爆殺――その朝、英雄の夢が潰えた。 『中原の虹』完結から3年。

片岡の一人息子・譲は、信州の集団疎開先で父親の召集を知る。

大いなる母・西太后を喪い、清王朝の混迷は極まる。

失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。

列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。

読者の意表をつく設定、家族も帰る場所も持たない還暦世代の「おひとりさま」を魅了する新しい故郷の形、母の抱く無限の愛情とその人生、細りゆく山村と最先端ビジネスの組合せ……。

泰平の世に積もりに積もった大借金に嫌気のさした先代は縁の薄い末息子に腹を切らせて御家幕引きを謀る。

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。

時は、明治元年暮。

浦島太郎は竜宮城でどんな饗応を受けたのか(サシミであるはずがない)思いを馳せる表題作ほか、大人気エッセイ第4弾。

古都には、謎が似合う。 7人の名手による、京都が舞台となった色とりどりの短編ミステリー。

大手デパート勤務の椿山和昭は、ふと気付けばあの世の入り口にいた―。

帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。

奥多摩の、太古から神を祀ってきた霊山・御嶽山の上にある村。そこにある神官屋敷は浅田氏の実家である。

沖縄の互助組織、模合。

「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

社長・佃航平の閃きにより、トランスミッションの開発に乗り出した佃製作所。果たしてその挑戦はうまくいくのか――。

京大生になったばかりの“僕”は、町に馴染めず友人もできずにいた。

夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、遙かな昔を物語り始めた―。

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵―。

日本人の「義」とは何か。 小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。

法務官僚が殺害された。

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。

万延元年（一八六〇年）。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

あと二日で、四人死ぬ―― ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾! その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。

哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。

婿養子が公金を持ち出し失踪。

昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。

アメリカ政府の機密漏洩をにおわす不可解な事件が続発する。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者を指す―大和新聞の松岡は、入社一五年目にして政治部へ異動、またたく間にトップリーグ入りを果たした。

旅と食と笑いの人気エッセイシリーズ最新刊 大物作家が遭遇した海外、国内での抱腹絶倒の出来事から身辺に起こるドラマチックな出来事を絶妙の筆致で描く。

人生のダメな時期、万歳。人生のスランプ、万々歳。

明治維新期。「武士」という職業がなくなり行き場を失った岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決める。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。

「沙高樓へようこそ」女装オーナーの言葉で、今宵もめくるめく百物語が始まる。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

東大西洋のアゾレス諸島へ向けて航海中、NUMA(国立海中海洋機関)のカート・オースチンは黒煙を上げる貨物船を発見。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

1937年、22歳の柴田彰は円谷英二の下で日独合作映画『新しき土』の特殊撮影を担当し見事に完成させた。

どの物件にでも起こりうる事件。感動の“賃貸ミステリ”。

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。

青年ながらもどんな手口も見破ると話題の“万引きGメン”椎橋彬。だが、彬にはもう一つの悪魔的な顔があった。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。