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死への祈り
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死への祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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ローレンス・ブロックのマット・スカダーもので、読んでいないものを読もうと少し前に『処刑宣告』を読んだ。 「少しネアカになったスカダー」と、そのレビューのタイトルに書いたのは、多少マット・スカダーのイメージに違和感を覚えたからである。 一年ほど前にスカダー・シリーズ最期の17作目『償いの報酬』を、読んだが、ミック・バルーと酒場で昔の事件などを、夜明けまで語りあう設定には、それなりにブロックの筆の冴えを感じたのである。 が、本作『死への祈り』には、評者の期待するマット・スカダーは消えてしまっていた。 セレブになったスカダーというと語弊があるかも知れないが、ジャズハウスへ行くマットは、イメージできるが、妻のエレインと、度々クラッシック・コンサートや洒落たレストランでディナーを楽しむなど、どうも評者のスカダー像から外れているのです。 人は、歳とともに変わるものであろうが、長年続くシリーズもの小説の面白さを持続するには、今一つブロックさんに、マッド・スカダーを、それなりに進化させてほしかった、と読者の我がままを書いておきたい。 本作『死への祈り』は、冗漫なストーリー展開で進みながら謎を究明してゆくマッド・スカダーの描写には、往年のスカダーの迫力も陰影も垣間見ることなく物語は終えている。 他のかたもレビューで指摘していたが、犯人のサイコパスが唐突に一人称で語る挿入も頂けない。 本作のエンディングも、余韻を残そうとの、著者ブロックの意図が成功しているとは評者には思えず、よくある通俗ミステリ小説のように感じてしまったのです。 評者が、このシリーズで未読なのは、『すべては死にゆく』だけとなったが・・・。 | ||||
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久し振りにスカダーをハードカバーで読む。禁酒を続けているスカダーの主な活動場所がバーからリンカーン・センターのクラシック・コンサートの会場に変わっていたり、助言者や彼の元・妻が亡くなっていたり、ひとり暮らしをしていたホテルがTJのねぐらになっていたり…もちろんそれらの伏線は以前の作品から張られていたものだ。文句を言う筋合いはない。でもやはり違和感がある。プロットは例によってそれほど凝っていない。今まではそんなプロットなどなくても構わないほどの、圧倒的な存在感がスカダーにはあった。また、飲めなくてもスカダーがNYのうらぶれた酒場を彷徨う臨場感ー今回はさながらそれを感じることはできなかった。主人公に存在感がなく、プロットもそれほどではない、さらに悲劇的なのは犯人に「魅力」が全くないー面白いはずはない。その犯人が「自分の視線」で語る数章がある。あとがきで田口氏も言及しているが、スカダーの一人称で続いてきたこのシリーズに、それはとてつもない違和感を与えている。エレインがもう少し理屈っぽくなり、ミック・バルーがもう少し腕力にモノをいわせるようになると、これはもうスペンサーだ。「餅は餅屋」にしておいてね、お願いだから。 | ||||
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