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水の眠り灰の夢



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水の眠り灰の夢の評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これぞ、昭和のトップ屋!

私立探偵ミロ・シリーズとして数えれば3作目だが、村野ミロの父・村野善三が主役のトップ屋ハードボイルドとして、独立した作品とも言える。
東京オリンピックを一年後に控えて沸騰する東京の街の奥底では、享楽の極地を求める欲望と敗戦を引きずる暗い情念がぶつかり合い、さまざまな事件を引き起こしていた。連続爆破事件で世間を騒がせていた草加次郎による地下鉄での爆破に遭遇した週刊誌記者村野善三は、持ち前のトップ屋魂で取材を進める内に、ひょんなことから女子高校生殺人事件の重要参考人にされてしまう。自らに降り掛かった火の粉を払うため村野は、警察の向こうを張り、トップ屋の意地を掛けた独自調査を進め、やがて二つの事件の奇妙なつながりを見つけることになる。
桐野夏生は、1960年代前半を象徴する世俗文化(映画、音楽、ファッション、飲食、公共工事など)を上手に生かしながら、時代の大きな転換を描いて見せる。当時を必死に生き抜いていた人々が放つ熱気、臭気がむんむんする、まさにハードボイルドな表現が心地よい。
村野ミロ・シリーズの前史として、ミロ・ファンには、ぜひオススメだ。

iisan
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