脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

ひとりの平凡な男が突然消えた。

ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常―のはずだった。

死後に注目された萩生仙太郎の絵画が、30年ぶりにオークションへ出品されることになった。

大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させ、ふたつとない作家性を確立した連城三紀彦。

傲岸不遜な大スター「花ジン」こと花村陣四郎のパワハラに苦しむマネージャーの北上梁一は、ある夜、一組の男女と出会う。

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一ヶ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。

ミステリと私小説的メタフィクションを融合させた、著者晩年の問題作にして最大の実験長篇。没5年初の書籍化。

相ついで起った五つの難事件に立ち向う田沢軍平クンは、どんぐりまなこに分厚いめがね、早くも薄くなりかけた髪とたまりにたまったアパート代を気にしながらモッサリと登場!?しかしこの軍平クン、モデル・女医・人妻から薄幸のホステス・不良少女にまでなぜかモテモテで―人

記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。

戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。

ドイツが東西に分断された冷戦のさなか、画家・青木優二の前に現れたベルリンからの来訪者。

誰もが彼女を狙っている――。 大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。

もう一人の自分を目撃したという人妻。"消失狂"の画家。

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

果てしなくくりかえされる愛憎。反転する虚実。

その冷やかな微笑としなやかな身のこなしで世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。

終戦から間もない降誕祭前夜、まだ焼け跡の残る横浜・中華街の安宿で死体となって見付かった隻腕の男。

造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか…その二月末日に発生した誘拐事件で、香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、それより数十分前、八王子に向かう車の中で事件を察知した瞬間でもなければ、二時間後犯人からの最初の連絡を家の電話で受けとった時でもなく、幼稚園

十歳の誕生日を迎えたアリスは、父親から「極上の謎」をプレゼントされた。

2組の夫婦に秘められた背徳の過去。東京とスイスを結ぶ往復書簡が織りなすレターロマネスク。

人類は滅亡する――。

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。

凶悪な死刑囚に届いたファンレター。

Ｋ氏には人目をはばかる趣味がある。

妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追いつめ自殺へ導く男の心理(「夜のない窓」)。

全身に“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本。

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。

自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

殺害現場から消えた一枚のメイプルリーフ金貨が臨床犯罪学者・火村英生を真相に導く。

「わたしと寝ない?」少女が突然、声をかけてきた。噂に聞く援助交際だ。

15年前、わずか一年で結婚生活に失敗して以来、ずっと独り身を続けてきた47歳の女性弁護士撩子。

賢明すぎる読者諸君に告ぐ――これは伝説のミステリ奇書である。こんな本、ありか!? パロディありクイズあり迷路あり。

酒場のカウンターで、年下の男から突然見せられた妻にあてた「ラヴレター」―。

浜名湖畔の料亭「花ずみ」。ある日、名女将の後を継いだ旬平から、妻の通子に奇妙な電話が入る。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

「警視庁最悪の警部」が帰ってきた! 本格ミステリーの“お約束"をことごとく踏み荒らしてきた大癋見警部の、今度の獲物は芸術の世界──名画、名筆、名曲をめぐる事件に、今度はあの「芸術探偵」も参戦。

架世、鮎美、良子の3人は高校時代からの親友。18歳のとき共に同じ男に恋をし、揃って失恋した過去を持つ。

髪の艶と柔らかさが自慢の津加子。6歳年上の夫は4度目の浮気が進行中だ。

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。

自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。

「どこまでも殺されていく僕がいる。

男はなぜ、罪を重ねるのか? 涙腺崩壊必至! 心奪われる入魂のミステリ。 片桐達夫、五十九歳。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。

その物語は、人を殺す――。

「あなた、この着物要らない?」高校時代からの親友の言葉には続きがあった。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。