもお固い感じがしてしまうのですが、そういう難しさはなく楽しく読むことが出来ます。 おそらくシリーズ化も視野に入れての描き下ろしだと思うので、できればシリーズ化したこの作品を読んでみたいなと思います | ||||
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ミステリ・マニアの友人の薦めで本作を手に取ったのだが、ミステリを読んでいるとの感覚は受けなかった。ライト・ノベルの枠組みで、例えば裁判員制度による裁判を傍聴している様な感じ。勿論、琴子が弁護士である。そして、基本的原則は「疑わしきは罰せず」。詭弁を弄すれば不特定多数の人間が1つの真実に収斂する事などあり得ないと茶化した作品にも思えた。語り口が巧みなのでスラスラ読めるが、舞台設定の割には余り深みや工夫を感じなかった。 琴子のキャラクター設定は面白いが、六花はこれからと言う所(シリーズ物になるのではないか)。しかし、これだけ特異な能力を持っている上に琴子の相棒兼恋人である九郎の存在感が薄いのは作品として失敗なのではないか。本作を読んだだけでは、九郎に特異な能力を持たせた意義が理解出来ない。キャラクター設定と語り口の巧みさが作者の持ち味だと思うので、次作にはもっと手の込んだ構想・構成を期待したい。 | ||||
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私は「名探偵に薔薇を」を読んでから城平京のファンになり漫画もよみましたが、今作はどちらのファンも楽しめる作品になっていると思います。 魅力的なキャラクターの掛け合いや城平京の奇をてらった意外な展開に夢中になりました。 シリーズ化を期待したい良質なライトノベル! | ||||
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これは推理じゃありません あらすじ 深夜、悲運のアイドルの亡霊は鉄骨を片手に街を徘徊する。 その都市伝説の名は――鋼人七瀬。その彼女の正体とは? 感想 これいわゆる論理を語って推理を行う ミステリーではありません。 だって亡霊の正体はネットを中心に生まれた人々の妄想、 「こんな設定の亡霊がいたらすごいんじゃない」 それが実現化したものという話だからです。 だから探偵役の勝利条件は、人々の妄想を鎮め 亡霊の存在を消してしまうことという珍妙なものになります。 探偵役が、圧倒的な物量のある世間の妄想に対して より質の高い物語を提供して妄想を迎え撃つ展開は 軍事モノによくある、知略で少数が多数を打ち破っていく、 あの快感に近しい感じです。 そうか、あの展開はこのための布石だったのか。 一転二転する話の転がし方に溺れてみるが吉な一冊でしょう。 色々な意味で探偵役のライバルとなるボスキャラもいますし おそらくシリーズ化されるであろう作品ですので 次作を楽しみにまっていようと思います。 読んでからの一言 特命リサーチ200Xに騙されたよ!! | ||||
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