現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

引きこもっていた息子が、突然元気になった。息子を苛めていた子が、転校するというのだが…「カラス、なぜ鳴く」。

別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。

作家、評論家をはじめミステリーマニアの集まる下宿屋・時鐘館。編集者の催促を前に「原稿は一枚も書けていない。

完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。

荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。

見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声…ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。

「こーとろ、ことろどの子をことろ」。子とり鬼のわらべ歌と鬼女伝説が伝わる街・夜坂。

物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。

名門女子校の式典の最中、演劇部による『そして誰もいなくなった』の舞台上で、服毒死する役の生徒が実際に死亡。

「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。

ペンション「春風」のオーナー・晶子のもとに、21年前のクリスマスイヴに起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が。

美しい薔薇園に包まれた邸に相沢花梨は嫁いだ。二番目の妻良江が謎の墜死をとげた直後。

私は彼女の事を何も知らなかったのか…?大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出逢う。

尽くし続ける女が鬼になる瞬間。誰にもかえりみられぬ女がほくそ笑む理由。

優太は、父が残した手紙に書かれた“福田ヨシ”を訪ねる。

作家・砂村悦子が殺された密室状態の部屋には、鏡の前で途絶える足跡の血痕が。

日比野功一の妹・ゆかりは帰宅途中に何者かに誘拐された。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

会社経営者奥沢峻介と妻千里、奥沢の盟友上山の3人が死体で発見された。千里は左手薬指が切断されていた。

短編も、東野圭吾。規格外のベストセラー作家、死角なし。

差出人不祥の、東北の山荘への招待状が、六名の男女に届けられた。

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の“共犯者”になる。望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。

視聴率が低迷し始めたTBNの報道番組『ニュースイレブン』。

畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。

英文学翻訳家でフェミニスト、沢

史郎のこれまでの人生は、決して恵まれているとはいえなかった。しかし、そんな自分にもやっとツキが回ってきた。

恋のおまじないに囚われた女子高生の物語『恋煩い』、絶海の孤島にある子供たちの楽園の物語『妖精の学校』、孤独な詐欺師と女性をつなぐケータイの物語『嘘つき紳士』、怪物に石にされた幼なじみを愛し続ける少年の物語『終の童話』、七夕の夜空から星座を一つ消した男の子女

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。

アモリー家に伝わる由緒ある屋敷、ローン・アベイ館。

健康至上主義の妻と美食家の夫の晩餐は、殺意が隠し味の特別料理。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

捜査一課への異動から一年。一之瀬は、新たに強行班へ加わった後輩の春山と共に福島へ出張していた。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

映画は、ときに優しくロマンティックに、ときに生々しく、ときに手厳しく、恋の至福とテクニックを教えてくれる教科書。

若き青年局長が日本を変える!新しい政治小説。 若き青年局長の甲斐孝輔は、日本の最大の問題は少子化だと考えていた。

少年少女の行方不明事件を特集したテレビ番組を見ていた編集者の喜屋武蛍子は思わず叫んだ。

現在、過去、未来。別々の時を刻む三つの大時計を戴くクロック城。

市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した。

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

闇から聞こえる声が人妻を追いつめる！美貌の青年に溺れる人妻・比奈子を待ちうける黒い陥穽。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

『僕には、きみの僕への想いが手に取るようにわかる。