■スポンサードリンク


もう年はとれない



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
もう年はとれない (創元推理文庫)

もう年はとれないの評価: 7.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

もう年はとれないの感想

敬老の日を切っ掛けに老人が主人公の話を読書。
表紙の第一印象から、重く華がなさそうな硬派な話かと思いましたが、読んでみたらユーモアあふれるテンポの良い話でした。

まず話のストーリーがわかりやすいのが良かったです。
87歳の爺さんが戦友の見舞いに行った所、臨終の言葉として宿敵の相手が生きている事。そして財宝を持っている事が伝えられます。目的がハッキリしていて宿敵と宝探しです。この目的の話の中に不可解な殺人事件が発生する流れ。

本書の面白い所は主人公のバック・シャッツの爺様。皮肉や老人ネタをふんだんに盛り込んだセリフ回しが痛快。老人設定うんぬんではなく、文章が面白いので小説として意味のある所が魅力でした。キャラクターや主人公の人生物語を十分に堪能できましたね。

ミステリ的な点。特に殺人事件については心残り。理詰めでこちらから解決を見出すというより、事件に巻き込まれて、うまく乗り越えて解決してしまう。犯人は誰なんだろう?という分らなさは良かったのですが、犯人は何でそんなに目立つ事しているの?という行動が現実的にしっくりこなかったです。もうちょっと犯行の説明や犯人を割り出す面白さが欲しかった所です。
とはいえ、総じて面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

egut
T4OQ1KM0
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

時代に合った等身大ヒーロー

オモシロい。一言一句目を通してしっかりと読んだ。ここのところ手にした本があまり面白くなく飛ばし読みばかりだったがこれはキッチリと読んだ。
時代に合った等身大ヒーローがまず良い。そして彼の皮肉ぶりが笑える。クスクス笑いながら読むのは久しぶりで気分がとてもよくなった。
高齢ゆえ活発には動けず、当節のIT端末なども使えない。携帯電話が使える程度だ。そんな元刑事が孫の手を借りて昔散々な目にあわされた元ナチスの男を追うと
身の回りで殺人が起き彼も事件に巻き込まれていく。そんな流れのストーリーだけれど、物語のとっかかりに対しての無理のなさを見せるためか主人公の元刑事は
ユダヤ人という設定になっている。そして息子がいたが何か不幸な出来事があったようで息子は亡くなっている。その子供、彼にとっては孫だがその孫と一緒に60年も
前にドイツから偽の身分証を持って逃げだした男の行方を探そうとする。男は金塊を持ち出していたと古い友人の話しだった。プロローグとしてはこんな感じで少し非現実感は
あるけれどそれはこっちが日本人だからかも知れない。主人公のキャラクターと妻のキャラクターがいいなあと思う。特に妻のキャラクターが良い。彼に対するセリフが秀逸だ。
調査の過程で孫が暴走して主人公も窮地に立たされることになる。暴走の一因は主人公にとって息子、孫の父親が亡くなる出来事に関して何かあったようだが詳しくは
書かれていない。元刑事といってもスラスラ情報が手に入ったりして楽に調査が進むようにはなっていないところが良い。良くあるパターンで警察関係者が捜査上の秘密を
やすやすと話す場面の多い物語があるがまったく勘弁してくれよと言いたい。その点これはそんなことはなくピースを繋ぎ合わせて調べていく様子がまっとうに見える。
最初から最後まで楽しめたので二冊目があるようだからそっちも読んでみよう。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

痛快なじいさん

87歳。こんなおじいちゃんになってこんな孫いたら楽しい余生が送れるんだろうな。面白かったです。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

87歳、初期認知症におびえるヒーロー誕生!

最近では「ヴァイオリン職人の探求と推理」が思い浮かぶように、老人の主人公が活躍するミステリーはたまに目にするのだが、本作の主人公はなんと87歳! ほとんどの紹介記事で「ミステリー史上最高齢のヒーロー」とされている、高齢化社会を先取りした作品である。
老妻とふたりで引退生活を送っている元凄腕刑事バック・シャッツは、臨終の床にあった戦友から「あんたを痛めつけたナチ強制収容所の将校が金塊をもって逃げている」と知らされる。最初は気乗りがしなかったのだが、取り合えずその男の行方を探ろうとしたところ、周辺で不可解な殺人や不穏な事態が続発した。捜査権限はもちろんのこと、捜査活動を続ける体力もなく、あるのは「意地と皮肉」だけという老人がITに強い孫と357マグナムの助けを借りて獅子奮迅の働きを見せる。
本作の魅力は、なんと言っても87歳の主人公。ところかまわずラッキーストライクを吹かし、相手構わず強烈な皮肉を連発する一方、庭の芝生の手入れも出来なくなった体力不足と、医者に指摘された認知症の初期症状に悩んでいるところが人間的で微笑ましい。主人公のキャラの強烈さに隠れてしまいそうだが、犯人探しのストーリーもしっかりしていて、良質なミステリーとしてもオススメ。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!