人妻 少年 が、明け方に隣り光景を目にすることになる(「空家の少年」)。

妻が旅行で不在のあいだ、実家に戻った作家が、犬の散歩の際に訪れた河原で、のっぺらぼうの奇妙な人形を拾う(「人形」)。

同居の老人の奇行に悩まされ追い詰められた主婦が、一線を越えた末に信じがたい事実を知ることになる(「厭な老人」)。

組織人としての苦悩を抱えながらも、 ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。

組織人としての苦悩を抱えながらも、 ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。

加賀友禅についての資料を集めに金沢を訪れた男が、かつてこの地を一緒に旅し、翻弄された女性に思いを馳せる(「鳥瞰図」)。

日本推理作家協会で主催する「日本推理作家協会賞」を受賞した作家たちの傑作短編を集めた新シリーズ第二弾。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。

交錯する思惑。駆け巡る陰謀。

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。

突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎。 もはや解決不能と思える難事件を、明晰な頭脳で解き明かしていく。

「待たんかい。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

湧き上がる衝動。迫りくる焦燥。

出所して間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。

玩具会社部長の馬割朋浩は、降ってきた隕石に当たり命を落とす。

完璧な写実性で注目された画家の絵の中に見出される数々の不思議――手の指が六本ある少女、針の間違っている時計、開けられないドアなどは何を意味するのか？　さらに一夜にして忽然と消失した合掌造りの家、タクシーの後部座席に突然出現した死体……等々、ちょっとした不合

大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させ、ふたつとない作家性を確立した連城三紀彦。

戸根市で対立する暴力団・北浦組と大門組は、事あるごとにいがみ合っていた。そんなある日、北浦組の組長が殺害された。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

暗号法に取り組んでいた伯父の死をきっかけに、ヒロインの周囲で不可解な出来事が次々と起こる。マクロイ円熟期の暗号ミステリ。

「売られた喧嘩は買う。わしの流儀や」建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。

紋章上絵師の章次は、元恋人の賢子から「着物に蔭桔梗の紋を入れてほしい」と、20年前と同じ依頼をされる。

テーマは「館」、ただひとつ。 今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。

長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。

【第２９回　山本周五郎賞受賞作】 善意は、悪意より恐ろしい。

真山十吉の前に、別れた恋人嘉代子とそっくりの女性が現れた。妹だと名のる。

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。

旧友の結婚式のためシェトランドを訪れたテレビ関係者の女性は、「海辺で踊る白い服の少女を見た」と同行した友人に話した翌日、失踪しやがて死体で発見される。

尾行中の老女梅子が怪我をさせたミツエの持ち家のアパートに住むことになった晶。

第二次大戦初期、エドワーディック号は英国の某港へ軍需品を輸送すべくニューヨークの埠頭に碇泊していた。

渡辺探偵事務所の沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてくれという。

新内節を語れる友禅差しの模様師・脇田は、旅先で三味線弾きの芸妓・彩子と出会う。

幕末の江戸。

大森署管内で女性が姿を消した。その後、交際相手とみられる男が殺害される。

ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。

異形の男の暗い過去。

絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(びいどろの筆)。

探偵・推理小説の書籍や雑誌を収集保存し、一般読者や研究者が自由に利用できるユニークな図書館、ミステリー文学資料館。

映画スター・北岡早馬と再婚し幸せの絶頂の伊都子だが、家族は未だ死んだ先妻にとらわれていた。そして遂に殺人が…。

秋の夕方、小さな村をドライブしていたジェリーは、一人の若い娘に出会った。

軽井沢の豪奢な別荘「白樺荘」に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。

妖気漂うほの暗い情念。戦前を色濃く反映する傑作!自筆原稿によるオリジナル版『鬼火』を併録。

競馬場で男が殺された事件を皮切りに容疑者が次から次へと殺される殺人リレーが始まった――警視庁の海方&小湊の刑事コンビが挑む!

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。

豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。

新幹線の車内清掃のパートを始めた、シングルマザーの主人公。

太平洋を航海するヨットの上から落とされた女と、絶海の孤島に吊るされていた男。

三年前に新宿で起きた傷害致死事件の容疑で内偵を進めていた男がマンションの一室で死体となって発見された。

老舗の和菓子屋に入り婿してから20年余、女房に先立たれた男が昔、修業時代に愛した年上の女を偶然見つけた。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。

世田谷区祖師谷で起きた母子三人惨殺事件。被害者が地下アイドルだったこともあり、世間の大きな注目を集めていた。