あこがれの同級生に、告白する間もなくふられた僕。

死体って、光るのかな。文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て眩いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。

夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。

伝説は美しい月夜に甦る。それは絶望の果てからはじまる崩壊と再生の物語。

全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。

美大生の春川は、気鋭のアーティスト・布施正道を追って、寂れた海辺の町を訪れた。

声の色が見える僕は、透明な君に恋をした。

「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。 「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。

自分で殺した女の子に恋をするなんて、どうかしている。 「私、死んじゃいました。

二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。

普通の高校生活を送る僕・相葉孝司に突然起こった「自分以外の時が1時間だけ止まる」という不思議な現象。

友達の死から始まった苦い夏休み。僕らは、幽霊に導かれて旅に出た。

お姉ちゃんは高校二年までしか生きなかった。

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

大晦日までの僅かな期間、日没とともに開き、日の出とともに閉まる、謎に包まれた市「細蟹の市」。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

親を亡くし、親戚中をたらいまわしにされる不幸な少女、勇希。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。

首都を襲った天災から長い時が過ぎた。

誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。

ずっと妹と二人で生きてきた結城佳帆は、ある日、図書館の司書、舞原葵依に恋をする。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代―両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦は、地元の進学校に入学した。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

他人の嘘が分かる、不思議な力を持つ高校生、藤倉聖。だが、全ての人の嘘が分かるわけではない。

恋人の過去と繋がる一冊の交換日記。本当に好きだった。

彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー あの事件から10年。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らないものはないという。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

退屈な日常から抜け出したいと思いながら毎日を過ごすシニカル男子・野々村。

石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。

小学生の青斗が住む海沿いの田舎町には、ひとつの伝説があった。

これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますか――。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品の本作は、“白いどんでん返し"です! 僕が大学とバイトを終えてアパートに帰宅すると、部屋の前に見知らぬ美女がしゃがみこんでいた。

最愛の人の死には三億円の価値がある――。壮絶で切ない最後の夏が始まる。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。

私は命をかけて 貴方のものになる。 晴れて第一志望の教育学部に入学した榛名なずなだったが、大学生活は苦労の連続だった。

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。

海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか?保健医の鏡司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

村中から忌み嫌われる転校生、舞原陽凪乃。

1年2組の男子生徒が全員、姿を消した。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。