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厭魅の如き憑くもの



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厭魅の如き憑くものの評価: 6.36/10点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.36pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

厭魅の如き憑くものの感想


 昭和のいつ頃か、代々と山神であるカカシ様を崇め奉ってきた神々櫛村。 村に残る因習を神秘の儀式と捉える者、唾棄すべき宗教と捉える者、そして怪異すらも解釈の一つとして現象として捉える幻想作家である主人公、様々な視点と思惑で展開される物語は果たして人間の犯した罪か或いは魑魅の下した罰か・・・。 ホラーとミステリーの融合、最期に残っているのはどちら・・・?

 刀城言耶シリーズの一作目。 時代設定、主人公の性格と金田一シリーズに近しいものが感じられます。ですが本作の最大の特徴はホラーとミステリーの混沌、推理の範囲を非現実的な解釈にまで広げてラストまで怪異の存在と恐怖を味わえます。 そしてホラーなのかミステリなのか、人か妖かの選択からあのクライマックスは予想外、また面白いシリーズを見つけてしまった。★は8つ。

りーり
9EDFH0HC
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

オカルトとロジック・黒と白が混ざり合うミステリ

昭和中期を舞台に、日本の土着・民俗学を題材としたホラーと本格ミステリが見事に融合し、独特の世界を作り出している『刀城言耶シリーズ』の第一弾です。
人ならざるものの仕業としか思えぬ怪異、しかしその真相はこの上なく本格ミステリのロジックで解決する二面性がまさに「黒」と「白」あるいはそれらが混ざり合ったそれぞれのカラーの魅力を感じるシリーズです。
また、このシリーズは作者が非常に綿密な取材で知識を身につけ作品を描いていると感じますが、それはあくまで物語にリアリティと説得力を持たせるためであり、よくある衒学趣味的な蛇足さや嫌味さがないところが個人的に好きですね。(あくまで個人の感想です)

序盤から次々に起こる怪異の怖さから、終盤の怒涛の謎解きまで楽しく読めましたが

・物語の視点が目まぐるしく入れ替わって時系列も前後するため混乱する。
・名前が同音異句の「サギリ」という女性が大量に登場してややこしい。
・部屋の間取りや村の地図が頭に入りにくい(図があっても)

など、全体を通してちょっと読みにくい、わかりにくい部分が多いのが難点ですね。
これは後のシリーズでは改善されていった点だと思います。


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

厭魅の如き語るもの

刀『僕は文章が読みづらくお薦めはしにくいのですが
  読みづらい所も恐怖感を煽っていて良い雰囲気が本からもにじみ
  でている密度の濃い良作と感じました。』

烏『何や言ちゃん物語に触れて無いやんけ!
  カカシ様はなぁ・・・?X~L?・・・ぷはっ!?何するんや?』

刀『先輩カカシ様のことを深く追求すると憑かれますよ・・・』

烏『ネタバレしちゃいかんことくらい分かってるわ!
  とにかく不気味な仕立て殺人、村の秘密、カカシ様の正体と謎が多くて
  頁を捲る手ぇが止まらんかったわ!』

刀『僕は人物の日記で始まる展開に惹かれたんです、まるで日記を記している本人になって
  行くような恐怖感。
  そして後は僕達みたいな魅力的な登場人物ですか・・・』

烏『せやなぁー!俺も大活躍やった!わいが主人公や!』

刀『あ!あなたは出てきません』

烏『な・・・なんやてぇーーーー!?』

カカシ様はすべてを見ている・・・
衝撃のラストをあなたもぜひ!

おすすめできる点
・程よい恐怖感(怖がりな人でも読めると思います)
・数多い謎が解けたときの快感、そしてホラー要素
・ドキドキ感(緊迫した場面の描写)
・キャラが立った主人公

おすすめしにくい点
・他の作家さんより説明や文章量が詰まっているので読みづらい。
・読んでいて理解がしにくいところがあるかもしれない。
・分厚いので携帯しにくい


晩 蛇陰
P8LY593E
No.1:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

厭魅の如き憑くものの感想

始めに記しておかなければいけないことは、好き嫌いの判れる内容であり作家であろうと云う事。有り体に言えば横溝正史プラス京極夏彦の世界なのだけれど、自分とすればこういった世界を舞台というか背景にした探偵小説は好きなので楽しみながら読み終えた。憑き物落としとして神々櫛村に根ざした谺呀治家の次女紗霧の周辺で起こる怪異と連続殺人。その犯人を指摘するのが小説家で地方の民話などを取材のため全国を放浪する刀城言耶と云う物語。神隠しに遭ったように消える子供や、得体の知れない何かに尾けられる少女。生霊を見たという村人達。禍々しい不可思議な出来事がそれ自体が起こりうると信じられている憑き物筋の村。憑き物とか憑き物落としといった伝承についての薀蓄なども村の医者や和尚などから語られ、プチ京極夏彦なところもオモシロイが、なんといっても色々な怪異を描写する作者の筆の巧みさと物語の世界観を捉えた文体の良さがありこの物語をミステリアスな世界に仕立て上げている。殺人のトリックとか動機とかそういった面はそう重視せず不可思議な物語を楽しむべきと思う。ホラーとミステリーの融合といった文句もあまり気にしないほうが楽しめる。すべて科学的に白黒付けられたら世の中つまらない。曖昧な謎の部分が世の中には有っても良いと思う。そういった意味からも面白い題材を選びミステリアスな物語を書いているこの作家の創作の姿勢は私自身は好みである。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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