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悪意の糸



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪意の糸 (創元推理文庫)

悪意の糸の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

古さを感じさせない、ロマンチックミステリー

アメリカ心理ミステリの随一の鬼才(扉の紹介文)マーガレット・ミラーの1950年の作品。少しも古さを感じさせない、ロマンチックサスペンスである。
独身女性医師・シャーロットの診療所に予約無しで訪ねてきた若い女性・ヴァイオレットは、望まぬ妊娠をしており堕胎をして欲しいと頼み込んできた。依頼を断ったシャーロットだったが、診療所から姿をくらませたヴァイオレットが気になり、その夜遅く彼女の下宿先を訪ねてみた。そこでヴァイオレットが二人連れの男に連れ出されたと聞かされ、さらにシャーロットは戻った自宅で強盗に襲われる。次の日、ヴァイオレットの水死体が発見され、刑事が診療所に訪ねてきた。ヴァイオレットの死とシャーロットの間には、いつの間にか悪意の糸が張り巡らされていた・・・。
当時には珍しく自立した女性であり、仕事にプライドをもつ医師であるシャーロットは、患者の夫である弁護士・ルイスと不倫関係も前向きにとらえ、健康的に生きていた。一方、ヴァイオレットは、どうしようもない暴力的な夫や小悪党の叔父たちとの田舎の貧乏暮らしからの脱出を夢見ながらあがいていた。対照的な二人女性の生き方を対比させながらストーリーは犯人探しへ、さらなる事件へと、サスペンスを高めながら進み、悲劇的なクライマックスを迎えることになる。
時代を先取った女性の心理ミステリーとして、今でも十分に読み応えがある作品だ。

iisan
927253Y1

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