借金で首が回らなくなった勝は、強面を見込まれ、取り立て会社に身請けされる。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。

他人の見た光景が、あるきっかけで頭に浮かぶ能力をもつ神野亮司。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

闇に身を潜め続ける犯人。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

空港近くのホテル。人々の笑い声は、包丁を持った元ハウスキーパーの青年、香取純一の侵入で悲鳴に変わる。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。

廃屋で見つかった5人の女性の死体。そのどれもが身体の一部を切り取られ、激しく損壊していた。

埼玉県の長閑な田園地帯で、肉片と骨の屑のようなバラバラ死体が発見された。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。

1958年の夏。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

アウトローの刑事ばかりが集められた、警視庁刑事部捜査零課。そこに所属する音無レイカは、驚くべき才能をもつ女性刑事だった。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

六本木の違法クラブで女子中学生が惨殺される事件が起きる。

東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。

同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

七尾究一郎は、おとり捜査も許されている厚生労働省所属の優秀な麻薬取締官。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

一本の電話に、月刊グローブ編集部は騒然となった。男女五人を凄絶なリンチの果てに殺した罪で起訴された下田健太。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

「週に三度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。

東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。

少女漫画 『青い瞳のジャンヌ』 をこよなく愛する”青い六人会”。

かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。彼女に魅せられたエリートサラリーマンが、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。

その物語は、人を殺す――。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

女性誌「フレンジー」の人気連載小説「あなたの愛へ」。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

石屈日和は文具メーカーで働く三十歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。

高級住宅街に新築を建てた明は幸せの絶頂だったが、隣家の不気味な老親子の存在が気懸りだった。

怪談作家の鹿角南は、従妹の嫁ぎ先、菊池家の古い土蔵で見つかった『目嚢』という古文書を預かる。