探偵・浅生、32歳、元商社マン。時として、身体を張って調査をすることもある。

弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

タクシードライバーの浜田英二のところに、ある日一人の女性がやって来る。ミラーごしに見た懐かしい面影。

躰の中で、なにかが止まった…。四年前のある日、平凡な会社員・立原に生じたある感覚。

私立探偵・野崎は、ある日、吉野真理子という女から、失踪した老父の捜索を依頼される。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

正義派ではない、金のためでもない。ヤミ金融の連中を脅し、言いがかり同然の裁判を起こす。

別れた女に、今の俺が何をできる―。かつての妻・杏子がロス―東京間を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻き込まれた。

依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中三だった。

天才ともてはやされた気鋭の面打ち師・京野英之は、同じく異端の面打ち師として名をはせる高井峰山の面に出会い、打ちのめされた。

「もう檻の中の運動会はやめだ」―全共闘高揚期、茶番劇に飽きた4人の男たちが本物の銃と弾丸を用意して起ち上がった。

グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。

「あたしの誇りは竜よ。あたしの狼、冬に向かって走る狼」女は唇を重ねる。

インテリジェント・ビルのインテリアの仕事を成功させ、独立した美有。

俺は20歳のバーテンダー。夢はクルーザーを駆って海原を疾ること。

俺をハメたのは誰だ？横浜の夜、容疑者を射殺し、刑事の職を追われた梶。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。

福岡・遠賀川で船頭のまねごとをしながら日々を過ごす小添家三男・正太。佐賀県内に三つの賭場を持つ藤家の女将・瑠〓(い)。

鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。

“探偵にゃ、目的がひとつある…真実ってやつさ”私立探偵・野崎は、山中で怪我をした少年・安彦と出会い、介抱した。

定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。

固い決意を胸に秘め、男は帰ってきた。港町N市―妻を失った男には、闘うことしか残されていなかった。

30歳を前に商社を辞めて転職した。やくざまがいの探偵稼業。

死体が四つ、転がっている。五つ目の死体を、私は待っていた―。

二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。

伊豆の岬に忘れられたようにたたずむ秋ホテル。

刑事となった良文は、抜群の検挙率をあげた。

高校教師の西尾は、突然退学した生徒を探しにその街にやって来た。「臆病なんですよ、俺は。

エリート商社マンの人生を捨て、世捨人として山小屋で暮らすことを選んだ男、森田。だが一本の電話が、彼を引き戻した。

毎日、工場で油にまみれ車の修理に追われる大村啓司。50ccのバイクを飛ばし、楽しみはたまにやる賭けビリヤード。

小市民でしかなかった男の、屈辱と再生。じっと身を縮めていれば、いつか終わると思いながら、なにかが主人公を立ちあがらせる。

夏の海が吼えていた。灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。

東京は下町、向島の料亭に生まれた川田周一。十四歳。

港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。

彼女は赤い花が好きだった。守は美知の柩の上に赤いバラを手向けた。

羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた女。黒いドレスに流れるような髪。

荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。

看板間際、雨に濡れて男はやってきた。マスターを訪ねてきたのだ。

建築現場で働く法学部の学生新井安彦は、いかさまポーカーで愛車のバイクを奪われた親友敬二のために、嵌めた久野に会う。

強請りに行ったバーテンの水田に逆に叩きのめされてしまったビデオカメラマン村上洋一に、水田の客だという男が仕事の話を持ち込んできた。

時は、幕末。時勢は否応なく男たちを呑み込んで行く。

丸の内のオフィス街で爆破事件が発生。現場の物流企業で事情聴取を行った一之瀬は、企業脅迫事件と直感する。

冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。

妻を亡くした元弁護士の木野健。虚無感に苛まれ、本土から離れたこの島へ流れつき、漁師として生きていた。

花屋の主人・浪江。かつてはランキング・ボクサーだった。

「極道は身代金とるには最高の獲物やで」。大胆不敵な発想でヤクザの幹部を誘拐した三人組。

画家仲木は傷害致死罪で三年間服役し、山中で創作の日々を送っていた。ある日女子大生暁子が訪れる。

泣いたよ。負けることがくやしかったから、俺は泣いた。

渋谷を根城にファイトパーティーを主宰し、トップにのし上がったストリートギャング雅。

吹き荒れる雪。うなる銃弾。

S市郊外のトンネルを抜けると蜃気楼のような街が眼の前に広がる。私はかつての師・市来を捜すためにこの街へやってきた。

男は、3年前に別れた妻を救うために、その街へやって来た。「なにからはじめればいいのか、やっとわかったよ。

「生きてるのがつまらないという顔をしてるな」無為な日常のある日、俺に声をかけてきた爺さんは、クラブのジャズピアニストをやる裏で、薬を売っていた。

喧嘩ばかりの毎日を送る28歳の設計技師・村田真司。