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水の眠り灰の夢



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水の眠り灰の夢の評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

水の眠り灰の夢の感想

村野ミロシリーズ三作目。
と言っても、ミロは出てこない。雑誌記者だった親父さん(村野)のお話。
このシリーズは二作目の「天使に見捨てられた夜」を最近読み、読み易く面白かったので手にした。
読んで、あれっ!ミロは出てないんだと思ったが、ミロの出生の秘密が明かされ、それはそれで面白かった。
ミロシリーズのスピンオフ作品という位置づけでもいいと思う。

小説自体は、まあ、典型的なハードボイルド小説。
この手の小説が好きな方には、どんぴしゃりであろう。
昭和38年の草加次郎事件をベースに、村野が巻き込まれた少女殺人事件の真犯人を追い求める物語。
東京オリンピックが開催されたのが昭和39年のことだから、丁度その頃の話で、当時の懐かしい言葉や地名・フレーズがたびたび出て来て、当時の情景が思い起こされた。
ただ残念なことに、懐かしい言葉は多数出てくる割には、オリンピック開催前の当時のむんむんとした熱気、騒々しさはあまり感じられず、少々物足らなかった。
それが、真犯人を追いかけるストーリーに影響したのか、やや展開が淡々と進んだ印象であった。
ハードボイルド小説なのだから、もうちょい、緊張感・躍動感ある筋書きがあって良かったとも思う。
まあそれでも、卒なくまとめられており、アマゾン評価の4点としたい。

マッチマッチ
L6YVSIUN
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これぞ、昭和のトップ屋!

私立探偵ミロ・シリーズとして数えれば3作目だが、村野ミロの父・村野善三が主役のトップ屋ハードボイルドとして、独立した作品とも言える。
東京オリンピックを一年後に控えて沸騰する東京の街の奥底では、享楽の極地を求める欲望と敗戦を引きずる暗い情念がぶつかり合い、さまざまな事件を引き起こしていた。連続爆破事件で世間を騒がせていた草加次郎による地下鉄での爆破に遭遇した週刊誌記者村野善三は、持ち前のトップ屋魂で取材を進める内に、ひょんなことから女子高校生殺人事件の重要参考人にされてしまう。自らに降り掛かった火の粉を払うため村野は、警察の向こうを張り、トップ屋の意地を掛けた独自調査を進め、やがて二つの事件の奇妙なつながりを見つけることになる。
桐野夏生は、1960年代前半を象徴する世俗文化(映画、音楽、ファッション、飲食、公共工事など)を上手に生かしながら、時代の大きな転換を描いて見せる。当時を必死に生き抜いていた人々が放つ熱気、臭気がむんむんする、まさにハードボイルドな表現が心地よい。
村野ミロ・シリーズの前史として、ミロ・ファンには、ぜひオススメだ。

iisan
927253Y1

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