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    初公開日(参考)2023年11月
    分類

    長編小説

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    Q

    2023年11月08日 Q

    千葉県富津市の清掃会社に勤める町谷亜八(ハチ)は、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身だ。ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう生きている。唯一の愉しみは、祖父の遺したアウディでアクアラインを走ることだった。ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。二人の弟、キュウを脅す人物が現れたというのだ。 キュウにはダンスの天賦の才があった。彼の未来を守るため、ハチとロクは、かつてある罪を犯していた。折しも、華々しいデビューを飾り、キュウは一気に注目を集め始めたところである。事件が明るみに出ればスキャンダルは避けられない。弟のため、ハチは平穏な日々から一歩を踏み出す。 一方、キュウをプロデュースする百瀬は、その才能に惚れ込み、コロナ禍に閉塞する人々を変えるカリスマとして彼を売り出しはじめた。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    Qの総合評価:7.67/10点レビュー 9件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    簡単には歯が立たない、堅焼き煎餅並みの663ページ。

    3作連続直木賞候補という、今脂が乗っている作家の書き下ろし長編。手持ちで読むのが辛いほど分厚く、中身もかなりハードなノワール系エンタメ作品である。
    どうしようもなく閉塞したコロナ禍の日本社会を打ち破るべく、天才ダンサーをカリスマとして売り出そうとする人々と、複雑な事情を抱えた天才ダンサーの家族が織りなす人間ドラマがメインの物語であり、ミステリー、ノワールの要素は不可欠ではあるがあくまで舞台装置でしかない。母親違いの三姉弟「ロク」、「ハチ」、「キュウ」の関係が分かるまでちょっと読みづらいし、三人の関係性が分かってからも父親を始めとする家族や、「キュウ」を売り出すプロデューサーや関係者がみな常識外で怪しく、何度も立ち止まらないとストーリーが理解できなかった。
    663ページという大部作だし、難解ではないが癖のある話の展開なので、読み終えた時に満足するか徒労を覚えるか、読者を選ぶ作品と言える。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.8:
    (3pt)

    途中まではかなり面白いのだが、、

    途中まではかなり面白い。具体的には中盤、有名海外プロデューサーの前でオーディションを受けるあたりが最高潮だった。だが、その後はかなりどうでも良くなっていってしまう。おそらく、「Qが反逆のシンボルとして世界中の被抑圧者の救世主になる」というヴィジョンがあまりにも荒唐無稽というか、流石にそうはならんやろと冷めてしまう。Qの人物造形からして、彼の信者になるのはごく一部の熱狂的な人間だけだろう。美だけで民衆を熱狂させるのは無理だ。民衆はもっとわかりやすい物語をこそ欲している。それは残念ながら「敵は◯◯だ!」や「こんな世界になったのは◯◯が原因だ」と攻撃の矛先を分かりやすく提示してくれる指導者である。もしかするとそれへの反発として美による統合を目指したのかもしれないが、それにはQの人物造形や挙動に説得力がなかった。だが繰り返すが、途中まではかなり面白いので読む価値はある。
    QAmazon書評・レビュー:Qより
    4093866996
    No.7:
    (2pt)

    最後にかけてが弱い。長編を読み切ったあとのガッカリ感!

    700ページ弱あるこの本は、第二章あたりまでは気になってどんどん読み進むのですが、ラストに近づくにつれてあーー…こんな感じか。とガッカリしちゃいます。
    せっかくキレイに広げてったのに、もっと上手いことラスト考えられなかったのかなぁ…とモヤモヤします。畳み掛けが雑で納得いかない部分と謎の消化不良で、読後のスッキリ!読んでよかった!!が皆無でした(笑)
    付属に本に挟まってた短編(初回限定なのかな?)を先に読んじゃうとややネタバレ感あります(笑)
    人気俳優とかで、映像化されそうだけど…ラストのライブパフォーマンスパレードみたいなとこは滑稽で「美」を感じませんでした。ほんとラストにかこてをどうにか書き直してほしいくらい最後が微妙な作品でした(笑)
    QAmazon書評・レビュー:Qより
    4093866996
    No.6:
    (5pt)

    美の頂点を求めて、虚構の生は。

    不協和音が、ぐゎんぐゎんと鳴り響く672P、アブノーマルな世界へ。
    美しい少年は、音楽とダンスを。
    その躍動はコロナウイルスのごとく拡散し侵食する。
    ”美は大いなる犠牲とともに成り立っている”という。
    輝く夢を求めて、Qを守る。
    それは、愛で。
    QAmazon書評・レビュー:Qより
    4093866996
    No.5:
    (5pt)

    困難な嘘

    暴力、ダンス、アウディ、海ほたるなどの今を背景に
    変わらぬ人の情念、太い絵筆で描かれるような情念を
    描いた小説のように思って読み進めたが、
    いや、著者が描きたっかったのは、「もっとも困難な、嘘」だったのかもしれない。
    QAmazon書評・レビュー:Qより
    4093866996
    No.4:
    (2pt)

    前作と違い...ました

    Kindle読み。
    前作“爆弾”のタゴサクさんの取り調べでの台詞が面白かったので読んでみた。

    単行本の帯には“お前は輝け 太陽が嫉妬するくらい”とコピーがあるようで...本を読み進むうち、登場人物達の根拠なき “オレ達はスゲェー(凄い)だろう!”は、そのコピーそのもので、小生はこの手のシチュエーションがちょいと苦手....。
    本文中に、Qを売り出すプロジェクトチームの事をハチは『これは宗教か』言っていたが、まさにカルト宗教のような乖離した状況と、神秘的なダンスの形容 (王に許された歩法、毒蛇の誘惑、溶け出す香り、理不尽な崩壊...etc) が、小生には理解不能で読書に手間取った。更に最後の不法なイベントとハチのスパイダーマンのような描写も、映像なら凄さがわかるのだろうが...想像力不足でお手上げ。
    文句ばかり並べたが、時間が掛った読書じゃった。
    QAmazon書評・レビュー:Qより
    4093866996



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