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女王国の城



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女王国の城の評価: 7.20/10点 レビュー 15件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.20pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

15年ぶりの学生アリスシリーズ!

日本ミステリ史に残る名作である前作『双頭の悪魔』から実に15年ぶりとなる『学生アリスシリーズ』の第四弾。
前作発表時に小学一年生だった子供が今作のアリスやマリアと同じ大学三年生になっていると考えると感慨深いですね。
子供が大人になるほど現実世界ではブランクが空く形になりましたが、作中世界では前作から半年しか経っておらず、昭和から平成に移り変わり、バブルが終わろうとしている時期が舞台の作品です。

今作もこれまでのシリーズ作品同様、コテコテのクローズドサークル作品になりますが、新興宗教団体が建設した「城」という舞台が独創的です。
「城」に閉じ込められ、そこを脱出したとしても、宗教団体の息がかかった「城下町」がさらに待ち受けているという二重のクローズドサークル状態になっているのも面白いですね。
しかし最初の殺人が起きるまでが長いのをはじめとして、前半部分は冗長すぎる感が否めず、ちょっと退屈でした。後半、推理研メンバーたちが強引に「城」からの脱出を試み大立ち回りを演じるあたりからは一気に話が動いて面白くなりましたね。
(私はこの作品は読むのに五日もかかってしまいましたが、うち四日を前半部分に費やして、後半は一気読みでした)
これまでのシリーズでは脇役に甘んじていた、モチとノブナガの先輩二人の見せ場があったのが良かったです。

また今作は前作の『双頭の悪魔』と共通するシチュエーションが多数用意されており、読者に15年ぶりのデ・ジャビュを感じさせるのが狙いか?などと思いました。

しかし個人的に『双頭の悪魔』以上に比較したくなる作品は、奇しくもこの作品の前年に発表された同作者の、やはりクローズドサークル作品となる『乱鴉の島』です。
こちらは『作家アリスシリーズ』の作品となり、発表はこの作品の前ですが、作中の年代設定は21世紀となり、携帯電話もインターネットも存在する時代において、クローズドサークルというジャンルにおいては、本来邪魔な異物的存在になるそれをいかに話に組み込むかということを試みたような作品でした。それに対して今作は1990年前後が舞台のため、作中でマリアが「一人一人が携帯できる電話があればいいのに……」と言ったり、アリスが「インターネットって何だ?」と言ったり、一種のメタ的なネタを仕込んでいるのは、前年度に発表した作品を踏まえたうえで作者の「やっぱりクローズドサークル作品にはこれらのものは無いほうがいい」という本音を見た気がしました(笑)

総合的に見て前作には及ばないかなという感想ですが、推理研のメンバーたちの変らないキャラと活躍が見れて楽しかったのでオマケして9点で。
次作が学生アリスシリーズの完結編となる予定のようですが、江神さんの家庭の問題や、アリスとマリアの恋人未満の関係の行く末などいろいろ気になり、待ち遠しいです。


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

女王国の城の感想

前3作品も読んでいるはずですが、昔過ぎて記憶は全く無し。なので、シリーズを通しての感想では無く本作のみの印象ですが、上巻があまりにものんびりし過ぎに感じました。下巻に入ってからの展開は素晴らしく面白くて、各方面で高評価なのも納得の作品です。
細々とした伏線の回収も鮮やかで、作者の本格推理に対する誠実かつ真摯な姿勢には感銘を受けました。真面目な人なんでしょうな。
前半部分がスロー過ぎる上に、うんちくが多くて少々長すぎる。そこは減点ですが、おススメの傑作に間違い無いですよ。

なおひろ
R1UV05YV
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

女王国の城の感想

目玉であろうトリックには驚かされました。
上下巻と2冊に分かれていますが、もう少しだけ縮められなかったのかなと…。
それでも10点です。

次の学生アリスシリーズの長編がでるのはいつになるのか。
続編を楽しみにしています。

▼以下、ネタバレ感想

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Morphe
CTP9H472
No.2:
(9pt)

女王国の城の感想

なかなかの長編だったが、スラスラ読めた。
相変わらず江神部長の推理が冴えているなと感心させられました(●´ω`●)

みい
XL0AKYF3
No.1:
(9pt)

本格ミステリ

久々のアリスシリーズ。文庫を待ち望んでいたのでようやくゲット。
目まぐるしく展開する物語展開で止め時が見つからない面白さ。
読者にフェアで立ち向かいロジックで解決する作風はグッド。
数年ぶりに読んだ有栖川作品だが、本格へのこだわりは今も尚健在だと再認識した。

たんぷる
W6DY75QO

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