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最期の声



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最期の声の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

大胆過ぎる、シリーズの転回点

ピーター・ダイヤモンド警視シリーズの第7作。よりにもよって、ピーターの愛妻ステフが殺害されるという衝撃的な事件の犯人探しミステリーである。
自分が逮捕したマフィアが有罪判決を受ける場面に立ち会い、満足感に包まれたダイヤモンド警視だったが、裁判所を出たところでマフィアの愛人女性に顔を引っ掻かれ憮然として帰宅した。家でステフから傷の手当を受け、翌朝、気分よく出勤したのだが、上司から忙しくないのなら組織犯罪の捜査に協力するように指示される。これを侮辱と受け取り怒りが治まらなかったダイヤモンドだったが、管轄地域で殺人事件が発生したという報告を受け、喜び勇んで現場に駆けつけた。ところが、頭に銃弾2発を受け倒れていたのは、朝、出がけの挨拶をしたばかりのステフだった。あまりの衝撃に感情を失い、ただひたすらに犯人追及を求めるダイヤモンドだったが、被害者の夫が捜査陣に加われるはずもなく、さらには「第一容疑者」扱いされることになった・・・。
自分の無実を証明するために、ステフの復讐を果たすために、単独で捜査に乗り出すダイヤモンド警視の奮闘という大きな柱に、詐欺師とアラブ人が組んだダイヤモンド搾取事件がサブとして絡んでくる。冒頭での伏線からの見事な回収まで、犯人探し作品としての完成度が極めて高い。さらに、もともとダイヤモンドの個性で続いてきているシリーズだが、本作は特に警察組織の捜査力というよりダイヤモンド個人の推理や調査が力を発揮しており、オーソドックスなフーダニット的な味わいもある。
主人公の妻というだけでなく、シリーズのテイストを作る上でも重要な役割りを果たしてきたステフを消してしまうという、極めて大胆な作品であり、今後のシリーズ展開がどうなるのか興味深い。シリーズ読者には必読である。もちろん、本作単独でも楽しめる作品で、本格ミステリーファンから警察小説ファンまで、多くの方にオススメしたい。

iisan
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