太陽のシズク~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~



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初公開日(参考)2019年10月
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長編小説

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太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

2019年10月27日 太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

死に至る「宝石病」を患う理奈は海の見える高校に転校してきた。不安と焦燥を抱えながらも、残された時間で「素晴らしい青春」を送らなければと頑張る彼女は、運命の恋人と無二の親友と出会う。一緒に過ごした最後の12ヶ月は、大切なことに気付いたかけがえのない日々だった……そして結末、秘密がすべて明かされるとき、物語は究極のハッピーエンドへ。2度読み必至の泣ける恋愛小説。(「BOOK」データベースより)




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太陽のシズク~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~の総合評価:8.00/10点レビュー 4件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

太陽のシズク~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~の感想

あらすじ通り2度読み系の恋愛小説でした。

"宝石病"という体内に結晶を溜め込んでしまう難病を患った女の子の、残された時間の青春物語です。
恋がしたい女の子の恋愛小説を起点としますが、読んだ印象としては自己犠牲や相手を想う気持ちを表した作品だと感じました。

難病ものなので何となく結末は予感させつつも、あらすじには"ハッピーエンド"と書かれているので、どのような結末になるか楽しみでした。読者の期待する結末と沿うかどうかが好みの別れ所になるかと思われます。
個人的には期待するものとは違った作品でした。ただもう一度読む楽しみがある本ではあるので、ライトミステリとしての面白さは備わっています。そこに惹かれる人もいると思いました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
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未読の方はご注意ください

No.3:
(5pt)

二度読み必死

鈍行列車のお供として購入。
文章は良い意味でスラスラ読めます。
二度読み必死の恋愛小説という売り文句は伊達ではありませんでした。
前情報なしで読んだら確実にハマります。
太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)より
4101801711
No.2:
(5pt)

帯の通り!

二度読みどころか、三回読みました。最高でした!!
太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)より
4101801711
No.1:
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

「誰の為に生きるのか?」自分のエゴイズムと向き合う意味を考えさせられる一冊。

作者の三田千恵に関してはデビュー作の「リンドウにさよならを」を拝読させて頂いたのだけど余りに説明臭い文章の拙さに辟易してそれ以降疎遠に。今回は信頼できる筋が複数高評価していた事もあり「ダメで元々」と手を出してみる事に。

物語は主人公である奥村理奈が東京から主な舞台となる司浜西高校へ転校してくる場面から始まる。理奈が目指すのは「最高の一年を送る事」の一点のみ。幼い頃に火災で自分の身代わりとなって父が死んだ事で母が自分や弟たちの為に身を粉にして働いている理奈だったが、その心臓は死後宝石の様な石を残す腫瘍が育つ「宝石病」に蝕まれていた。生前の人生がその輝きに反映される宝石を育てて両親の恩に報いるべく理奈は最高の青春を過ごす為に必要な「友人」や「恋人」を求めるが……

取りあえず読む前に気になっていた文章力の方はかなり改善されていたという印象、少なくとも読み進めていく上でストレスが溜まる部分はかなり少ない。

一読して印象に残ったのが「自分のエゴイズムにどう向き合うか?」というテーマの掘り下げがかなり明確であるという点。主人公の理奈は「手術を受けなければ余命はあと一年」と宣告を受けたまま転校してきた司浜西高校で自分に残された最後の一年を輝かせるための「恋人」や「友人」を探し求めるのだけど、少なくともここで読者は違和を覚えるかと。少なくとも知人やクラスメイトとして付き合っているうちに好感を覚えて「友人」や「恋人」という関係を結ぶに至る、というのが自然な関係の構築だと思っている限り理奈の行動はなんとも異様な物として映る。

果たして理奈は美里という友人やショウちゃんという恋人を得るに至るのだけど、その段に至っても違和感は拭えない。「最高の青春を演じる為の役者」として恋人なり友人を演じる事を他人に求めている様な、そんな違和が付きまとい続ける。その違和感を更に複雑化するのが章ごとに語り手が入れ替わる本作の構造である。

理奈の語りで進められる章と入れ替わりでショウちゃんの語りで進められる章が挿入されるのだけど、ショウちゃんの視点からはかなり強引な形で「恋人」となった理奈は理想の恋人の様に語られるので読者にとっては「あれ、自分の受け止め方がおかしいのか?」と覚えた違和を疑わなければならない羽目に。しかも章が進む程に理奈のショウちゃんに対する振る舞いは「恋人ごっこ」とでも言いたくなる様な不自然な物になっていくので読者としては「何が真実なのか?」と酷く困惑する事になる。

やがてその不自然な関係は破綻を迎える事になるのだけど、そこで理奈に突き付けられるのは「自分は結局のところエゴイズムだけでしか生きる事が出来なかった」という絶望感である。理奈は自分の身代わりとなって火災で死んだ父親や働き手を失った事で身を粉にして家族を養う母親を人間の理想像として「他人の幸せの為に生きる姿こそが正しい人間の在り方である」と思い込んでいる縛られた存在であり、それ故にその「正しい生き方」を貫けず他人を自分のエゴイズムに付き合わせてしまったのではないか、という絶望感が理奈を襲う展開に。

ただし理奈にとって「救い」となるのは「他人の幸せのため」だけに生きている人間などいない、という事実である。作中で示される様に「他人の幸せというのは自分の幸せを追求した上に存在する」という発想の転換が理奈を救う事になる。とかくエゴイズムというと「我こそ良かれ」「我利我利亡者」みたいな感じであまりいいイメージが無いのだけど、「全人類の為に」なんていうバカげたものでなければ「誰かの幸せの為に」というのは結局「自分の幸せは自分にとっての大切な人が幸せでなければ」というエゴイズムの先にしか無い事が示される。

かくて自分の生き方を初めて肯定できるようになった理奈だけど……ここから先は何とも皮肉な運命が待ち受ける。ここから先は実際に読んで確かめて頂く以外に無いが、理奈が肯定できる様になった「自分の幸せの為に」という生き方がどういう形が非常に意外な形で結実する事に。上で触れた理奈とショウちゃんの語りが入れ替わりで綴られる構成の意味に「あっ」と言わされる仕掛けが施され、途中で感じた違和感の正体が明かされる事になる。

ただこの仕掛けの為に若干人物描写がぎこちなくなっていた点は若干惜しい物が感じられた。特にキーパーソンとなる美里に関して言えば「謎が解けてる前」と「謎が解けた後」の描き分けが「理屈は通っているけど……」と急な変化に頭の中で一人の人物として結び付けるのにちょっと無理があるように感じられ、このあたりはもう一工夫が欲しいと感じられた。

「自分のエゴイズムとの向き合い方」というテーマの掘り下げや終盤で仕掛けが作動する構成の巧さなどは感じられたが、若干ストーリーの仕掛けに囚われて人物造形の方が不自然になった点はまだまだ研鑽の余地があると感じられた一冊。「自分の幸せの為に生きる」という生き方に難しさを感じている方にはお勧めできるかもしれない。
太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)より
4101801711



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