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悪魔の星



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪魔の星 上 (集英社文庫)
悪魔の星 下 (集英社文庫)

悪魔の星の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

破滅型刑事のグダグダが重たいが

ノルウェーというより北欧を代表する警察小説シリーズ「刑事ハリー・ホーレ」の第5作。「コマドリの賭け」、「ネメシス」に続く三部作の完結編である。
オスロ市内で発生した猟奇的な女性殺人事件は、連続殺人の発端だった。3年前、ペアを組んでいた女性刑事エッレンが殺された事件に取り付かれながら、その事件を解決できないまま酒に溺れ、免職されようとしていたハリーだったが、人手が足りないことから連続殺人の捜査に駆り出された。二件目、三件目と事件が続き、ハリーたち捜査陣はようやく事件の背景、犯人の狙いを読み解き、次の犯行を防止し、犯人を逮捕するのだが・・・。
ミステリーとしては、連続殺人事件の解明が主軸なのだが、作品の中心は、ハリーがエッレン殺害事件の黒幕と目しているヴォーレル警部との対立に置かれている。さらに、ハリーのアルコール依存とそれからの立ち直りというのも大きなテーマとなっている。そのため、事件捜査より人物描写に力が入った印象で、特に前半のハリーのダメさ加減は読んでいてイヤになるほど重い。ここがもう少しテンポよく進んでいたら、もっと緊張感がある作品に仕上がっただろう。
もう一点、ハリーとヴォーレルがお互いを呼ぶときや容疑者を尋問するときに「おまえさん」という訳語が使われているのが違和感があり、読むリズムを狂わされたのが残念。
三部作の最後なので、前二作を読んでおかないと十分に楽しむことができないのに「コマドリの賭け」は絶版だったのだが、2018年2月、再版された。これから読もうとする方には、ぜひ第一作から読み進めることをオススメする。

iisan
927253Y1

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