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とむらい自動車(猫丸先輩の空論)
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とむらい自動車(猫丸先輩の空論)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります シリーズ当初は血なまぐさい話もありましたが,今はすっかり日常の謎の短編となり, そのあたりの事情や思いが,巻末の『創元推理文庫版あとがき』え触れられているなど, なるほどだったり,身もフタも…だったり,読み終えても「フフッ」が待つ新版の五冊目. 本作でも奇妙な出来事を前に,いったんは物々しい仮説をぶち上げたりはするものの, いつの間にかはぐらかされ,茶化され,猫の目のようにくるくると変わる解釈をはじめ, 時にブラックジョークを交えての,正解も答え合わせもない,独特の雰囲気が楽しいです. かと思いきや,本編とは離れた部分で,ミステリチックな小ネタが仕込まれてもいて, 本作以降,ずいぶんとご無沙汰となっている,シリーズの新作が待ち遠しいところです. | ||||
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倉知さんの文章はテンポもよく、とても読みやすいだけど、本作は少し内容があっさりしすぎている。 無理に引っ張っている感じが否めない。 でも、人が死なない日常の謎を書く作家は少ない。好感が持てる。 | ||||
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倉知氏の猫丸キャラシリーズの短編集で、全て殺人事件や誘拐など刑法上の犯罪は起こらず、日常の謎を扱ったほのぼの系のユーモアミステリーである。 ミステリーで日常の謎ものはやはり殺人を扱った短編等と違ってサスペンスが発生しないので、いかに魅力的な謎とその解明が腕の見せ所となるが、いずれも強烈な印象を残すまではないものの、アイデア自体は凝っていてそれなりに最後まで楽しんで読める。 日常の謎ものとしては標準以上の出来の作品集だと言える。 | ||||
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前作に引き続き殺人などは起こらず、日常の謎を猫丸先輩が推理する内容で、 前作同様ある程度は楽しめる ただ猫や大食い、書き下ろしの話など日常の謎としてレベルの低い作品も多いので ミステリとしてはあまり期待しない方がいいだろう | ||||
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05年09月のノベルスからの文庫化で,6編の短編集になります. いわゆる『日常の謎』を,主人公がいろいろと解決していくのですが, 『空論』のタイトルのとおり,それが正しいのかはハッキリとしません. 犯人なども捕まりませんし,結末もあえて曖昧にしている印象を受けます. とはいえ,真実どうこうではなく,その『空論』を楽しむという感じで, 主人公の人を食ったようなしゃべりや,そのどこか憎めない立ち振る舞い, そしてそれにふりまわされる人たちの様子が,おかしく楽しませてくれます. また,表紙をはじめ,主人公のイラストが作中で語られる風貌にピッタリで, ほかにも,各編のタイトルが他作のパロディになっているのも少しニヤリです. ただ,『日常の謎』という割には,その謎や状況がやや『非日常的』にも思え, 『空論』とはいうものの,結論にも無茶なところがあるのには引っかかりました. | ||||
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日常の謎系列のミステリ短篇連作集、猫丸先輩シリーズの文庫最新刊です。 しかし、このシリーズのタイトルもミステリなのに、「推論」に続いて「空論」ときましたか。 でも、こういうタイトルだからふざけているように見えて、推理はけっこう本格なんですよ。しかもちょうどいい塩梅で読者も「あ!」と驚かされるのが半分弱、読者が「わかった!」って思うのが半分強のちょうどいい塩梅なんです。 それでいて、この猫丸先輩という、小柄でまんまる目の猫のような30すぎのどこか憎めないキャラクターがすごく強くキャラ立ちしているので、キャラ萌えとして小説を読む向きにも十分に魅力的です。大人なのに子供のようで、好奇心だけで動いている不思議な男。しかも語り口はちょっと落語口調で面白い。この軽い味わいと軽妙さが他の作品にはない味なんでしょうねぇ。 いいシリーズです。今回もたっぷりと楽しませていただきました。先入観で騙されてしまうちょっとラブコメ風の「子猫を救え!」というのが一番のお気に入りとなった作品集でした。 ちなみに、猫丸先輩シリーズは他に「猫丸先輩の推論」「日曜の夜は出たくない」「過ぎゆく風はみどり色」「幻獣遁走曲」などがあります。「日曜の夜は出たくない」だけがちょっと暗めです。 | ||||
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ちょっと手を抜き始めたのかな、と思わされる一冊だった。全体的に遊びの部分がしなわれているように感じた。まず、以前のような文体模写の要素が薄くなっている。それから、謎を取り巻く状況に奥行きがない。プロットの複雑さというか、ふくらみの部分が物足りないのだ。そして、謎そのものが小粒になっている。 色々な意味で限界に突き当たっているのだろう。ぜひ、壁を乗り越えて頑張って欲しい。 それでも、猫丸ファンにはそこそこ楽しめる内容。 | ||||
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正直、告白します! 表紙のパッケージにある猫丸先輩があまりにカワイクて買っちゃいました!!! でもね、中身も秀逸♪ 一般的に、本格推理小説というと、 「密室の中で人がバッタバッタと殺されていく」 というような「悲惨系」なお話が多いとおもうのですが、 本作は、めっちゃホノボノ♪ しかも、あんましヒトもしなないしね。 んで、猫丸先輩がイイアジだしてます。。まじで。 カワイイかとおもいきや、こやつ一筋縄ではいかぬ、なかなかな「猫野郎」でござります♪ 推理小説は大好き、でも、あんまヒトが死ぬのはいやだという方(!?) には超絶オススメです。 あたまの体操になりますぞよ♪ | ||||
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猫丸先輩の登場である。 ー「黒いぞろっとした上着を、だらしなく肩から引っかけた小さな身体。同様に小さな顔に、仔猫じみたまん丸の大きな目。長い前髪が眉の下までふっさりと垂れた、一見年齢不詳の童顔の小男」ー著者のメイン探偵役キャラクターだ。 彼は著者が倉知淳としてデビューする前に佐々木淳という筆名(本名?)で応募した、’93年、伝説の奇書『競作・五十円玉二十枚の謎』の「解答編<一般公募の部>」で「若竹賞」を受賞した短編ですでに主役を演じている。その後、デビュー作の連作短編集『日曜の夜は出たくない』、長編『過ぎ行く風はみどり色』、短編集『幻獣遁走曲』、『猫丸先輩の推測』、そして本書で活躍している。 彼はたぐいまれなするどい観察力と機知にとんだ洞察力で、後輩たちを煙に巻きながら、いわゆる「日常の謎」を解き明かしてゆく。 ミステリーには「日常の謎派」というサブジャンルがあり、北村薫がその元祖とされていて、加納朋子や若竹七海、光原百合などの諸作品がこれに属するとされているが、主人公は普通の女子学生だったりして、これほど人を喰ったエキセントリックな人物は他の「日常の謎派」の作品には現れない。 さて今回、本書で猫丸先輩が解き明かす「日常の謎」は、イラストレーターのアパートのベランダに毎朝決まって置かれるペットボトル、交通事故現場に次々と呼ばれる無線タクシー、密室状態のテントのなかで割れていた7つのスイカ、大喰いチャレンジ企画のステーキ屋から突然飛び出してしまった女子大生などなどである。 初期の頃の作品と比べるとその「日常の謎」の“どうでも良さ加減”が増してきて、緊迫感がやや欠けてきたような気がするが、今日も今日とて猫丸先輩の「日常の謎」の、あっと驚く、しかしなんか妙に納得してしまう解明はつづく・・・・。 | ||||
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猫丸先輩シリーズ最新作。犯罪性の薄い小事件を主にゲストキャラクターの視点で描く連作短編の形式に落ち着いてからは3冊目。前2冊がすばらしかっただけに、率直に言って期待はずれの1冊だった。全部の短編について、謎がほんの一捻り足らないのである。元々小さな謎だけに、それだけでひどくお粗末に見えてしまう。「子ねこを救え」が典型で、前提があからさまに独断的なだけに、猫丸先輩の推理でそれをひっくり返されてもさっぱい爽快感がない。 今回はそのため、むしろ謎解きよりもギャグのオチの方に気をとられてしまった。「とむらい自動車」「な、なつのこ」など、予想通りのお約束なオチだが、それでも結構楽しい。猫丸先輩のキャラクターにも磨きがかかっている。是非次回は捲土重来を期待したい。それとも、作者が小事件シリーズには飽きてしまって、初期のヘビーな傾向に戻る前触れなのだろうか。 | ||||
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猫丸先輩といえば、唐沢なをき画伯という記号化が定着したようである。伴い、猫丸先輩のキャラクターが心持ち意地悪になった感があるのは、双方のファンとしては嬉しい限り(w。そう、今までが「うふふ」とか「あはは」いう笑い方なら、本作品集は「けけけ」という感じ。 例によって猫丸が繰り広げるのは「推理」ではなく「推測」なのだが、本収録作品はリドルストーリーの色合いが濃いものが多い。 「毒入りチョコレート事件」を髣髴とさせる、多重構造の「水の外にあるもの」、倉知版「海がめのスープ」である「肉か魚か食い物」が、作者の新境地を感じさせる傑作だが、書き下ろしの「夜の猫丸」が特に、いい塩梅に意地悪で怖い「リドルもの」の白眉である。 | ||||
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ベランダに置かれたペットボトル、突然、ステーキ店から出て行ってしまった友人・・・。 正直言って、登場する謎自体はどれもすごいものじゃありません。 シリーズ第1作に比べるとちょっと説得力不足かな、と思う場面もあるのですが、身体は小さいが態度はでかい、猫丸先輩の魅力はさらにレベルアップしています。 ワクワク、ハラハラするような展開はないけれど、ついついページをめくってしまう、そんな不思議な魅力の一冊。 | ||||
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