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(短編集)

地雷グリコ



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【この小説が収録されている参考書籍】
地雷グリコ

地雷グリコの評価: 6.25/10点 レビュー 4件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

地雷グリコの感想

これは面白かった!読んでいて楽しい読書でした。

伝えやすいので他作で例を挙げると福本伸行『カイジ』や迫稔雄『嘘喰い』といったギャンブル&頭脳バトルの学園ものです。
著者自身も公言しており、これらの作品が好きで自身のオリジナルゲームを小説で描いたとの事。
私自身もこれらの漫画が好きなのですが、それぞれの作品に対してちゃんとリスペクトされているのが感じられました。この系統が好きで読み慣れた人にも満足できるクオリティのゲーム&頭脳バトルになっているのが見事です。さらには文章としての小説でちゃんと内容やルールが理解できてイメージできるのが素晴らしい。個人的にこの手のジャンルの小説としては頭一つ抜けているクオリティの作品に感じます。

じゃんけんグリコ、坊主めくり、だるまさんがころんだ。と言った馴染みのあるゲームを用いる事で読者はすんなりゲームに入り込める作り。そしてそんな馴染みのあるゲームが著者の味付けによって豊富な頭脳戦や騙し合いやトリックが渦巻く作品に仕上がっているのが凄い。わかりやすいゲームゆえ、「こんな仕掛けかな~」なんて想像しながら読むと思いますが、そんな考えの斜め上行く展開は嬉しい刺激でした。5編の連作短編集はどの作品も面白く、1作目、2作目、3作目……とどんどん面白さが上がるのもよい。ルールや仕掛けを読者に認識させる手順が巧すぎます。最初から最後まで気持ちが上がっていく読書でした。

学園ものとしても面白いです。交友関係や成長物語など、キャラクターも良いですし、次々と現れる強者のステップアップも面白い。
デビュー作から学園ミステリを描いている事もあり、この雰囲気はお手の物でとても心地よいです。先に挙げた漫画や学園ギャンブル系だと『賭ケグルイ』と言った作品がありますが、本作はそれらの殺伐とした雰囲気とは違い、どこか青春小説のような明るく穏やかな心地よさを感じます。この雰囲気を備えているのが著者の優しさであり特徴である気がします。
例えばギャンブル漫画ですと敗者の悲鳴や絶叫、絶望、暴力や怒りなど強烈な負の感情を描いて読者にインパクトを与えてたりします。ですが本書の場合はそういう負の状況は抑えてあります。敗者の雰囲気1つとっても嫌な気持ちにならない描き方であり、小説としての文章により、勝利へ向けての爽快感や仕掛けの面白さで読者を魅了させています。読後感もとてもよい作品でした。続巻希望です!

▼以下、ネタバレ感想

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