「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。

クリスマスイブの夜、オープンを翌日に控えた地上62階の高層ホテルの壁面に、巨大な光の十字架が浮かび上がった。

北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

一九八二年九月、著者は戦後三十七年にして初めて“悪魔の部隊”の痕跡を辿った…。

山村で起こった大量殺人事件の三日後、集落唯一の生存者の少女が発見された。

美貌と一枚の名刺だけを頼りに上京した若い女性。ツテも実力も無く、甘い野望を背負って来た若者たち。

昭和二十年夏、敗色濃厚の戦時下の日本。

警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。

過去を捨て、警備員として暮らす桐生。迷い猫が縁で、飼い主の少女・翔子と出合う。

博多発東京行のひかり116号で、不動産ブローカーが刺殺された。

自衛隊第１空挺団ＯＢで、現在は代行業を営む降矢浩季のもとを学生時代の恋人・優子が訪ねてきた。

タクシードライバーの蛭間正は深夜、新宿で若い女を乗せた。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。

轢き逃げで一人息子を喪い、妻にも先立たれた作家の成田正隆は、妻の郷里・佐賀へ、傷心を癒す旅に出た。

アルプスの名峰グロスグロックナーで出逢った二人、国際刑事警察機構の若き警察官高木史朗とミステリアスな女性陽子は運命の恋に落ちた。

江戸川区内の交番に勤務する巡査長・山中浩平のモットーは、地元住民と仲良くすることだった。

北アルプス・槍ケ岳の観光開発を

山頂から愛の信号を送ると約束し、恋人を山麓に残してひとり山頂をめざした影山だが、送られてきたのは遭難信号だった。

「刑事は必ず正義の上で死ぬんだ」。ミステリー界の巨匠、珠玉の短編集。

T省課長補佐が、公共事業の受注先である大手商社のビルから墜落死した。

デカは畳の上で死ねなくても、正義の上で死ぬのだ…先輩の教えを体するように警視庁捜査一課の若手刑事が殉職した。

始まりは新宿発、松本方面行きの最終列車、急行「アルプス号」だった。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

太平洋戦争勃発直前の昭和十六年の夏、日本・中国・アメリカの五人の若者が槍ヶ岳の頂上に立った。

棟居は北アルプス後立山縦走を試みる途中、唐松岳山頂でトレッキングツアーのグループに写真撮影を頼まれた。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

ナンバーワンホストの有光は、人身売買シンジケートから逃げ出してきたタイ人女性・トウイを匿うが、彼女はある日部屋から忽然と姿を消し、廃屋で死体となって発見される。

霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。

発端はホテルのベランダからの飛び降り自殺!?その直下に居合わせ、そば杖を食った大物政治家の息子は、大学サークルを隠れ蓑に悪業を重ねる。

「あ、あなたは…」千秋は凍りついた。本州の最北、青森で新婚生活に浸る千秋を訪れた男は、秘した彼女の過去から来た。

資産家の木部信夫が突然失踪、直後に彼が所有する6億円もの不動産が売買されたことが判明した。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。

金色のネックチェーンをつけた女が、新宿中央公園で殺された。被害者は、かつて歌手として一世を風靡した蓼科由里―。

種々雑多な人間が去来集散し、人生の破片を落としていく駅・新宿。

浦島・羽衣伝説をめぐる取材旅行の先々で起る奇径な事件。民俗説話や古代史と今日的犯罪を結びつけた長篇推理。

県警捜査一課から所轄への異動が決まった澤村。

新任教師の佐倉弥生が不良グループのリーダー・後藤龍雄に犯された。少年と級友にとって、弥生は憧れの女神だった。

警察官桐生が気づいた時、惨劇はもはや終わっていた。下宿先の少女は凌辱され骸を晒していたのだ。

忠誠を尽くした自分をゴミのように捨てた上司の米原を、衝動的に殺した桑崎。

元自衛隊レーンジャーで今は代行業を営む降矢浩季は、結婚式当日に失踪した新郎の行方を捜していた。

東京近郊に広大な敷地と白亜の近代校舎をもつ私立女子大学・若葉学園。

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。

愛し合う男と女、欲望の行き着く果ては―不倫現場を妻の潤子に目撃され、もみ合ううちに、彼女を殺害してしまった島崎は、「完全犯罪」をもくろみ、死体を車のトランクに積み、丹沢山中へ運んだ。

ニュースを見ていた笹村慎介は息が止まるほどの衝撃を受けた。

戦後第七三一部隊の研究成果は米陸軍細菌戦研究所に受け継がれ、朝鮮戦争にまで影響を与えた。

白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。

明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す“天才的知能犯”鶴岡七郎。

牧原藤子がようやく手に入れた一戸建てのわが家。だが、思わぬ不幸が近所に潜んでいた。

住民の八十パーセントが歴史と伝統のある浦島重工業の関係者で占められる浦島市では正社員、工員といった身分差別がいまだに厳然とあった。

昌枝は自分でも説明がつかなった。相思相愛、理想の結婚を実現した7年後、突然、夫の慎治が嫌いになってしまった。

公園の片隅で発見されたホームレスの死体。

長野県高瀬湖畔の工事現場から、人間の白骨と犬の骨が発見された。

OLが旅先で拾った恋が地獄の入口とは。

復讐してやる―旗本良介は怒りの中から立ち上がった。

交通事故で息子を失った悲しみに暮れる妻が、故郷の同窓会へ出かけていった翌日、遺体で発見された。