一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。

リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。

幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。

親友の異変、瞬時に形を変える土偶、鳥からの謎のメッセージ。そして、大島の火口に身を投げた貞子の母・志津子の秘密。

一度罪を犯したら、人はやり直すことはできないのだろうかーー。罪とは何か、償いとは何かを問いかける究極の長編ミステリー。

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。

50年の時を隔てた戦時下と現代の日本で、時代と集団の空気に逆らい、それぞれ立ち上がった二人の男たちは、どう生き延びるのか?家庭、軍隊、職場にあって、死、幸福、不安のあいだで大いに揺れる人間を描く長編大作。

連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。

和歌山県串本町のダイビングショップでインストラクターとして働く女性ダイバー高畑水輝。

大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。

【第２９回　山本周五郎賞受賞作】 善意は、悪意より恐ろしい。

入水自殺を図った若い女性は、記憶を失っていた。恋人だった青年は遠洋マグロ漁船の上にいる。

ある時、夜中に高野は、半睡半覚で気がつくと腕が伸びていた。腕は壁を抜けて自宅の外まで達し、なにかを掴んだ「腕の魂」。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

自殺の名所を訪れる、様々な人間たち 「死」の気配を濃厚に漂わせる、富士の樹海。

浦和医大・法医学教室に「試用期間」として入った研修医の栂野真琴。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

「模倣犯」事件から9年が経った。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

映像制作会社に勤める安藤孝則は、ネット上に公開されたある動画の解析を依頼される。

人はなぜ、罪を犯すのか? 本作を原作にした映画『楽園』2019年秋公開! 出演 綾野剛 杉咲花/佐藤浩市 監督・脚本 瀬々敬久 人はなぜ、罪を犯すのか? 『怒り』『国宝』の著者、最新文庫化! 田園に続く一本道が分かれるY字路で、一人の少女が消息を絶った。

平和で安全な世界でなければ生きる価値はない、と思う人間があまりに多すぎやしないか。

人が消えていく―それは長野、新潟、カリフォルニアで相次ぎ起こった。

16年前、5人の男女を乗せたヨットが南太平洋フィジー沖で遭難した。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

仕事の成功、円満な家庭―ただ、幸せになりたいだけだった。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

その物語は、人を殺す――。

ホラー映画の主演を依頼された劇団員の恵子。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。

出版社で働く派遣社員の倉本渚は、ある日AV女優連続不審死事件の容疑者が遺したルポ「アルテーミスの采配」を手にする。

3年前に警察を辞め、家族も離れて暮らす真志に、娘を誘拐したと匿名電話がある。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

高さ四百五十メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。数万人が集まる営業初日、漏電による小火が発生。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

老人介護のボランティアをしている仁科理佳は、寝たきりの老婆・幸枝の様子を見てきて欲しいと頼まれる。

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。

著者自ら「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」と宣言する究極の小説、ついに刊行! 河川敷で発見された片腕はバラバラ事件の発端と思われた。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。