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邂逅の森
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邂逅の森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全133件 101~120 6/7ページ
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秋田のマタギ富治の大正から昭和初期にかけての半生を描いた作品。抗い難い力によって人生の重荷を背負わさされた人々が、それでも懸命に生きていく姿は感動的です。テンポの良いストーリー展開にぐいぐい引き込まれる感じ。クライマックスの富治とクマの死闘は物凄い迫力です。 | ||||
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凍てつく東北の山に暮らすマタギ、富治。富治の半生をマタギという狩人としての暮らし、圧倒的な自然の中で壮大に描いた力作巨編。読み始めるやストーリーにぐいぐい引き込まれ、一気に読了した。読書の悦びをストレートに再認識させる本だ。文句なく★5つ。 | ||||
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ものすごい驚くべきストーリー展開というわけでもないし、 血脇肉踊るサスペンスフルなシーンが連続するわけでもない。 それでも、ここに描かれた一人の男の人生を通して、自然とは、文化とは、 女とは、親子とは、命とは・・・いろんなことが深く胸に刻まれる本です。 マタギである主人公は、どちらかというと駄目な男だったりする。 身分違いの女への愛に溺れ、ある意味で転落し、そこから這い上がり、 また予想外の女と結ばれる。 それでもなお、昔の女への未練も残っている。そんな生々しい欲望 をきっちり書かれている。 そんな人間らしい主人公だからこそ、山に入って猟に臨むときに神々しいほどの ストイックさに、胸を打たれました。 直木賞はともかく、山本周五郎賞にふさわしい力作だと思います。 | ||||
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マタギ「松橋富治」の物語です。 自然・獣と命懸けで対峙するマタギ・・・山の神様への畏怖・・・究極の状況に身をおくことで研ぎ澄まされる感覚。 富治を取り巻く女性の健気さ...。 自らが生きようとして生きていく姿、純粋さに息が詰まる程の感動を覚えると同時に、雑念だらけで自然への畏怖や感謝の気持ちすら忘れ、心の底から湧き上がる達成感も感じることのない自らの生活に思い至ってしまいました。 富治のように、「山の神様」に潮時なのか否か憂いなく聞けるように自らが生きようとして生きて行きたいと痛切に感じました。 何年か後に再び本書を読み、どう感じるか試してみたいと思います。 | ||||
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ワクワクやドキドキが有った訳じゃないんだけど、ずっしりと読み応えがありました。何が残ったかというと良く分かりません。感動したかどうかも分かりません。でも、生きることに頑張ろうと思いました。読んで良かったと素直に思いました。 | ||||
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邂逅の森… 読み進めていくうちに考えさせられた。 現代の人間は、そして自分は、 本当に生き物としての本来の生を生きているのだろうか…? 厳しい大自然と生身のまま対峙し、 共存して生きたマタギのひとり、松橋富治… ひとたび山に分け入れば、 紛れもなくそこには命のやり取りがあり、 知恵の限りを尽くして獲物と勝負する。 獲物を仕留めた時には思いっきり息を吸い込み、 「勝負!勝負!」と腹の底から声を発っし、 木霊する雄叫びにより仲間の漁師たちに宣言する。 それは最も高揚感の滾る瞬間であり、 同時に自分が手にかけた獣の死を見つめる時でもある。 獲物となる獣たちへの敬意と、 人智を超えた自然の営みに神を感じた時代… 季節が巡り、その変化から、 そして自らの内に宿る生き物としての衝動により、 今の瞬間をどう生きるべきかを感じ取っていた時代… 多分ボクには同じ生き方は出来ない… でも、読み進めるうちに、 登場するマタギたちの生き方に想いをはせ、 何と生き生きとしているんだろう!! 心からそう感じ、意外なほど強く羨望を覚えた。 人間の作った人間の社会という身勝手なシステムに 余りにもどっぷりと浸かり、 生かされていることへの感謝や敬意を忘れがちなボクにとって 生きるって、なんだろう…? 人間として、生き物としての本来ってなんなのだろう…? 「邂逅の森」は、そんなことを考えさせてくれる、 強烈に迫ってくる一冊でした。 | ||||
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アミニズム、農耕民族、自然との共生。本書を通じて著者は何を伝えたかったのでしょう。良い小説は、時間と場所を共有できる。それが実感できる小説だったことは事実です。 | ||||
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この3年ぐらいの間に読んだ本のなかで ベスト3に入る感動本です。 人物や状況などの描写がものすごく濃厚でリアリティがあって、 獣の匂い、人の匂いがたちこめてくるような感じさえしてきました。 イクは富治に片思いだったけど当初は相手にしてもらえなくて、 富治はイクに同情しかもっていなかったのに、夫婦になって、 絆が深まっていく様子を読んで私は、 「恋が終わってからの夫婦がはぐくんでいく真実の愛ってこういうもの?」と思えて、 目を洗われた思いがしました。 夫婦のマンネリに悩む人たち全員に読んでほしいです。 | ||||
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マタギのいぶし銀な堂々巨編。 面白いです、安心して読めます。 ただ…それは裏を返すと予定調和なので冒険は無い。 いかにも直木賞を獲りそうな作品。 話の展開が、へミングウェイを彷彿とさせました。 ライオンの夢でも見てそうです、マタギだし熊か。 感動ポイントの奥さん、計算したたか女だな。 と思ったのは私だけでしょうか。 | ||||
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まるで息遣いが聞えてくるような、狩猟の場面。大自然の中で繰り広げられる人と獣たちの命の攻防。読んでいて、思わず息を呑みます。自然の大きさに比べたら、人の何とちっぽけなことか!しょせん、人も自然の一部でしかないと、思い知らされます。「マタギ」としての富治の人生、そしてその彼の壮絶な人生をも上回る、富治の妻イクの人生は、読む者に感動を与えます。富治の問いかけに対する「山の神」の答えは・・・。イクはすでにその答えを知っていたのかもしれません。場面、状況の描写、人間の心理描写、内容の面白さ、どれをとっても申し分のない作品でした。 | ||||
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最近の芥川、直木賞受賞作、全部読んでいるわけではないけど、 ちょっと違うなと感じていましたが、この作品は良かった。 ひさびさに傑作の予感が。 読んだことのない作家の長編はとっつきにくいものだけど、 この作品はそうではなかった。東北のマタギ(猟師)の世界を 描いて冒頭からぐいぐいと読者をひきつける。 マタギというハードな男の世界と、主人公富治の恋愛、波乱万丈の 人生が綾織のように展開される。方言と山のマタギ用語が飛び交う 大正初期の東北の貧しい村が舞台でありながら古臭さを感じさせないのは語り口(文体)が新鮮なせいか。 文学的に深い作品が読みたい、マタギという未知の世界への興味、 エンターテインメントとしての筋のおもしろさ、人生とは、生きる意味とは、と 欲張りな読者の欲求をすべて満たしてくれる作品。 富治が魅力的な男として描かれているのだが、最終章、 山のヌシとの一対一の対決はハードボイルドそのもの。しびれます。 | ||||
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ここ数年に読んだ本では白石の「一瞬の光」に次ぐ感動作。邂逅を通じて主人公が成長していく過程は、まさに筒井の「旅のラゴス」に通じる(鉱山での生活などはそのもの)。「東北」と「熊の肝」に非常に興味が出てくる物語(「もののけ姫」ほど臭くありません)。 | ||||
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ここ数年に読んだ本では白石の「一瞬の光」に次ぐ感動作。邂逅を通じて主人公が成長していく過程は、まさに筒井の「旅のラゴス」に通じる(鉱山での生活などはそのもの)。「東北」と「熊の肝」に非常に興味が出てくる物語(「もののけ姫」ほど臭くありません)。 | ||||
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昨今の軽く読める本がブームの中で、これは一味違ったロングセラーになるであろうずっしりと心に沁みる本である。東北の狩猟文化を背景に熊をめぐる人間模様。忘れてはいけない日本の自然と自然がもたらす恵み。相剋の森と合わせて読むと倍増です。 | ||||
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富治の生き様に圧倒されました。また、著者は不器用な私へのバイブルと示して下さいました。巨熊との戦い、すなわち山の神との戦いを決意した富治。彼は女房イクとの愛を肯定するために、そして折々の選択の正しさを検証することが目的であった。また、小太郎を傷つけた巨熊への復讐も伴う…釣り合わぬ文枝との恋沙汰がもとで、彼は次々とふるさとから遠ざけられた。札付きの淫なイクと所帯を持つと言う屈辱的な条件で、定住の地にありつく。さらにイクは、身ごもっている。(イクの義理の弟であり、富治の弟子:小太郎の子どもかもしれない。)しかし、所帯を持った二人は、娘たゑを見事に片付けた。後半、恋仲を引き裂かれた文枝が現れる。男根の萎えた富治、張り手を先制したイク。このくだりに、彼らは真に夫婦として愛し合っているなと、感動しました。この絆こそ、巨熊との対決に勝ち得た愛の証であろう。さらに、生きる力を振り絞りイクの元に向かう。”夫婦の絆”を問いた快作として、私は「星5」を投票します。巨熊は山の神の化身と信じつつ、…。 | ||||
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邂逅とは出会いの事、東北の山の中で様々な人と出会いながら人生を翻弄されていく富治の物語。のっけからマタギ猟のこれでもかとも思える詳細な叙述から始まる。こうやって今まで知らなかった知識を文中で与えてくれる作品は、かいくんのお気に入りである。この他に大正時代の炭鉱の生活、第一次世界大戦近辺の経済事情も見逃せません。肝心の物語は富治のマタギ猟の生活から始まるのですが、前半はちょっと心理描写に深みがない気がする。後半になってそこそこ胸に来る場面は出てきますが、ちょっとそれでも物足りない気がします。ただ、それを補って余りあるマタギ猟、雪山の描写の迫力は読み応え十分です。2000円と少々高めなのが難点ですが、オススメの1冊です。 | ||||
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かねてより、直木賞は小説ではなく小説家に授けるためにある賞だと言われていたと思う。実際に過去の直木賞受賞作を読んでも、ピンとこないことが間々あった。だけど、「邂逅の森」は違う。小説そのものが抜群に良い。壮大なスケール感と叙情性豊かな描写力で描かれたマタギの物語は、読む者の心にじんわりとした感動を与えてくれる。読後の深い余韻は、ここ何年か読んだ小説の中でも一番。直木賞を獲らなければ書店の片隅に埋もれ忘れられてしまったかもしれないこの本に巡り合うことが出来てとても幸運だったと思う。 | ||||
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新聞の書評をみて購入した。熊を狩猟するマタギの物語であり、私も含め一般の人にはなじみが薄い舞台設定だが、読み進んでいくうちにどんどん物語りに引き込まれていく。 著者は民俗学にも造詣が深く、本書はそういった見地からも読むことができるが、中心を貫いているのは実は純愛というべき男女の物語である。 最近、「セカチュー」に類する恋愛小説が多く、それはそれで面白いのであるが、本書はそれらとは一味違う。しんみりとした中にも躍動感があり深い感動を伴う読後感が味わえる、すばらしい小説である。 | ||||
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なかなか厚い本ですが、つかれるように1日で読みました。マタギの世界だけでなく、当時の数々の風習が出てきて大変面白い。見えない神(自然)を大切にする心は近代化していく中でなくなっていく様子が手に取るように理解できる。我々には到達できない世界がここにある。読んでいて、「もののけ姫」のテーマとダブりました。石炭鉱山とタタラの違いです。夜這いがあったり、身分制度が残っていたり、娘を売ってしまう原始的な日本が描かれていますが、自殺者が3万人を超える現代は果たして進歩しているのだるかと思うのは私だけであろうか。著者の描写力にうなりますし、富治の波乱万丈の人生に胸を打たれます。クライマッスはまさに手に汗握る展開ですが、読んでからのお楽しみに。性の表現が直接的ですので、”繊細な”女性にはお勧めできません。映画ならR指定になるはず。読んで損はない力作です。 | ||||
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マタギの世界を興味深く読んだ。マタギの世界に限らず,今はもう忘れられてしまったであろう,伝統やしきたりをこういう形で残していくことは大切であると感じた。物語は昭和のはじめで終わっているが,その後,マタギはどうなっているのでしょうか? 彼の息子は?あわせて,長い年月の夫婦愛にも感動した。夫婦とは騙しあい? 信じあい? 歳月とは,深い信頼を育ませるものと感じた。 | ||||
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