「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。

失われた過去の記憶が浮かびあがり男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

夏休みに入って間もない月曜日の朝、学校のグラウンドで生徒の死体が発見された。校舎の窓から転落したと思しき状況。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

「兄ちゃん――金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画に参加することにした僕。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

東京、三鷹市の井の頭公園の近くに“AHM”という四階建てのマンションがある。

テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。

“私はこの事件の犯人であり、探偵であり、被害者…”一人三役というアクロバティックな設定が、主人公の手記を通して変奏されながら明らかになっていく華麗なる本格推理。

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。

奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。

予測不能な神業トリックを暴くのは、犯罪資料館の美人館長・緋色冴子。驚愕の推理力で、助手の聡と難事件に挑む。

浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した。

見事な赤毛と死体の消失。これが連続殺害事件の共通項だった…。

繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。

『病気、至急連絡されたし。』――冬の夜、僕の許に届いた差出人不明の電報。

殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

「犯人は〇〇だよ」。鈴木の情報は絶対に正しい。

新米探偵・愛香は、親友の別荘で発生した殺人事件の現場で「貴族探偵」と遭遇。

夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。

元銀幕の大スター・片桐大三郎(現芸能プロ社長)の趣味は、犯罪捜査に首を突っ込むこと。

長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。おおむね平穏な生活を送っていたものの、暮れも押し詰まってから次々と事件が発生。

山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。

奇想ここに極まれり―― 本格ミステリの玉手箱! 戦争末期、帝國陸軍の研究所で、若い兵士が頭から血を流して倒れていた。

九月の朝、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見された。被害者は常連利用者の男子大学生。

推理作家・有栖川有栖は、盟友の犯罪学者・火村英生を、敬意を持ってこう呼ぶ。「臨床犯罪学者」と。

最後にもう一つ、呪いをかけるね。

天文学者ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。

生まれてから死ぬまで、運命のすべてが記されているという「アガスティアの葉」。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。

埼玉県と長野県の境近く、かつては個人の別荘であった寮「リラ荘」を、日本芸術大学の学生七名が訪れた。

完璧な写実性で注目された画家の絵の中に見出される数々の不思議――手の指が六本ある少女、針の間違っている時計、開けられないドアなどは何を意味するのか？　さらに一夜にして忽然と消失した合掌造りの家、タクシーの後部座席に突然出現した死体……等々、ちょっとした不合

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。

雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。

御手洗潔が日本を去って1年半。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

オルメスはホームズのフランス語読み。ルーフォックは「頭のおかしい」とか「いかれた」の意味。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

虚栄の都・ハリウッドに血で爛れた顔の「怪物」が出没する。

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。