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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数745件
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高校生の日常におけるちょっとした一コマの出来事をミステリ仕立てにした短編集です。
表題『早朝始発の殺風景』は、始発の電車で遭遇した普段あまり話さない同級生との一コマ。 『メロンソーダ・ファクトリー』はファミリーレストランでクラスメイトと学園祭準備の打合せでの一コマ。 『夢の国には観覧車がない』は部員達と遊園地に遊びに来たときの一コマ。 という具合で高校生活の日常の1場面を切り抜いてそこで起こる日常の謎を扱います。 これといった印象強い派手な要素はないのですが、高校生活における空気感や友人達の微妙な距離感が見事に描かれており雰囲気を楽しむ事ができました。テーマが揃った短編が集まっている為、短編集として整った作品であると感じます。 個人的には『夢の国には観覧車がない』が好み。 人物配置、場所、状況、何故そうしたか、全てに無駄なく高校生活の日常としても合っていて良かったです。 エピローグも巧く作品全体をまとめており、各人達のその後が見えてなんだか嬉しいサービスに感じました。 |
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これは圧巻。
古き良きミステリの仕掛けが現代的に昇華されていて新鮮な読書体験でした。 読みながら何度も唸らされました。違和感とそれの隠し方、後で気づかされる衝撃の連鎖が本当に巧い。 そして読後感が良く、人に薦めたくなる万人向けの作品であるのも〇。本当に素晴らしい作品でした。 まず、デスゲームの構造を就職活動のグループディスカッションに当てはめているのはとても凄いアイディアだと思った。 集められた6名の男女、内定という報酬、疑心暗鬼、発言の慎重性による心理模様、などなど。確かに言われてみれば就職活動という舞台は今後の人生を大きく左右されるものであり、その年齢の子たちにとって、不採用は人生の目標を失う死を意味する場合がある。第一志望ならなおさらだ。 本書は青春小説と就職活動という社会的テーマの一般小説としても面白く読める。そこにミステリ仕掛けが加わり、何が起きてこの先どうなるのか、緊張・焦り・不安・発言の慎重性などなど、面接を受けて体験するような感情の数々が、ミステリ要素の疑心暗鬼で読者へ追体験させているかのように錯覚させている。この緊迫感が凄かった。これは文章が読み易い為、スラスラと違和感なく物語に没入できた為だと思う。 そして実はこれだけでは終わらない、この先どうなるかは読んでからのお楽しみ。 これから就活を迎える高校・大学生にも読んでもらいたいし、大人にも読んでもらいたい。社会人になって就職活動という場を会社の中から見た人では印象が変わるでしょう。読む時期に対して得るものが変わるのは名作の証。情報社会の表と裏、採用する側とされる側など、表裏が見事に描かれておりテーマ性も抜群。登場するエピソードに無駄がないのも凄い。何かにちゃんと使われている。意識されて設定されている凄さを感じました。 久々に個人的に非の要素がなくベタ惚れな感想で恐縮です。本当に面白かった。 好みは人それぞれなのですが、これは万人に薦めたくなる作品。オススメです。 ※余談。 表紙絵について。石持浅海の碓氷優佳シリーズを彷彿とされる社会人ミステリですね。 イラストレーター名が書かれていないので同一人物の作絵かは不明ですが、書影作りの企画として意識されてますよね。そういう細かい雰囲気作りも好感に映り良かったです。知らな人にはとっつき辛いかもですがそんな感想も得ました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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SFにおける時間要素と恋愛小説を掛け合わせた短編集。
新版では8作品収録されています。短編集タイトルになっている『美亜へ贈る真珠』に至っては1970年代の作品。 80年代、90年代、そして現代に至るまで、時を扱った作品は小説や映画や漫画やアニメなど数多くあります。それらの時間要素と恋愛作品を絡めた作品の歴史において、本書は外せない1作という情報を得て手に取りました。 確かに読んでみると数多くの作品を思い浮かびます。このネタはあれだ。あの映画もこのネタなのか。などなど。SFとしての時間要素は昔からあれど、そこに恋愛要素を加えて淡く叙情的なドラマを感じさせているのは中々見事で楽しめました。 ただ一方、既存作品に慣れているから仕方がないですが、原点的な本書を読んでも新鮮な読書にはなりませんでした。文章が少し古いというか固く難しいので面白かったかどうかと聞かれればSF作品×恋愛の歴史としてこういう作品があったのかと知識として体験した感想。 ミステリで例えると、2000年代のミステリから入った若い人へモルグ街や海外古典を読んで大絶賛するか……という話で、ちょっと違う気がするような感覚。なのでそのジャンルの歴史を体験したという感想でした。 個人的に好みだったのは 『詩帆が去る夏』と『梨湖という虚像』での恋人の再現。 『玲子の箱宇宙』『"ヒト"はかつて尼那を……』という、多次元や宇宙を扱った物語。 ここらが読み易く印象に残りました。 |
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勝手に感じる著者の持ち味が十分に堪能できた作品でした。
内容はあらすじ通りの凌辱・暴力・官能作品なのでそれらが苦手な人には不向き。というか著者の作品はこれらを扱う作風です。で、何が魅力かというと、それをどう表現して読ませるか、文章で読者を惹き込む小説としての作品が面白いのです。本作は映画化もされており、そちらは痛さエロさの映像での魅力作品。それとは違い、本書は主人公女性を中心に異常な場を覗き見るような、体現する魅力を感じる作品となっていました。惹きこまれて止め時が見つからず一気読みでした。 小説として意味があり、読まないと伝えづらい内容なので、ちょっと視点を変えて印象に残った箇所の感想です。 文章作りで『一行空け』が多くみられた作品でした。 一区切りとなる文章が数ページ単位の章区切りではなく、1-2ページ内で細かく一行空けをして場面や視点がコロコロ変わる印象を受けました。また、同じシチュエーションを二者から描いている所もありました。勝手な想像ですが、全体像の物語が先に決まっており、思いついたシーンからバラバラに文章化して枚数を重ねたような作り方に感じました。一見すると読書のブツ切り感で集中力が途切れそうなのですが、本作はそれが効果的に使われています。また後述。 対義する要素が多く散りばめられていると感じました。 拉致監禁され生き残った少女の過去と現在。加害者と被害者。現在の仕事における医師としての表、M嬢としての裏。不妊治療として医者と患者。内面と外面。やさしさと暴力。生者と死者。という具合で所々に対義するものが散りばめらているのを感じました。 それらを一行空けの多い場面転換により、色々なシチュエーションで読ませ、バラバラに断片的に得る情報の繋がりの面白さがあり、結果として読者を惹き付けるプラスの構造に感じた次第です。読書序盤は文章がよく途切れるなと思っていたのが、終盤はこの先どうなるのかハラハラドキドキに代わった次第。 ラストの締め方も巧いです。 あらすじ通り物語の内容としては万人薦めるものではないのですが、小説のフィクションだからこその、怖いもの見たさで異常な世界を覗き見る欲望の作品としては著者作品は癖になる次第です。新しい刺激を受けた作品でした。 |
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前作必読。必読理由は前作がとても名作でありそれを楽しんでもらいたいからです。シリーズ2作目の本書は前作のネタバレが含む為、せっかくならシリーズ最初から読んでもらいたいです。
本書は倒叙ミステリを題材とした3作品が収録。 犯人視点のミステリ。犯人を追い詰める探偵役が前作同様の城塚翡翠。キャラクターがもう出来上がってますね。華やかさ、外見、性格、口癖、とても個性的で魅力ある探偵でかなり好みです。映像映えもするので、そのうちドラマや映画になりそうだと感じました。 キャラクターも然ることながら、話の内容はしっかりとした本格ミステリ。決してキャラだけの本ではなく謎解きがとても面白いのが魅力でした。本文に作者の想いが書かれていましたが、ミステリの評価はどれだけ驚かせたかという分かりやすい指針になりやすい傾向があります。地味でもちゃんとロジカルな推理を描いてこそ推理小説・ミステリなんだという気持ちが感じられる内容でした。 オマージュ・パロディとして古畑任三郎を演じる城塚翡翠も面白い。倒叙ミステリにも分類が色々ありますが、正に古畑任三郎構成で、探偵が犯人を追い詰める系の内容です。何が手がかりになったのか、どう追い詰めるのか、推理要素1つとっても複数の手がかりが散りばめられていたのが見事でした。また、それだけでは終わらせない著者の仕掛けもナイスで、短編集だから軽めの作品かなと思いきやしっかりとした仕掛けにヤラれました。 カクテルで"サンドリオン"とか、自身の作品(デビュー作のタイトル)を小ネタで挟んでいるのも気づくと楽しい。女子高生ネタは今回自粛してましたね。※気づかなかっただけかも。百合に行ったのかな。。。 などなど楽しい読書でした。シリーズ化で続編希望です。 |
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廃墟となった遊園地が舞台のクローズドサークルもの。
廃墟コレクターの資産家よって集められた男女10名。当初のイベントは廃墟を舞台にした宝探し。だがそううまくいかず殺人事件が発生する。廃墟になる原因となった観覧車からの銃乱射事件との関りは……?という流れ。 舞台である遊園地の雰囲気はとても良かったです。 CCの環境で起きる本格ミステリはとても面白い。仕掛けもよいですし、物語の真相となる何故事件が起きたのか?という背景の作り込みがとてもよくて好感でした。 主人公の探偵能力がコンビニのアルバイト経験で表現されるのが面白くてツボ。この主人公キャラを活かして今後も『廃墟シリーズ』として続編が出る事を願います。 さて、物語や雰囲気と事件模様はとてもよいのですが、評価としては芳しくない気持ちでした。 それは校閲漏れがいくつか見られる事。事件現場の情景のイメージ付かなかった事。この2点。例えばP28の序盤で登場人物達の初めましてで名前を名乗っていないのに、相手の名前が描かれている。知り合いなのか?と変な違和感を得るけど、少し読むとこれはミスだと気づく。そのような文章が他にもあるが、そっちは実は伏線で活用されたりする。おそらく小説作りの後半で文章を並び替えたりしてのミスだとおもうのですが、ミスなのか伏線なのか混乱してしまい、後半の真相でこれは伏線でしたと言われても、あの表現はミスだと思ってた……と感じる事がありました。情景がイメージし辛い所もあり、混乱する読者が多いと思いました。 登場人物の名前についてはちょと癖が強くて読みづらい。登場人物一覧を見ながら読書でした。※人物一覧があるのは良かった。 渉外担当だから渉島。売店担当だから売野。編集長だから編河。と分かりやすいようにしている気がするのですが、読書中はイメージし辛い。資産家の十嶋庵(としまいおり)は、"としまあん"⇒豊島園(としまえん)遊園地のもじりかな?とか気づく所は面白いのですが。。 といった具合で読み辛さで残念に感じる所が多かったです。是非とも文庫化の時は加筆修正してもらいたいです。ミステリとして面白いし、見取り図が遊園地のパンフレットになっているなど拘りが楽しい反面、地の文がおかしいと残念な気持ちになります。 廃墟を舞台にしたミステリ。主人公のキャラクター性。遊園地やリゾート開発の背景を含めた村との物語。ここら辺は抜群によくできていて面白かったので、『廃墟シリーズ』として続編を希望です。 |
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3つの事件の短編集。
本作に関してはキャラものではなく、本格ミステリ寄りの推理と謎解きが楽しめる作品集でした。 著者の作品はとても読み易く言葉遊びも楽しいので気軽にサクサク読めます。 収録作は以下3編。 1話目『掟上今日子のアリバイ証言』 2話目『掟上今日子の密室講義』 3話目『掟上今日子の暗号表』 1話目は倒叙ミステリ。 何かの計画的犯行を進行中、アリバイを作る為に喫茶店で印象付けをした相手が記憶を1日しか保持できない掟上今日子だったというもの。犯人視点の倒叙とアリバイにならなかったアリバイ工作から導きだされた推理と結末は中々見事。シンプルに面白い物語でした。 2話目は洋服屋の試着室が現場となった密室もの。これは面白かったです。 洋服屋の特性。試着室という狭い箱の中。お客さんが行き来する衆人環視の中で、どのようになぜ犯行が行われたのか?掟上今日子さん流の密室講義を交えて推理する本格ミステリでした。"密室"というちょっと古臭いテーマを現代的な要素で扱われているのが好感。短編ボリュームに合った仕掛けであり、とても面白い物語でした。 3話目は倒叙+ダイイング・メッセージ+暗号もの。 これは好みではありませんでした。 犯行後、被害者が最後の力を振り絞って描いたダイイング・メッセージは意味不明の文章だった。これを暗号と見立てて解く話。ただこの話の本筋は別の所にあるのが捻くれていて面白い。 1,2作目の流れからキャラ主体の話かと思いきや、しっかり謎解きミステリだったので嬉しい誤算でした。 サクッとミステリを味わいたい時に触れるには良いシリーズです。 |
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戦時中にタイムトラベルしてしまう戦争×恋愛小説。ミステリではありませんでしたがとてもよい作品でした。
中学2年生の女子生徒。思春期・反抗期。学校では不良模様。母親とケンカをして家を飛び出した先で、意図せず戦時中にタイムトラベルしてしまったという流れ。 戦時中を描いた作品で、私が直ぐに思い浮かぶのは『はだしのゲン』『火垂るの墓』という70-90年代の昔から名前が挙がる作品があります。そういう名作と並ぶかは分かりませんが、現代の思春期の子たちに受け入れやすい戦争もの作品としてとても良い内容であり、2000年以降の戦争ものとして名が挙がるような作品に感じました。 思春期の悩みや不安を持った主人公が戦時中にタイムトラベルする様子は現代作品っぽいですし、現代を知っているからこそ、戦時中の不便さ・辛さをよりよく痛感する主人公の心境がとても感じられます。戦時中にタイムトラベルして混乱している時に助けてもらった少し年上の男性への恋心。ただし彼は特攻隊員であったという、その意味を感じる展開など、戦時話と恋愛小説を巧く絡めて描かれており惹きこまれます。 とても読み易く鬱屈する内容ではない為、戦争ものを中高生が触れる1冊としてオススメです。 |
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序盤苦労しましたが、読書した結果は面白い物語でした。
江戸川乱歩賞受賞の本作。乱歩賞は社会派の作品が多いので勝手なイメージから最初はコテコテ中国の歴史ものかと思いきや、読み終わってみれば若い世代を狙ったライトな能力もの作品と感じました。 江戸川乱歩賞というより同じ版元の講談社ならメフィスト賞のような印象。ここ数年ミステリ界隈では『特殊設定ミステリ』がもの珍しさから流行っている為、江戸川乱歩賞としても新たな読者を得るべく、その設定を取り入れた本書を採用したのかなという思いを感じました。その為のダブル受賞というのを感じます。 序盤の感想として、武侠小説に馴染みがなかった為か開始30ページで挫折でした。最初の1ページから読み辛い漢字の羅列。非現実的で意味不明の環境や会話。正直読むの迷いました。江戸川乱歩賞受賞だから再度読む事に決め、そもそも武侠小説とはどういう物なのか調べてから本書を読み直す事にした次第です。 同じ思いの人がいましたらコツとしてお知らせですが、わかりやすく説明すると本書は能力ものです。 武侠小説×ミステリとすると難しく感じますが、能力もので、超能力・ファンタジーを扱っていると考えたら理解しやすい作品でした。 私のように武侠小説に慣れていない人の為のお伝えメモとして、出てくる能力の説明を。 ・外功(がいこう)という能力は、力・筋肉の物理能力。 ・向功(ないこう)という能力は、防御・治療の回復系能力。 ・軽功(けいこう)という能力は、体重を軽くする能力。達人になる程、高く飛べたり水面も歩ける。 ちなみにこれらの言葉はwikiにも存在しており中国武術の一般知識でした。 そりゃこういう能力が成り立ったらファンタジーになっちゃうから"ノックスの十戒"も中国人を禁止したくなるわと思い出しました。一方、こういうものだと設定として認識できてしまいえば本書はとても読み易く楽しめます。 能力ものと認識できればアニメやラノベをイメージしてスラスラと描かれているシーンが浮かびました。軽功の優れた能力者は湖の横断は船ではなく歩いて渡ったり、『踏雪無痕』という能力になると足跡を付けずに雪の上を歩ける。向功の達人には毒が効かない。ふむふむ、だんだんとミステリの設定条件になってきた。そんな具合で理解です。 これらは序盤で一応説明されますが、文章ゆえか理解し辛いのが本音。登場人物も見慣れない名前でイメージし辛い。 是非文庫化する時は、簡単な能力表、登場人物表、周辺地図や現場の図を添えると評判がより良くなると思います。手に取って最初の数十ページの印象が難解過ぎます。50ページぐらい読むと雰囲気と会話文主体で読み易くなりました。文章の雰囲気が違うので加筆して調整したのかな。 中盤以降は、限られた個性的な人物達のやりとりがキャラものとして読ませますし、謎の提示やそれぞれの立場からの議論は面白く読めました。ただミステリとして残念なのがファンタジーの能力ものの条件が曖昧な事。何ができて何ができないのか、現実とは異なる能力が存在する世界なので、条件が定まっていないと、実はこんな事ができます・起きていましたと言われても後出しに感じるのです。 "江戸川乱歩賞"として見ると違和感があるのですが、ミステリを気にせず1つの物語としては本書は面白かったです。 『老虎残夢』というタイトルはカッコよく内容に合ってるのが好感です。表紙のイラストもよくて、今までの乱歩賞のイメージを変える作品に位置付けられているんだなと感じました。宣伝方法から新しい読者を得たい気持ちを感じますが、最初の数ページが難解で、試し読みで敬遠されてしまいそうなのが気がかりにも感じました。 1つの物語として完結していますが、紫苑を主人公とした異なる物語をもっと読んでみたいなと思いました。旅物語ならシリーズ化できるぐらい良い設定と魅力ある舞台です。次作があるなら楽しみです。 |
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表紙のイラストとタイトルに惹かれて購入。
連続殺人事件の被害者となった幼馴染のお姉ちゃん。10歳の主人公の元に幽霊となって現れ、被害者がこれ以上増えないように殺人犯逮捕に向けて行動するという始まり。著者の作品に触れるのは久々です。 幽霊を用いた青春物語。事件やミステリ要素はありますが謎解きを楽しむものではなく、主人公の少年の成長と当時の姿のままのお姉ちゃんの幽霊との淡い物語がメイン。設定からしてどう展開しても万全のハッピーエンドになり辛い状況なので、読んでいて心苦しい。登場人物の雰囲気や物語の起伏についても明るさはなく、良い意味では落ち着いてますが、主人公の理人もまわりの友達も負の感情の雰囲気が立ち込めていて重苦しい読書な為、個人的に苦手でした。 詳しくはネタバレで書きますが、学園青春ミステリとしての負のテーマである"いじめ"を取り入れていますが、その解法の扱いが自己成長というより環境によるものなので、何か得たり感動する点がなかったのが残念でした。 最終章の最後の一文も中途半端。はっきりすればいいのにと思いました。ネタバレで後述。という事で☆6-2(好みに合わない点が多い)気持ちの点数でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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『紅蓮館の殺人』に続くシリーズ2作目。1作目は読んでおいた方が良いです。
前作では名探偵の苦悩が描かれ、すっきりしない読書模様でしたが、本作はその逆境からの成長を感じる前向きな展開。その名探偵復活にふさわしいミステリ要素が豊富な館ものの本格ミステリです。 圧巻となるのが幾重にも重なる事件模様。600ページのボリュームの本書ですが数冊分の仕掛けを盛り込み、ロジカルに解き明かす展開には驚かされました。館で起こる連続殺人。所々に海外古典のオマージュを感じ気づけた所は純粋に楽しい。そして巧く現代的に扱われているのが見事で、コテコテの本格ミステリを現代風に楽しめた作品でした。 前作が好みに合わなかった人でも本格ミステリが好きなら本書はとても楽しめる作品です。むしろ1作目を読んでいるなら本作は外せない一作です。おすすめです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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シリーズ3作目。
人狼ルールは、村人2名。占い師1名。狼2名。今回追加された役職は誰が狼か知る事ができる占い師。 昼は無人の街にて指定時間までに目的地にたどり着かなければいけない『集合ゲーム』。夜は今まで通り誰が狼かを投票する『人狼ゲーム』。この2つを合わせたデスゲームが本作の内容となります。 大人が読む分にはちょっと物足りなくて緊迫感は薄いですが、レーベル通りの児童書ミステリとしてはとても良いバランス作品。小学生が読者ターゲットとしてみれば、何をしてもいい無人の街で拾い食いしたり、火を扱ったりする事は、ちょっとイケない事するドキドキ感がありますし、他にはコンパスを手作りしたりと、年齢層に合ったサバイバル展開。子供に読ませても問題ないサバイバル&デスゲーム内容なのが良いです。さらにミステリのように意外性のある仕掛けをいれてくるシリーズで侮れません。疑心暗鬼の攪乱戦と●●ものの仕掛けが見事に決まり、本作も楽しめました。 少しだけ難を言うとサブタイトル『絶望街区 生存率1%』が中身と合っていないと思いました。まったく絶望感はありませんし、生存率を問われる感覚もないです。むしろ無人となった街で小学生の皆がのびのびと冒険を楽しんでいるようにも感じました。 次回作もどんな仕掛けを取り入れてくるのか楽しみです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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2作目も読んでこのシリーズはちゃんとしたミステリの部類だと感じました。
児童ミステリの部類ですが、しっかりとしたデスゲームものであり、かつ知能を使った謎解き&犯人(狼)当てのストーリー。 シリーズものなので1作目から読書推奨。 前回の人狼構成は狼vs村人でしたが、本作は騎士が加わります。"人狼"自体を知らなくてもどういう役回りなのかちゃんと1作目から順番に説明されている丁寧な作り。ルールをしっかり読者に把握させたうえでの犯人(狼)当ての事件模様は面白いです。騎士という役回りから誰を守るか、皆どういう疑心暗鬼になるか、登場人物達の思考回路に違和感なく読めるのが意外と素晴らしかったです。 終盤のトリック的な仕掛けについてはもう少し説明があればと思いました。少し納得し辛い内容なのが残念。とはいえ、そういう細かい所が気になるぐらい他は十分に面白いので次巻も楽しみなシリーズです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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作品テーマや物語の構造はとても素晴らしかったです。ただ好みでいうと何とも言えない気持ちになる作品でした。
2020年度のメフィスト賞受賞作。最近のメフィスト賞からイメージする緩さはなく硬派な社会派作品でした。 タイトルから感じる通り法廷ミステリの部類。そして特徴的なのは、事件を主軸に争う法廷ミステリというより、法律自体がメインとなっている作品。法律の紹介、その法律に従い動く者たちの姿が強く印象に残りました。 読書中の正直な気持ちとしては好みではなく楽しめませんでした。 なんというか、事件の報告書を読んでいる気分。登場人物達が曲者で好きになれない為、誰にも感情移入できません。なので俯瞰して物語を眺めますが、事件模様の描き方がエンタメという起伏ある魅せ方というより、淡々と何が起きたのか描かれているような感覚。それでいてミステリとする為に出来事を小出しにしている為、全体像が掴めず物語が良く分からなくて退屈という気持ちでした。 終盤はそれまでに散らばった各エピソードが意味を持って繋がり全体像に驚きます。ただその全体像が見えた時はなんとも言いようのないイヤミスのような嫌な印象でした。本書の紹介帯では『感動、衝撃の傑作ミステリ』とありまして、確かに言葉の意味通り感情が動かされた"感動"となりますが、印象は悪い意味でどんよりさせられました。ミステリとしては巧いです。 これは人により好みが分れるかと思います。 読者に身近な事件を扱い、それによる負の連鎖、冤罪や贖罪を体感する作品としては傑作なので社会派好きにはオススメ……かも。ただ個人的にはちょっと合わない作品でした。 |
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猟奇殺人犯の名前があなたと同じだったら……?
現代的な問題を内包した社会派のミステリ。 読書前は全員が同姓同名という題材のネタ的な作品かと思っていました。キャラの書き分け小説?ぐらいの印象。 が、読んでみたら速攻で考えを改めます。現実的で起こり得る社会的テーマを持つ考えさせられる作品でした。 未成年による児童殺傷事件。世間を賑わせる事になった猟奇殺人が発生。警察やメディアは未成年事件である事から犯人の名前は非公開。この時点では他人事のように犯人の名前を公開しろ!と世の中が騒ぎ立てます。ここら辺の導入は神戸の事件を思い出させました。当時と違うのは現代のインターネット社会により、SNSによる情報の拡散、特定班、不確かな情報と思い込み、炎上……。という感じで、いざ公開された犯罪者の名前が自分と同じだったという展開。名前が同じである事による悪い方向への運命の転換が描かれていきました。 本書はこの問題をある種のシミュレーションのような感覚で読みました。 どういう被害が発生するのか。SNSによる誹謗中傷の攻撃者やその活動のきっかけとなる情報源、でも実はその情報そのものが思い込みであり真実とは異なる可能性も秘めている。拡散していく分かりやすいステレオタイプの表面と、真相となる裏側の話。ここら辺が現代的な社会的テーマで問題喚起を打ち出しつつ、ミステリとしても楽しめるようになっているのが見事でした。 ちょっと思うのが表紙が地味すぎというかエネルギーがないというか、書店や新刊情報で見てても印象に残っていませんでした。 たまたまネットの感想が流れてきて目に留まって読んだ次第。 現代的な社会派ミステリとしてオススメなのでもうちょっと広まって欲しいなと感じます。良い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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カッコいい女性主人公ものとして面白く読めました。
冒頭からエリート弁護士事務所所属の強い女性の思考が全面に出ており、キャラの印象付けとしては十分。 過去に3ヵ月だけ付き合った元彼の奇妙な遺産相続の遺言状から物語は展開します。 『このミステリーがすごい!』大賞作品ではありますが、ミステリというより弁護士のお仕事小説といいますか、 企業を舞台にしたエンターテインメント小説の印象でした。 第一章は主人公のキャラ付け、第二章では弁護士ならではの企業を相手にした戦い方。ここまでは抜群に惹きこまれました。それ以降ももちろん面白い物語であり、事件模様や展開、真相に至るまで綺麗にまとまっており楽しめます。 ミステリっぽくなくお仕事小説に感じるのは、読者の目線と主人公の目線が重なり辛く感じる為です。主人公が強すぎてこの事件の物語を俯瞰して眺めているような、主人公を追っ掛けるような読者目線であり、事件よりも凄い人の背中を見ている読書感。一緒に謎を考える余地がありません。いい意味では力強く勢いがある主人公。読者はそうだったのか!と驚くのではなく、事件の結末を教わったような気分。遺言状の経緯やそれぞれの舞台裏の真相はミステリとして内容十分なので、明かされていく演出や展開が欲しかった所。さらによくなりそうな勿体ない印象でした。 文章は読み易く、一見固くなりそうな弁護士や企業話もコミカルで楽しめました。主人公の魅力が分かりやすいので俳優を引き立てるドラマ向きかも。 続巻があれば読みたいと思います。 |
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これは傑作。一つの到達点的な作品でした。
"本格ミステリ"と言えば?思いつくシチュエーションや要素がふんだんに盛り込まれています。 クローズドサークルの館を舞台に怪しい面々が集い密室殺人が発生する。 テンプレートのようなコテコテ要素。こういうのが好物な方はもちろん。そんなの今の時代見慣れたよという方へも一筋縄ではいかない展開が待ち受けています。 本書の好みの別れ所として、数々の先人たちの実在する作品名がミステリマニアよろしくの如く挙げられていきます。 綾辻行人の館シリーズが…島田荘司や探偵は御手洗潔がうんぬん…アガサクリスティやエラリークリーンやホームズ…etc... 悪く言えば他作に便乗していたり、衒学的なノイズを感じられる為、この点は少し読んでいて気恥ずかしい印象を受けます。ただ読み終わってからの印象は好感でした。先人たちのミステリを引用し継承して生み出された本作は、数学の証明が解き明かされたような歴史をも感じました。数学の証明は過去に解明された証明の積み重ねにより未解決問題を解き明かします。そのような歴史の受け継がれている様を模しており、ミステリの過去作を用いてここ数十年のミステリの歴史の集大成を感じた次第です。 あと、やはり優れている点は文章の読み易さです。以前から著者の本は読み易い。 ネタバレ無しなのであまりここでは書きませんが、本当にいろんなミステリ要素が盛り込まれています。企画として色んなものを詰め込もうというのは誰でも発想できますが、それらが煩雑にならずに綺麗に作品として混ざり合えているのは本当に凄いと思いました。 斬新やら驚きを求める人にはちょっと期待外れになってしまいます。 そうではない所で本書は凄い事をしています。今の若い世代に対しては新本格ミステリが登場した頃の衝撃を味あわせたい。これを読んでもっとミステリの深みにはまって欲しいという思い。古くからのミステリ読みには懐古的にも楽しめるように要素を豊富に混ぜ込んでおく。そんな意図を感じられた作品でした。 例えば著者は今までライトミステリの方向で読者を掴んでいます。それらの読者が今回の本格ミステリを楽しみ、作中に登場する作品たちに興味がわけばミステリにハマって行くわけです。 綾辻行人の『十角館』を気に入り、作中に出てきたエラリークイーンやカーを読んでみたくなる。そういう読者の未来への影響も取り入れ考えられているのでしょう。既存の作家の方々を巧く巻き込んだ一冊という事も感じられた作品でした。ミステリ界で話題になってしまう事も想像できます。書店にしてもこの本が売れれば他の本も売れる期待値が秘めているので話題になります。読者としても読んだ人同士で、ここの要素はあれだよねと非常に盛り上がるネタが豊富。などなど、気づくたびに作者の意図が感じられ驚かされた次第です。 改めて書きますがこれらの要素がちゃんとまとまって読み易い物語になっている作家の力が本当に凄い。ネタだけなら他作を浮かびますが本作はそのクオリティが本当に良かった。人により内容が好みに合わなかったとしても違和感なくサクサク読んでいる事でしょう。整った構成と文章力がないとできないと感じさせられます。 余談で点数について。 最初は8-9点ぐらいの気持ちであり、本作は万人向けではなく少しマニア向けで、オリジナルや斬新な物語ではなく他作品の影響力や身内ネタをよぎってしまう所が少しモヤモヤしました。特段震えるような驚きがあったわけでもなく、斬新な仕掛けを味わったわけでもないです。ですが著者のミステリが好きな気持ちをとても強く感じる所、読んだ後にじわじわと要素要素が蘇って話題に尽きなくなる豊富な点、これらが忘れられない1冊である事を考えて満点としました。 好みは人それぞれですが、ミステリが好きなら見逃せない一冊です。非常に印象的で満足な作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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設定は面白いのですが、雰囲気作りや言動がそぐわなかったのが残念に感じました。
内容は呪われた孤島を舞台にしたクローズドサークル・館もの。屋敷を舞台に密室殺人から始まる連続殺人が発生。タイトルからしてミステリ読者がターゲットなので、ミステリ好きが好む要素を盛り込んだ作りは好感でした。冒頭にて主人公が目を覚ますと遺体と一緒の密室内にいるシチュエーション。さらに記憶喪失で状況不明。主人公と読者の情報量を合わせ、何が起きているのかという所から始まる物語です。 さて、これらの設定や要素はとても興味が沸きました。ただ残念なのが雰囲気作りと各人の言動です。悪い意味でライトな扱いになっていました。タイトル『呪殺島』にある通り一族が不幸な死を遂げる呪いを扱いますが、おどろおどろしさがなく、そもそも"呪い"を何で扱ってしまったのかと疑問に感じるほど意味がない。ただ単に人が多く死ぬ理由付けでしょうか。 登場する人物達の会話も緊張感がなくライトというよりボケや冗談を聞かされているように感じます。笑い話な感覚での会話であり、真面目さが感じられない。それでいて大事な所は急に固い口調で説明される。 例えるなら映画やドラマで役者のセリフが棒読み過ぎるとシラケますがその感覚に近いです。無理して悲鳴を上げたり推理しているのですかと感じる。特に主人公が大根役者で、言動が軽すぎて作品にまったく没入できませんでした。 所々に好みはあるのですが、残念に感じた読書でした。 |
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学園ラブコメミステリ。☆7(+1好み)
版元レーベルの兼ね合いでタイトルと表紙が超ラノベテイストなので、ミステリ読者には敬遠されそうですが中身はちゃんと謎解きしている学園ラブコメミステリです。 シリーズ2作目で変にキャラものや別ジャンルになる事なく、1作目から順当に学園内の日常を舞台にしたミステリをしているのが好感でした。扱われる謎も現代寄りで新鮮。同級生からの相談で、ネット上の知り合い調査やSNSの文脈などを元に人物を推測するというものが扱われます。"学園ミステリ"というジャンルは昔からありますが、時代設定が現代的になっています。 本書は謎解きに重みがあるのではなく、謎解きを軸にそれに関わる同級生や先生たちとの交流を描く青春小説にも感じられました。山田姉妹と主人公の掛け合いも良く、学園内の悩み事を好奇心だけでなく、無下にはできない優しさが感じられるのが良いです。1作目以上に皆との接点が増えていき充実した学校生活を感じられる展開でした。さらに巧いのが3話目に至ってはその学園生活の姿に対比する形での物語が扱われている事。この年代の負のテーマがあり、雰囲気を壊す事なく巧く扱われている事が印象的でした。 前作同様に謎を解く事で人の救済となっている点が大変好み。 キャラクターの明るい雰囲気や会話の流れが優しくポジティブなので読んでいて嫌な気持ちにならないのが良い。作者の性格なのかな。このシリーズは好みで続編希望です。 余談。 本書は去年の発売時期11月ごろに購入しましたが表紙が水着だったので気分的に夏まで寝かせました。読んでみたらリアルな季節は関係なくて物語内が1巻の高校生活新学期から始まり、そのまま時間軸が夏という事でした。イラストは明るく可愛く作品にマッチしていて好み。1作目の表紙はミステリ読みにも伝わるシャーロックでしたが、本書の水着は振り切っていきなり攻めたなと笑えました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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堂シリーズ完結。
メフィスト賞を受賞してデビューした『眼球堂の殺人』は理系の本格ミステリとしてシリーズを期待させるものでした。2,3作目と少しパワーダウンしましたが、4作目『伽藍堂の殺人』からは物語を様変わりし最後に向けて出来る中での物語を作り上げて、ちゃんと完結させたという所は評価です。 毎回の読後感は謎の勿体なさを感じる気持ちで不満が多いのですが、読みたくなる魅力は備わっていました。数学的な話や本格ミステリ、キャラクター達は気になる方々。今回最終回ということで主要な人物達を出してまとめているのは改めて最後なんだなと寂しさを受けました。 ミステリの仕掛けについて思う所として、4作目ごろから本作品は理系の本格ミステリ傾向の中、題材やトリックは数学的な机上の空論であり、実際にそれができるのかという物理的制約が無視されているのが気になりました。面白くて派手ならいいでしょという感覚が見え透いております。物語は数学なのにミステリの解決は論理的ではなく、トリックは物理的なのに現実では実現できない。このちぐはぐが残念な印象を受けました。 本作ではシリーズに出てくる大ボスの数学天皇の藤衛が登場しました。最終回という事で風呂敷を閉じる意味で出てきたのもありますが、なんというかしょぼい幕切れかなと。 このシリーズをリセットさせたいのか、読者に好まれるキャラクターがいなくなってしまっているのが残念。個人的に好むキャラは善知鳥神ぐらいでした。十和田も1-2作目の頃は好きですが、それ以降はちょっとね。 途中で辞めず最後まで読みたくなったシリーズとしての魅力。物語が完結したという所の評価で☆6。 |
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