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東京島
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東京島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 21~40 2/4ページ
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無人島に漂流した女性のサバイバル記。 現代人が無人島に漂流して自給自足を余儀なくされたら、 どのような行動をとるのか?がテーマ。 無人島にダイバ、コウキョ、チョーフといった東京の地名を付けて生活を始めます。 始めは秩序を保って 生活していますが、 漂流者で唯一の女性である清子(主人公)の夫の隆が死んで均衡が崩れて行きます。 人間の心の闇を描く作品。生々しくリアリティを感じさせる描写。 読んで飽きません。おすすめの一冊です。 | ||||
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なんとも後味悪い、作品。それでもひきこまれてしまうんですが。 桐野さんの作品はいつもにおいたつような人間のいやらしさ、グロテスクさ、泥臭さが満載。 この作品も例外に漏れず。 無人島に漂着した清子と夫、あとから漂着した若者たち、中国人、誰一人として共感できる登場人物がいない。 そもそもこんな状況におかれることがないですが、人間ってほんとにこんな風になっちゃうのか。 指の間からのぞくような気持ちで読み進めて、そしてあのラスト。 全編とおしてやな感じなんですが、おもしろかったです。それが不思議。 個人的には映画は見ていませんが、ワタナベをどういうふうに窪塚洋介が演じているのか、それが楽しみ。とてもはまっているような気がします。 | ||||
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綺麗な商品でした。大満足。又利用させて頂きたく思います♪ | ||||
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OUTを読んでいたので、予測した方向がだいたい合ってました。 男性作家が描くような社会の縮図的集団の構図とか、弱肉強食とか、 そっち系のサスペンスではありませんでした。 思ったより下品でなくてほっとしましたが、結末もまた予想どおりでした。 | ||||
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登場人物はみんな変わった人で、感情移入ができなかったです。 無人島に到着した人たちは、気の合ったもの同士でばらけて、 別々に暮らしだします。しかし、そこまで無人島の環境は甘くないだろう ともおもいます。 | ||||
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キャラが立ってて、『15少年漂流記』や『蝿の王』より面白いです。 女が入っていると、いろいろ乱れて楽しいのですね。 年増女の願望も炸裂。好き勝手に書いてる感じですね。 ちなみに私の好みはワタナベと犬吉とシンちゃんです。 | ||||
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これを周りで読んだ人全員が「エグい」という感想だったが、私自身はどこがエグいんだかわからない。 無人島でなくとも職場や学校でも、この小説の中の出来事に近いことは日常的に起こっているし、事実これを「エグい」と評している人たちの腹黒さと底意地の悪さも相当なものだ。(これは個人的なことだけど) この小説と日常との違いは、「お上品さ」というヴェールを被っているかいないかだけの違いだけだと思う。小説ではヴェールをはぎ取りむき出しになっているけれど、実は日常生活でも隠したつもりになってるだけ。周りからはこれと全く同じ「エグい」中身がペラペラのヴェールから透けて丸見えである。 | ||||
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無人島に流れついた三十一人の男とたった一人の女。 求められ争われ、主人公の清子は女王の悦びに震える――――。 と、あるのだが、中を見るととんでもない。 清子が女王でいた時代など、清子の回想の中でちらりと出てくる程度で、ほぼ全編に渡り清子は扱いにくいオバサン扱いを受けている。 一度求められる悦びを知ってしまい、落ちぶれる一方の現状を苦々しく思う、思い上がった女の心情。 もがけばもがく程、立場も悪くなっていく。 これは、男衆に囲まれちやほや可愛がられる、女王様の話なんかじゃない。 疎まれ、見下され、時に敵意さえ向けられながら、信じられる味方など一人もなく、たった一人で男という名の敵と戦うサバイバル小説だ。 卑しくも生に執着する、身も心も汚い中年女が七転八倒する物語だ。 だからこそ面白い。 純文学の専門誌で連載していたそうだが、これは純文学ではないだろう。 あと、ラストのオチはちょっと甘いかなという事で、星一つ減点しました。 | ||||
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映画化され有名な女優さんも出てるので 油断してました。前半かなりエ○です。 まぁ、こういう状況ではこういうもの なのかもしれませんねぇ。 | ||||
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読んだ感想として…頭の中をグチャグチャにされますね(笑登場人物が多すぎて単純に混乱しますし、 リアリティのカケラも無い突飛な展開、 散らかしっぱなしのエンディング等々、足りない我が脳ミソを散々掻き回されました。 ただ、ワタナベの生き生きとした描写や下衆極まりない主人公の様々な画策と行動、所々に挿入されるブラックなギャグ(?)など個人的にはかなり楽しめました。現実的なシーンはほぼ皆無ですし漂流モノとしては失格です。しかし、登場人物それぞれの過去の出来事が現在の無人島生活での態度や言動に見事に繋がっていく…という丁寧な描写は非常に魅力的でした。サバイバル展開、心理戦、又はエロなどを期待されている方には全くオススメできません。エンターテイメント色が非常に強く整合性などは非常に希薄です。その点を踏まえた上で改めてオススメ致します。 | ||||
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書評で評判がよかったのにつられて随分前に購入し、その時は初めの方を読んだところで「なんか違うかも」と思って放っておいたのだが、映画化されたと知ってあらためて読みなおしてはまってしまった。 無人島の各所に名付けられた東京の地名や、同時期に暮らす中国人のいるホンコンの様子や、投棄された放射性廃棄物の存在などが 現代社会の様々な側面の例えになっており、一見アホらしさも感じられる物語の展開を通して、現実の問題について考えさせられる。 唯一の女性である清子さんが、生きて脱出するために状況に応じてスタンスを変えるところは、なにふりかわまぬ生命力を感じてすごいと思った。 混沌とした状況の中で、何かを模索している時期に読むと元気の出る小説かもしれない。 | ||||
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元ネタのアナタハン事件に前から興味があったとか、こういう狭い世界に閉じ込められた状態の人間心理に興味があるとか、そういったものをすべて取っ払って、最初からくだらない小説だと思って読めば、けっこう面白いと思う。少なくとも、私はそうだった。 男大勢に女一人という、女性なら羨ましくなるような状況にもかかわらず、主人公の女性が羨ましくならない。その主人公の女性はどこまでも浅ましく、低俗で、それを隠そうともしないところが清々しくさえある。性がためらいもなく描写されるがそういった欲はかきたてず、その欲を持つ人間そのものがくだらないと思えてくる。途中に出てくる「犬だ、犬」という表現は、シンプルであっても、そのすべてを象徴していて、秀逸だと思った。 話の展開も、いかにも作り話という感じだが、そこがおもしろく、次々といろんなことが起きて飽きない。感動しまくったのに忘れてしまう小説もあるが、なぜかこの作品は時々、何か所かの場面を思い出してしまう。くだらないと思いながら読んでも、けっこうインパクトは強かったのだろう。そういった意味でも楽しめた。 性格の悪い奴がいっぱい出てきて、生活はどこか気だるく、苦笑いを浮かべながらも一気に読んでしまう。そういう小説を読んでみたいと思うなら、お勧めです。おもしろい。 | ||||
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たしかに、かつての「ミロ」シリーズや「OUT」の時のような ストーリーの面白さは、この作品にはないかもしれません。 ただ結末よりも、他の方も書かれているように 設定の面白さ、そしてその極限状態に置かれた ひとりひとりの人物描写の深さが素晴らしかった。 非常に登場人物は多い作品ですが、きちんとその人の 過去や背景、そして島でのうつろいまで描かれています。 なによりやはり、桐野作品は女性の恐ろしさが天下一品。 ここでもそれは健在です。 力で勝てない女性が、なぜこんなにも恐ろしく描けるのか…。 | ||||
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なぜか、否定的なレビューが多いようですが、私はとても面白く読むことができました。 ミステリーとか殺人がメインの小説が多い中、毛色の違った小説として興味深かかったです。 無人島で、男31人の中、女が1人という設定で多くの人が想像するであろう、レイプとか殺人ばかりの展開ではありません。 むしろそういう部分はさらっと描くのみで、それよりも人間の心情とか、狡猾さ、人間の心理が多く描かれています。 性描写も多少ありますが、特段グロい・生々しいものではありません。 そのたった一人の女性(清子)が、その中で一番年上で、一番太っているという設定も面白いと思います。 ただ、他のレビューにもあるように、地名や人物が多くてちょっとわかりづらい感はあります。 東京島の全体像があまり把握できないので、時々「?」となりながら読む部分もありました。 登場人物も広く浅く描かれた人が多いため、人間関係が把握しにくい点は否めません。 なので、私のように主人公の清子のみに軸を置いてほかはそこまで気にせずさらっと読めば、気にならないかと思います。 解説を読むと、もともと短編の読みきり予定だったもので、連作短編として15回にわたって雑誌「新潮」にて掲載されたものだそうです。 言われてみると、ひとつひとつの章は完全に独立していたし、それぞれ話し手が変わったり、時間軸も前後したり、展開がいっきに進んだりしていました。でも、全体としては一気に読むのにちょうどよいテンポでした。それぞれの章を簡潔させなければならないので、特化された登場人物以外の人間があまり深く描かれなかったのも仕方がないかもしれません。 この夏に映画化されるようですが、これをどう映像化するのか、是非見てみたいと思います。 個人的には、オススメの本です。 | ||||
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実際にあった事件をモデルにしているというのは、読み終わった後で知りました。 ハッキリ言って、まともな人は一人も出てこない。 みんなちょっと頭がおかしいか、極端に性格が悪いか…。 しかし、こういう極限状態におかれたら、誰もがおかしくなるのかもしれない。 綺麗事を一切抜きに、本能と打算だけで生きる姿は、あまりに滑稽で憎めなかった。 所々、不意打ちのように笑える描写が散りばめられています。 後半はなんだか尻窄まりな感じだが、かなり読みやすいので、普段読書しない人にもオススメ。 | ||||
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桐野夏生氏による谷崎潤一郎賞受賞作。 無人島に漂着した31人の男と、たった一人の女による異色の群像劇。2010年に映画化もされる。 清子は夫の隆との旅行中に海難事故に遭い、無人島に漂着する。 次いで23人もの日本人の若者が漂着。彼らは無人島を「トウキョウ」呼び、共同生活を始める。 そしてさらに、曰くありげな十数人の中国人が漂着。トウキョウの人びとは彼らとその集落を「ホンコン」と呼び、距離を置く。 島の住人は、清子を除くと、全て男である。 そして、唯一の女性である清子を巡って繰り広げられる争い。 清子は男達に欲せられることに陶酔し、自分が女王であることに悦びを覚える。 しかしそれもそう長くは続かない。 本作の読みどころは、刻々と状況が変化する無人島「トウキョウ」と、それに合わせて変化する清子の立場・行動である。 生存、脱出、文明への望郷が、清子をしたたかに駆り立てる。 そして、村八分、裏切りが暴力へと発展する様は読み応えがある。 中でも嫌われ者であるワタナベの存在が異色でインパクトがあった。 本作で決して欠くことができない、最優秀助演男優と言ってもいい。 たった一人の女性をめぐるというエロティックなエンターテイメントを期待した人には物足りなかったかも知れないが、極限状況に置かれた人びとを描く文学として傑作である。 | ||||
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無人島に男31人、女がただ1人。 まず、この奇抜な設定だけでつい読んでみたくなるというもの。 しかも、この筆者であれば、非日常的な状況下において人々の欲望がうごめくさまを描いてくれるに違いない、という期待を持って読んでみた。 その期待を裏切ることなく、物語は進む。 とはいえ、この物語の面白さは、時間が経つにつれて、 (島での)社会の流れが変わっていき、それぞれの立場も変わっていくことにあるだろう。 どんどん関係性が変わっていく展開に、ついつい読み進めてしまう。 ただ、最後の予想外の展開に至って、ふと思った。 過去の島での出来事を踏まえて、もっと頭を使えば、 もう少々マシな島脱出計画が出来たのではないか?と。 特殊な設定だからしょうがないのかもしれないが、 その辺を含めて、最後は強引さを感じなくもない展開が残念だったため、 星4つの評価とした。 | ||||
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無人島に漂着して暮らす32人の話です。 但し、その中で女性はただ一人です。 しかも40代半ばの女性です。 それでも、島唯一の女性として女王然とした暮らしをしているのですが、夫が死に、次の夫も死に、ついに籤引きで2年毎に夫が後退する事になります。 ところが、こうした中で島の住民の状況は次第に変わってきます。 それと同時に、彼女の位置も変わってきます。 そして、彼女の性格も。 この物語はサヴァイバルものであり、その究極の状態の中で人間がどう行動するかをテーマにしています。 そのため、人間の「暗部」が嫌と言うほど出てきます。 そして、集団があればリーダーが必要となりますが、これも集団の意思が変わることによって変動して行きます。 この本の中では、強いのは「もの」を持っている人間であり、強く「意見」を訴えかけられる人間であり、更にもっと強いのは「生」への執着の強い人間として登場します。 結局、集団は争いを起こし多くの血を流します。 島に残された人、島から抜け出せた人。 何か、それはその人の性格によって運命づけられていたようにも思えます。 重いテーマを抱えつつも、引き込まれて一気に読んでしまう魅力的な本でした。 | ||||
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本書を読みながら、邪馬台国の女王「卑弥呼」とはその村での唯一の女性あるいは妊娠可能な女性だったのではないか?なんて考えてしまいました。無人島に漂流した31人の男性と1人の女性という設定は読む前から想像力を膨らませるのに十分でした。内容も悪くは無いのですが、やはり女性的視点であるため、本来ならもっともっと血なまぐさく、汚いであろう描写が少ないところがちょっと不満です。最後も大体想像通りの終わり方でした。もう少し清子に焦点を絞った小説にすればよかったのに、色々な人の視点から見せようとしているため焦点がぼやけてしまったのが残念です。 | ||||
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無人だった孤島に漂流した人々、しかしその中に女は一人。 彼女が、群がる男たちの中でその本能を呼び覚まし、生き抜いていく物語。 とはいえ、よくある漂流物ではなく、登場人物のほとんどがキレています(笑)。 米ドラマ“LOST”を見ていた為か、 序章からただ一人の女、清子が、女王様モード全開だったのに面食らいました。 この物語に登場する人物には、ドラマに出てくるようなヒーローはいません。 というか大多数が世間一般でも、日の目を見てこなかったような人間です。 あえてこのような人選をすることで、 作家の凶暴な妄想を、大暴れさせる事が出来たのかも。 清子自身も、彼女の夫の言葉を借りると、貞淑な妻だったそう。 しかし残念なのが、貞淑な妻から変身するエピソード、描写があまりない事です。 いつの間にか、男を使い倒すしたたかな女王となり、本能剥き出し状態。 しかし、あえてパーソナルなエピソードを省くことで、 “清子=女”と一般化しているのかもしれません。だからこそ、怖い! 女が男の中で独り。だからこそ、その意味・価値・機能が強調されていきます。 物語中盤で、清子が自身を社会全体の象徴“島”であり、“島母”であると、 錯覚して行く件は、女の持つ受容性が極まってのもので、 トランス感がたっぷりあり、読者に迫ってくるものがあります。 女の本質を考えさせられる一冊。 | ||||
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