獄門島

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評判

獄門島の評価:

4.02/5点 レビュー 99件。 S ランク

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平均点4.02pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全101件 1〜20 1/6ページ
No.101
(5pt)

言わずもがなの傑作だが、やや評価が高すぎる気も…

長きにわたり国内ミステリ最高峰と評価され、何度も映像化されてきた超有名作。2012年刊の「東西ミステリーベスト100」においても国内第1位に選ばれているほど。
傑作であることに異論はないものの、個人的には評価が高すぎる気がしないでもない。トリックは非常に映像的でギミック感たっぷりだし、当時の離島の雰囲気が伝わってくるのもとても良い。だが、100年以上の歴史があり、数多くの傑作を生みだしている国内ミステリのなかで、本作がベスト・ワンかというと…?
横溝作品に絞っても、パズル・ミステリとしての緻密さで「本陣殺人事件」が、エンタメ性では「八墓村」が上回るように思うし、近年の国内ミステリの充実ぶりを考えると、他にもいい作品があるだろうと思う。
ただ読んで楽しめることは間違いないし、ミステリ・ファンを自任する方なら読まないという選択肢がない作品だろう。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.100
(5pt)

日本の古今推理小説のTOP5に入るか

トリック云々というよりミステリーとして物語を読む楽しさを味をせてくれる。瀬戸内海の風光、寺に登るつづれ折りの坂道、海に張り出す大きな釣鐘、対立する網元旧家、島の長老たち、次々と起こる不可解な見立て殺人。子供の頃、夏休みにワクワクして読んだ時間を想い出す。エログロ強化の通俗ドロドロスリラー量産に走る前の、バランスの取れた日本ながらの良質推理小説。犯人の実行動機と末路、結末はやや唐突感ありで、丁寧な締め方があっても良かった。子供時分読んだのは角川映画ブーム前だったが、再読して、金田一のとぼけキャラぶりは、やはり石坂浩二(古谷一行ではなく)を想起させる。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.99
(3pt)

日本ミステリーの古典。されど……

ここ数年、NHK.BSで密かに横溝シリーズが映像化されている。これはきっと
1970年代の金田一ブームに青春を送った世代が、製作出来る立場になった
からに相違い!……と思う。
横溝作品は、今のミステリー作家には、決して書けない舞台設定の妙
”復員兵、地方の因習、血縁一族の恩讐などなど”そこに横溝ワールド
がある。本作品は、どう考えても殺意となる動機が弱すぎる。
トリック先行のミステリーだと理解して読んでも、殺しの理由に
合点が行かないため、その部分が消化不良となる。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.98
(5pt)

獄門島

映画も素晴らしかったですが、
原作にはまた違ったおもしろさが
あります。
おすすめの1冊と思います。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.97
(1pt)

映画やドラマで脚色されすぎたが、獄門島の人たちはみな親切なのだ

横溝の作品をはじめて読んだ。ドラマも映画も見たことない。金田一耕助と言う名前は知っている。本作はミステリー小説のなかで傑作らしい。

ジャンルは探偵もの×怪奇小説。名探偵・金田一耕助が、復員船で亡くなった戦友から「自分の故郷である獄門島に赴き、3人の妹たちを殺人の魔の手から守ってくれ」との遺言を賜った。しかし、妹たちが次々と殺されてしまう。どうも、芭蕉の俳句の見立て通りに殺される殺人事件らしいと後で知る。

が、耕助の推理には真相解明の爽快感よりも、疑問が残る部分が大きい。しかも、第一の殺人事件の犯人と犯行手順を述べるだけで、第二、第三の殺人事件に関してはまったく解説がない。第一の事件も、「こじつけ」が多い。第一の事件では、懸想している恋人から手紙があって、呼び出された長女。が、その手紙を三女が横取りしてしまう。耕助の推理では、その時点で犯人側は手筈が狂い、犯行が不可能にならざるを得ないのだが。

第二、第三の殺人事件も、耕助は説明を省略している始末だ。特に、第三の殺人事件では、被害者本人も「次は自分が殺される」と理解しており、警察の保護を求めている。が、警察はなぜか彼女にボディガードすらつけず、一人きりにしてしまう。通常であれば、彼女は警察の完全な保護下にあり、もはや犯行は不可能になっているはず。クローズドサークルのような、外界と隔絶した孤島ではない。実際に、耕助の旧知の警部が捜査陣を引き連れてやってきている。犯人はその点に対する思索も手当もまったくしない。さも当たり前のように「彼女には警察の警護もつかないし、彼女自身の意志で殺されやすい環境に身を置いてくれるはず」と考える。ミステリー小説としてどうなのだろう?

狂人となって不可解な行動を取る父親、獄門島に逃げ込んできた海賊風の男、腹に一物ありそうな好色の懸想人、ヒロインの怪しげな行動。何か事件の手がかりを掴んでいるらしい住職。確かに謎とスリルは幾分か散りばめているし、島の駐在に疑われて留置場に入れられてしまう名探偵など、コミカルなシーンも用意されている。しかし、肝心の殺人事件が、箸にも棒にも掛からぬ。耕助自身が作中で、「単純な犯行が得てしてトリックになり得る」と言う趣旨の発言をしている。犯人側はあまりにもお粗末な犯行計画を立てており、いつ破綻をきたしてもおかしくない。現実に起こり得るのかなと訝しんでしまう。探偵小説として成り立たない。犯人側の動機も薄弱。故人の遺志を継ぐというのは日本人的な考えだが、作中でも述べられている通り、いまだ占領軍に占領されている時代、やはり気がおかしくなっていたのではないか。が、そのように説明されても、小説として評価しがたいのだ。

横溝作品はこれ以外に読んだことがないのだが、『獄門島』を傑作と評価するのはなぜだろうか。私はミステリーの歴史に疎いのでわからない。そこでchatGPTに聞いてみた。

文学的・演出的な完成度の高さや日本的な怪奇と土俗性の融合らしい。時代遅れの因習、排他的な人間関係、陰湿な村社会の空気と言う「孤島の閉鎖性と不気味さ」。圧倒的な舞台設定が魅力。しかし、おそらくAIは映画やドラマから引っ張ってきたのだと思う(笑)。原作の小説には、そこまでの舞台設定はない。押し並べて、登場人物はみな親切なのだ。ゆいいつ、被害者となった三姉妹は少し浮世離れしており、お客であり初対面の耕助に対しても「いい男でないわね」などと軽口を聞くぐらい。排他的な人間関係なるものは、そこまで本作からは見られない。実際、漁師らがみなで捜索のお手伝いをしたり、床屋に集まって談笑したり、耕助に対しても「俺っちは天下の名探偵と仲がいいんやぞ」と威張るお調子者キャラも。AIは間違っている。実際に、作中でも「獄門島と言う名前から、もっと陰湿で気味が悪いところと勘違いしていた」と耕助は語っている。耕助は、お客として下にも置かぬ待遇を受けておるのだ。強調するが、現実の獄門島に閉鎖性も不気味さもそれほど詰まっていない。

AIは、和風怪奇と論理的な本格推理の融合とも。が、俳句による見立て=和風怪奇というのは、ちょっとね。そもそも俳諧というのは庶民の娯楽であるのだ。サラリーマン川柳というのもある。呪いや風習の存在も和風怪奇らしいが、獄門島という名前は見掛け倒しであり、呪いの「の」の字すら本作には出てこない。これまた、映画やドラマの影響か。

「戦争が悪いんや。戦争がみんな狂わせたんや」という耕助のセリフが、当時の読者の深い共感と戦争批判が込められているとAIは言う。が、これも間違い。原作小説にそんなセリフはない。そもそも丁寧な標準語をどもりながら話す耕助が、なぜ関西弁なんや!おそらく、戦後民主主義者らが勝手に戦争批判を付け足したのだと思う。原作に戦争批判などない。1946年の戦後初期に起こった事件(というか、執筆時期)なので、「戦争は大変だったな」という登場人物のセリフはあるけど、「日本全国民がみな大変な目にあったね」という話。特に、獄門島が戦争被害を受けたという話ではない。

chatGPTの『獄門島』の評価は、映画やドラマによって脚色されたものにかなり影響を受けている。私以上のミステリー小説の読み手であるレビュアーの猛者たちが高評価をされるのも、昔に観た映画やドラマの影響を受けているのか。あるいは、傑作と言う評判に、多分に押し流されてしまっているのではと推察される。

耕助もそこまで動いていない。常人離れした洞察力、推理力を見せつけてどうだ!という場面が少ない。第三の殺人事件に対する備えなど、手抜かりも多い。横溝は名探偵・金田一耕助の魅力を描き切れていない。探偵ものとしても失敗している。最近の作家の作品と比べて、文章表現は豊かだと思うので、それなりに筆力はある作家なのだろう。文章は下手ではないが、推理小説としても、ミステリー小説としても低評価をつけざるをえない。☆1つとします。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.96
(5pt)

日本の原風景のような島(村)を舞台にした、アナログなスリル感による唯一無二の体験

戦後間もなく、瀬戸内海にある獄門島に、戦友の死を知らせるために金田一耕助がやってくるところから物語が始まります。
獄門島という禍々しい名前は、この島の特別な歴史に由来するもので、なにか不吉な運命を持った島であることを暗示しています。

金田一が、島に着いて間もなくして、連続殺人事件が発生し、それは戦友が死の間際に残した不可解な言葉と符合するものでした。
また、被害者たちはみな異様な殺害姿で発見されます。
被害者たちが、精神的に拙いけど、美しく若い女子であるだけに、その異様さは際立ちます。
読者は、金田一のちょうど傍らにいるような目線で、それらを目撃していきます。
そうやって、いつの間にか、不可解で異様な連続殺人事件の謎解き世界に足を踏み入れていくことになります。

登場人物の誰かが犯人であるのは間違いありませんが、物語の結末になるまで、金田一は自身の推理を披露することはありません。ですから、読者自身が先入観をもたずに推理できる面白さも担保されていると思います。
そして、結末で明かされる真相は、想像を超えたものでした。
が、同時にそれは、横溝作品の核心を象徴するものだったのかもしれません。

横溝・金田一の魅力の一つは、戦後間もないころの、古い日本の村を物語の舞台にしていることではないでしょうか。そこは、戦後失われていった日本の原風景的な(そこに住む人や村全体を覆う暗い影を含めて)記憶と重なるような、何かしら懐かしささえ覚えるものです。
この何か懐かしいけど、不吉さ漂う、風景を舞台にして、金田一が足を使って事件の真相に迫っていく、そのアナログなスリル感は、唯一無二の読書体験でした。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.95
(5pt)

ただ、どんなに風光明媚でも住所が獄門じゃ住みたくはないかも

石坂浩二主演の映画では大原麗子が若作りしてました。
浅野ゆう子他が雪月花3姉妹をやっていたのは当たり役。
実際映像で見るとなるほど「なんとも美しい殺し方」ではあります。
さまざまな条件が重なってシナリオを実行しなければならなくなった御大たち。
悲劇としか言いようがないけど、戦後まであった「家」縛りの殺人でもあります。
日本ならではの動機を、翻訳するときはどうするのだろうと思うのは余計なお世話ですが。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.94
(5pt)

今回もまた、縦糸横糸、巧みに織り込んだ名ミステリの醍醐味、読み心地を堪能しました。

久しぶりの再読、いや、三読か四読になります。大まかな筋立ては分かっていても細かなところはおぼろに煙っているので、今回もまた、わくわく、ぞくぞくと楽しむことができました。

今回、あらためて「すげぇなあ」と感嘆したのは、犯行の奥に隠されていた大いなる企みの恐ろしさと、その企みに翻弄されるしかなかった人たちの運命の痛ましさでした。そして、西洋のミステリ作品のトリックを巧みに取り込み、そこに日本ならではの道具だてを盛り込んで生かした著者・横溝正史翁のお話づくりの職人芸、名人芸に、惚れ惚れするしかなかったです。

冒頭、金田一耕助が獄門島にやって来るシーンも印象的ですが、金田一が島を去るラストシーンがまた、なんとも言えぬ風情があっていいっすねぇ。長く澪(みお)引く余韻にため息をつきながら、本文庫の頁を閉じたのでした。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.93
(1pt)

日本ミステリーの始まりであることは理解するが

あくまで現代人の目線で書く。その方が平等だろう。
以下ネタバレあり

=======
探偵
言わずもがなの金田一耕助で、頼りないが変な主張がないため読みやすさに貢献している。

設定
集落もの。不自然なクローズドサークルではなく、普通に警察が来るのは良い。

文章
昔の小説なのでさすがに読みづらい。

キャラクター
数がちょっと多いがリアルであるとも言える。それぞれの個性もある。

事件
予知系なので仕方ない部分もあるがあまりにも予知のまますぎる。何の衝撃もない。被害者が不用心すぎる(ここから死亡フラグが始まったのかも、、、)

トリック
矛盾している。トリック本来の「捕まらないようにするため」という本質から大きく外れている。ギリ2つ目は意味あるかもだが、どれも不要なトリックばかり。普通にコソッとやった方がいい。遺言に従うという意味もあるが、それではミステリーとしては成立しないのでは?ただのサイコ小説に成り下がってしまう。

動機
意味が不明。遺言のトリガーの条件が理にかなっていない。普通に「〇〇が死んでたら」だけでよい。それより普通に平和な遺言書を残せばよい。ただの気まぐれに見える。あと戦争に行く前に普通に注意しろ。俳句を使う理由も不明。ただのサイコ野郎の戯言か。「まあうざいから56した」くらいな感じ。この小説の価値が無くなってしまった。

推理
突然閃いた系。突拍子がない。

ラスト
不気味な感じでよい。

その他
海賊いる?物語にあまり関係なく、超人的な爺さんにただ嬲り殺されただけで可哀想。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.92
(5pt)

映画よりもストーリーがもっと複雑怪奇

映画よりもストーリーがもっと複雑怪奇。はるか昔読んだ事があったのだが、もう映画との違いをすっかり忘れていた。改めて読んでみると当時より面白かった。それだけ歳を取ったという事なのだろう。映画には出てくる、【坂口良子演じる"床屋の娘"】が本書では出てこないのも今回気付いた。ファンだっただけに残念である。映画やDVDしか観た事が無い人にはおすすめしたい。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.91
(5pt)

ミステリの面白さをたっぷりと備えた素晴らしい作品

後世の推理作家に多大な影響を与え、日本ミステリの最高傑作とも称される横溝正史の長篇推理小説「獄門島」。昭和22年1月から翌年10月まで雑誌「宝石」に連載されたもので、名探偵・金田一耕助シリーズとしては2番目の作にあたる。時系列としては「百日紅の下にて」の直後ということになるが、執筆順は「本陣殺人事件」の次である。

昭和21年9月、金田一耕助は瀬戸内海に浮かぶ獄門島へ向かう。その島は古くから海賊の根拠地であり、江戸時代には流刑の場でもあった。金田一の胸中には復員船の中で死んでいった戦友・鬼頭千万太が遺した「おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される……」という不吉な言葉が渦巻いていた。

獄門島に到着した金田一がもたらした千万太戦死の知らせは、島一番の網元である本鬼頭のみならず、島全体に大きな衝撃を与える。当主である父の与三松は気が触れた状態で座敷牢に幽閉されており、千万太は実質的な本鬼頭の跡継ぎだったからだ。

千万太には月代・雪枝・花子という3人の異母妹がいたが、みな父親同様に精神を病んでおり、彼女たちに鬼頭家の財産が渡るのは先代・嘉右衛門の望むところではなかった。そして間もなく、千万太が恐れていた三姉妹を巡る惨劇が現実のものとなるのであった……。

本作は横溝作品の中でも「見立て殺人」ものとして高い人気があり、作中に用いられた俳句を詠むと、美しくも残酷な殺人風景がまざまざと思い浮かぶ。用いられたのは江戸時代の俳聖・松尾芭蕉とその弟子・宝井其角の残した俳句。和歌の書かれた紙が貼ってある衝立や梅の古木、妖しげな祈祷所など印象的なものがたくさん出てくるが、特に千光寺の釣鐘を使った見立ては忘れられない。

鶯の身をさかさまに初音かな(宝井其角)
むざんやな冑の下のきりぎりす(松尾芭蕉)
一つ家に遊女も寝たり萩と月(松尾芭蕉)

また、この作品は鬼頭早苗にほのかな恋心を抱く、若き金田一耕助の姿が描かれていることでも知られている。事件を解決した金田一は、東京へ出る気はないかと早苗を誘うのだが、その答えは「島で生まれたものは島で死ぬ。それがさだめられた掟なのです。でも……ありがとうございました。もうこれきりお眼にかかりません」という毅然としたものだった。

巧妙な伏線、奇抜なトリック、そして意外な犯人。「獄門島」はミステリの面白さをたっぷりと備えた素晴らしい作品だ。市川崑監督の映画で本作をご存じの方も多いかと思われるが、原作は犯人が異なるので、ぜひご一読いただきたいと思う。

<登場人物>
鬼頭嘉右衛門 … 本鬼頭の先代。太閤と崇められていた。故人。
勝野 … 嘉右衛門の妾。
鬼頭与三松 … 本鬼頭の当主。精神を患い座敷牢に入っている。
お小夜 … 与三松が惚れて妾にした元旅回りの女役者。故人。
鬼頭千万太 … 与三松の息子。復員船で死んだ金田一の戦友。
鬼頭月代 … 与三松とお小夜の長女。千万太の異母妹。
鬼頭雪枝 … 与三松とお小夜の次女。千万太の異母妹。
鬼頭花子 … 与三松とお小夜の三女。千万太の異母妹。
鬼頭一 … 本鬼頭分家。両親は既に他界。近々復員との連絡有。
鬼頭早苗 … 一の妹。千万太の従妹。金田一が心を寄せる。
鬼頭儀兵衛 … 網元・分鬼頭の当主。本鬼頭と対立している。
鬼頭志保 … 儀兵衛の後妻。潰れた網元・巴屋の娘。
鵜飼章三 … 分鬼頭に居候する美しい男。復員軍人。
荒木真喜平 … 獄門島の村長。横に平たい感じの男。
村瀬幸庵 … 獄門島の漢方医。鶴のようにやせている。
了然 … 千光寺の和尚。島では網元の上に君臨する存在。
了沢 … 千光寺の典座。無愛想だがたいへん親切な若い僧。
竹蔵 … 潮つくりの名人。先代から本鬼頭に出入りしている。
清公 … 床屋の親方。金田一に獄門島のことを語る。
清水巡査 … 獄門島の駐在。無精ひげをはやした好人物。
磯川警部 … 岡山県警の古狸。金田一とは旧知の仲。
金田一耕助 … 鬼頭千万太の死を伝えるため獄門島へ渡る探偵。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.90
(4pt)

「推理小説の名探偵は無能だ」

という皮肉な言葉があるが、本作の金田一にはのけぞった。

鬼頭千万太「名探偵が戦友で幸運だった!これで安堵して逝ける」

花子「兄さま、お久しぶり!けらけら」

千万太「えっ?・・・・」

読み物としては面白いんだけどね。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.89
(1pt)

ボロ過ぎる

茶色に変色くらいなら文句は言いません。
カビが生えてるような本は売って欲しくないですね。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.88
(3pt)

横溝正史さんの最高傑作とまでは思わなかったが、わりあい楽しめた。

『獄門島』という小説、横溝正史さんの最高傑作とよく言われるので読んでみた。個人的には『悪魔が来りて笛を吹く』の方が好きだが、結構たのしめた。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.87
(5pt)

何も殺さなくてもと思うが、閉鎖的な空間では何が起こってもおかしくない

今となっては、“家”の問題は薄らいでいると思うが、戦後はしかも島という独特の空間ではまだ江戸時代以前のような“家”は守るべき重要なものっだったのだろう。相次いで殺される本鬼頭家の三人娘(月雪花)。その殺害される理由が今では想像できないものだった。当時は殺人を犯す十分な理由だったのだろうが、島の呪縛に囚われた島民の行動が恐ろしい。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.86
(5pt)

映画では伝わりにくい部分を細かく描写しており理解し易い

角川映画の素晴らしい出来を今更ながら再確認し、原作との違いを確認したく拝読。
やはり人物関係において若干の変更を確認しましたが、ストーリーの大きな矛盾にはなっておらず流石に作者がご存命だった当時の変更は実に巧く辻褄を合わせておられます。併せて、お亡くなりになった後の映像作品でかなりひどい変更の認められる作品もありそちらは別物と考えた方がよさそうです。

 多重に張られたトリックやミスリードも素晴らしいですし、この時代背景も時代的齟齬を絶妙に覆い隠すことに成功しています。ただ重版の時にスルーされたのか104p,14行の誤植は原作どうりなのかもしれませんがやや気になりました。

 今後、また映像化することが有ったとしてもトリックの”肝”の部分が現代解釈では規制に引っかかるというのは甚だ如何で、作者も墓石の影で嘆いていそうです。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.85
(5pt)

情報の波

圧倒的な情報量で、文章の一文、一文に伏線が張られていて意味がある。それゆえ読者は気を緩めることなく読み進めなければならない。
金田一耕助の初登場作品の本陣殺人事件と違うところは、一部を除いて、金田一耕助の視点で物語が書かれていることである。
小説に天才的な人物が登場する場合、彼、彼女は、間に語り手や、主人公を挟んだ三人称として、物語に登場することが多い。羊たちの沈黙のレクター博士や、すべてはFになるの真賀田四季など。
その方が物語とともに彼ら自体が謎を孕み魅力的なものとして読者の興味を惹くからだろう。
また、天才の思考を一人称で書くことの難しさもあるのだろう。多くの場合、小説内の天才より作者が優れた頭脳の持ち主であることはないからだ。
だが、獄門島ではそれがなされており、事件に対する謎解きの思考を読者は金田一耕助とともに追うことができる。それによって読み手自身も巻き起こる事件を今まさに体験しているような臨場感をおぼえる。
謎と推理は波のように次々と寄せては引いていく。それでいながら、解決の章に至るまで事件の全容は読者に明かさせることはなく、タネもわからせない、その引き締まった構成を破綻なく書き切った技術に感服した。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.84
(5pt)

封建的な島の殺人事件

復員船での友人の死。既に亡くなっている島の太閤の遺言。仲の悪い本家と分家の網元。美しいが尋常でない月雪花の三姉妹。和尚、村長、医者の三長老。獄門島での殺人事件が展開していきます。金田一探偵と磯川警部、島の駐在と六名の警官隊が活躍します。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.83
(5pt)

濃い!

本陣殺人事件や悪魔の手毬唄、八つ墓村などと並ぶ横溝の名作です。
文庫本で購入しましたが、然程厚さが無い割に中身がめちゃくちゃ濃いですね。
当時の時代背景なくして語れない部分はあるものの、充分感情移入できたので大満足です。
東宝映画やTVドラマのDVDが市販されていますので、原作と比較してみるのも一興です。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.82
(4pt)

きれいでした。

きれいでした。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032