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裏切り



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【この小説が収録されている参考書籍】
裏切り 上 (創元推理文庫)
裏切り 下 (創元推理文庫)

裏切りの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

負のブラックホールみたいな人物ばかり・・・

ドイツの国民的人気ミステリー作家の2015年の作品。著者得意のイギリスを舞台にした、犯人探しの警察ミステリーである。
ロンドン警視庁の刑事ケイトが休暇をとって故郷に帰ったのは、分身のように敬愛する父親が惨殺された事件の真相を知るためだった。名警部だった父が殺されたのは、刑務所送りにした犯罪者の報復ではないかというのが、地元警察の読み筋だった。だが犯人探しは遅々として進まず、苛立ちを募らせたケイトは管轄外であることを承知の上で、自分でも捜査を進めようとし、地元警察と軋轢を生んでしまう。そんな中ケイトが、父親について話したいという女性から電話をもらい、自宅を訪ねたところ、その女性は無惨に殺害されていた。そのため、地元警察とケイトの関係はさらに悪化する。同じ頃、電話も通じない人里離れた農家で休暇を過ごしていたシナリオ作家の家族の元に、養子である5歳の息子の産みの母親が恋人という男と現われたのだが、その男は警察が必死に探している元犯罪者だった…。
父親と女性の連続殺人の犯人探しがメイン・ストーリーで、シナリオ作家家族と犯罪者たちの監禁事件が重要なサブ・ストーリーとして絡んでくる。さらに、二つの事件の意外な関係性が明らかになると、物語は一気に緊迫し、スリリングになる。ということで、謎解きミステリーとしては一級品と言える。だが、いかんせんケイトをはじめとする主要人物が負のオーラを纏ったキャラばかりで、物語全体がどんよりした空気のまま進み、真相が明らかになる最後に至ってもスッキリすることがないのが残念。まあ、それが好きという読者が多いのでベストセラーになっているのだろうが。
前作のレビューでも書いたが、湊かなえ作品がお好きな人にはオススメする。

iisan
927253Y1

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