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メタボラ



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メタボラの評価: 4.33/5点 レビュー 93件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全78件 1~20 1/4ページ
No.78:
(4pt)

記憶を無くす

一気に読みました。
最後のシーンが切なかったです。
メタボラ (文春文庫 き 19-23)Amazon書評・レビュー:メタボラ (文春文庫 き 19-23)より
4167920115
No.77:
(5pt)

その時々でいい奴はいて、今も隣りに一人いるけど、僕らはどこに行くのか。巨大な絶望と少しの希望と一緒に。

陽気でノンキな宮古産青年のジェイクこと昭光、記憶を失って沖縄のジャングルを彷徨い昭光に拾われたギンジこと雄太。

二人の息詰まるほど目まぐるしい旅路から目が離せず、一気読み確実。

ジェイクもギンジも最底辺に追い込まれた若者ということになるんでしょうが、なぜこんなに愛しいのか。

人は一人では生きられない、と思ったり、若者たちを飲み込む歪んだ家族、巨大な搾取、暴力といった社会的なシステムの恐ろしさを感じたり、雄太が絶望に至る過程の克明な描写に深く共感したり、といろんな意味で読み応えのある内容になってます。

続編が読みたいが、、
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.76:
(5pt)

相変わらずの救いのなさに打ちのめされる。

10年ほど前の作品だった気がしますが、久々に再読。
読む手を止めさせない圧倒的な筆致は流石としかいいようがないです。
あぁ、桐野夏生が好きだ。と。

呆れるほどの楽観主義で放埒なアキンツ、記憶喪失がもたらす、常時四面楚歌のような悲観的なギンジの物語だが、対照的に見える2人でも抱える表面的な問題は同じ。

「悲惨な程の選択肢の無さ」

選択する能力も、先を見て進む計画性も無い若者達が多く登場しますが、彼らは似たり寄ったり。
私の置かれた環境から考えると異次元の話であり、本当にこんな世界があるのかと疑いたくなります。
そういう意味では路上のXもそうですね。

★ここからネタバレあり。★

最後の最後まで救われないアキンツは、この物語の象徴なわけだが、全てが自業自得でもある。
それをもってしても救われなさすぎて読後は凹む。

グロテスクはある意味悲惨ではあったけれども救いもあった。
ポリティコンも冷たく苦しくはあったが、どこか救いはあった。
これは打ちのめされてしまうのです。

また10年後くらいに再読しようかな。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.75:
(5pt)

10年以上前の作品にもかかわらず、現代日本が抱える問題をリアルに描いている

読み進めるのが億劫になるくらい暗くて重たかった
10年以上前の作品なのに、扱ってる問題がタイムリー
頑張れば報われる、なんて時代は終わったのだと言われているような気がした
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.74:
(4pt)

初めての

初めての作家だったので面白く読みました。こんな世界が今の世の中、日本中に満ちているのかとため息が出ます。非正規、パート、アルバイト 周りを見回しても100歳まで生きる時代と言いながら 格差が広がって気が付けばゆとりある時代とはとても言えません。それをはっきり示している小説でした。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.73:
(4pt)

あえて自分は・・・

アキンツと師匠とのほのぼのとした(ように脳内では変換されている)やり取りが大好きでした。
実際の話し口調とか知らないからだけど、同郷だからこその絆みたいな感じで微笑ましい。
ところでアキンツのハンサム具合のイメージって、芸能人で言ったらどこら辺なのか気になります。
若い頃のissaとか?沖縄らへんだとそんな感じ?
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.72:
(4pt)

沖縄って。

しんどい物語でした。最後の終わり方は好きです。
桐野さんはハズレがない。
メタボラ(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:メタボラ(下) (朝日文庫)より
4022645555
No.71:
(5pt)

手のひら返しの影響

「他者性の無視」と言われている手のひら返しが、家族のために働く父親を呑んだくれのクソ野郎に変わっていかせる。
昔はあんな人じゃなかったのにと
知人に感じているなら一読すべき。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.70:
(5pt)

貧困の現代

若者の、ワーキングプアのメカニズムがよくわかりました。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.69:
(4pt)

救いはないのか

厳しい。崩壊した家族。他人事ではない。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.68:
(5pt)

あきんつがひたすら可愛い‥

読み終えた感想から。
痛いです。胸が痛い。ここまで人の心に衝撃を与えるなんて、桐野夏生さんてさすがだなと思います。
ストーリーは調べればわかるとして、私個人の感想です。まず、あきんつが可愛い。
ギンジが、よく、あきんつならこういうだろうなって想像するシーンがあるけれど、あれだけ警戒心の強いギンジの想像の中でさえあきんつは決して怒らず、能天気にギンジに言葉をかける。
最後の最後まで、あきんつは能天気だった。
天才的なホスト。何があろうとも結局は誰かが味方になり、能天気さからの過ちでさえ伝説になり、ホストとして成功できたと思うのに。
不運だったね。
ラストは、本当に胸が痛んだけれど、二人はまた旅に出てると思う。

船だからね。お医者さんがいたかもしれないし。

前より強く逞しくなった二人は、ズミズミ上等な旅を続けている事と願います。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.67:
(5pt)

どこに進むのか分からないストーリーを驀進する力強さ

これは何年も積読になっていたのだが、『暗い橋を渡る』『バラカ』と彼女の作品を続けて読んだので、その勢いで読んだ。

結論からいうと、凄い!

本作についての書評を読まず、また帯も最初から外して読んでいたので、予備知識なしだったのだが、まったくどこに連れていかれるか分からない。

始まりからして謎だらけで、その後のストーリー展開の幅は広く、転変は急である。

どうしようもなく閉塞した東京や柏崎での追い詰められた感じ、沖縄の「なんくるないさ」的な脱力感。

とはいいつつ、沖縄のはらむ政治や社会の問題もぬかりなく、その双方を織り込んで物語は驀進する。

その驀進のエネルギーたるや凄い。

ちょっと、花村萬月の『旅を』なども連想したが、なぞらえるには作家のテイストが違いすぎるかもしれない。

でも、連想させる何かはある。

というわけで、ぼくとしては『暗い橋を渡る』<『バラカ』<『メタボラ』という感じがしている。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.66:
(4pt)

最後は消化不良

桐野氏の作品は過去に何冊か読んだ事があるが、どうもグロさと言うか社会の暗部をこれでもかと抉り出す内容が自分の性に合わず、読む事を避けている作家だ。
しかし本書は雑誌か何かの書評で知り、いつか読んでみようと思っていた。

下巻は桐野氏らしい、派遣労働者の厳しい現実が描かれているし、最後は今までと打って変わり非常に非現実的でそそくさと纏めてしまった感があったが、全体的には面白かった。

個人的にはイズムの存在が良かった。「あ、あの人を題材にしているのかな?」と、実在の人物が目に浮かぶ。他にも、リンコら安楽ハウスのスタッフは、いかにもゲストハウスに長期滞在している輩の類型的なタイプで、非常に親近感が沸いてくる。

今一つわからなかったのは、作者が主人公であるギンジを、どう捕えていたのかと言う事。上巻の最初で、コンビニの鏡を見たギンジは、冴えないルックスに愕然としている。更に積極的に他人と関わろうとしない人物なのに、リンコにしろ、派遣先で知り合ったキクチにしろ、女性側から告白されている。
下巻ではたっぷりと記憶を失うまでのギンジのストーリーが語られているが、異性に関する情報は無い。大学まで進学している年齢なので、何かしらの異性への関心と言うのがあるはずだが、そこが描かれていない。なので、アキンツやケンに対する同性愛的な感情の芽生えが何なのか?、が見えない。

そう言った意味では、同性愛・自殺(やネットで知り合った集団自殺)・住込み型派遣労働・引きこもり・ホスト・海外放浪・夏祭りで知り合って妊娠、そう言ったネタを盛り込み過ぎたのかな?と感じた。
メタボラ(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:メタボラ(上) (朝日文庫)より
4022645547
No.65:
(5pt)

素晴らしい傑作。桐野夏生作品ならこちらを。

最初に読んだ桐野作品がこれで本当に良かった。『グロテスク』だったら次はなかったと思うし『残虐記』だったら間違いなく二度と読まない嫌いな作家になっていた。東京新聞に連載されていた『とめどなく囁く』を毎朝読んでいて、文章の上手さと表現の的確さにこれは何か読まなきゃと手にしたのが本作。読み終わって衝撃的な感動でしばし放心。読書の醍醐味を味わうってこういうことだったよねと、改めて「作家」って凄いなあと思わせてくれる力作です。そうそう先日『メタボラ』にひどく感銘を受けた娘が、『東京島』を図書館で借りて、のけぞる程びっくりして数ページで断念。即効返却したと言っておりました…。
メタボラ (文春文庫 き 19-23)Amazon書評・レビュー:メタボラ (文春文庫 き 19-23)より
4167920115
No.64:
(5pt)

救いの無い人間の裏を見せる。桐野夏生らしい。

バブルがはじけ、不況にあえぐ日本。一度レールから外れたら、そこからは落ちていくだけという今の社会の現実。
メタボラ(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:メタボラ(下) (朝日文庫)より
4022645555
No.63:
(5pt)

たとえ同じ境遇でも、考え方で人は大きく変わるのだと感じる小説でした。

もし今の僕が高校、大学を卒業して就職できなかったとき、どのような選択をするのか考えました。
社会の底辺で搾取されたとしても、派遣やバイトから正社員を目指し、既成の価値観の中でもがくのかもしれません。
派遣やバイトで自分を見出せなかったときには絶望するのでしょう。

しかし視点や価値観を変えることができれば、人は一気にたくましくなれ、絶望した自分でさえも他人の感覚となり、主体的な満足を得ることは実はものすごく簡単なことではないかと思いました。

記憶のないギンジ編と記憶を取り戻した雄太編が逆行していきます。
同じ人間が記憶喪失により別人格を生き、記憶を取り戻すのに従って徐々に前の自分に吸い込まれていきます。

たとえ同じ境遇でも、考え方で人は大きく変わるのだと感じる小説でした。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.62:
(4pt)

グロテスクと比べると星1落ち

桐野夏生作品は現実と偶像の間を書くのが上手い。香月は生意気だから人生を捨て、ギンジに生まれ変わり自分に正直になったんだと思う。香月が無意識にでも沖縄を選んだのも再生したかったのかな。ラストはバットエンドなのかグッドエンドなのか。ギンジのグッドエンドだと思う。
メタボラAmazon書評・レビュー:メタボラより
4022502797
No.61:
(5pt)

桐野のフルスロットル

気分が悪くなるほど興奮した。
実は小説家という職業は俳優業に近いのではないかとすら思った。小者は沖縄に十数年住んでいたことがあるが、桐野の登場人物達の会話が沖縄の方々の交わす会話そのものだと言って良い。実に活き活きしているのである。
ガープ川、という小さな川を登場させているがこれは那覇に住んでいる人でも知らない人は知らない。そういうマニアックなシチュエーション作りからして凄い。
一体桐野はこの小説を書き上げるのに何回沖縄に足を運んだことだろう?どれだけ沖縄の人と会話したことだろう?

本書は桐野の小説の中で最も優れている。
メタボラ(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:メタボラ(上) (朝日文庫)より
4022645547
No.60:
(5pt)

桐野の最高傑作

作り物めいた話ではあるのだが、沖縄に住んだ経験がある身としては、桐野の書くウチナー口による会話が素晴らしく感じられた。
身の施し方が分からなくなってしまうジェイクは(極端な書き方だが、日米の間で揺れる、基地問題の解決を見ない)沖縄そのものだと思ってしまった。

ついでながら、この連載と同時期、文藝春秋誌に山崎豊子『運命の人』が連載されていた。同じ沖縄舞台であっても、山崎の方は会話がなんとも陳腐であった。世代交代なのだと思わせた。
メタボラ(下) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:メタボラ(下) (朝日文庫)より
4022645555
No.59:
(5pt)

現代社会の辺縁を生きる若者の絶望的な自己探求

桐野夏生「メタボラ」読了。
 この小説は詳しく語るとネタバレにならざるをえない性質をもっているから、多くは語らない。
 しかし、これは現代日本社会のおける限界状況を生きる若者の、すぐれた自己探求の物語だと思った。
 自己探求と言っても、自己が見つかるわけではない。むしろますます滅茶苦茶になっていくだけだ。
 だが、その舞台が沖縄本島であり、主人公のひとりは本州、もうひとりは宮古の出身であり、知事選や辺野古の問題が絡んだり、理想郷をつくるカリスマや、政治に進出しようとするゲストハウス経営の若者が出てきたり、限界を超えたブラックな企業現場が描かれたり、そこでしたたかに生きる中国人労働者の姿に肉薄したり、桐野の描く世界は、僕の関心の縁を見事に踊っていく。
 それでいて何かが見つかるわけではなく、何も見つからないのがよかった。
 暗澹たる未来に希望はない。
 だがもっと闇を進んでいきたいという意欲はなぜかいや増すのである。
 現代社会の辺縁を生きる女たちを描いてきた桐野が、同じく辺縁を生きる若者男子を描いて、ここまでの力量を見せつけたのはさすがである。
メタボラ (文春文庫 き 19-23)Amazon書評・レビュー:メタボラ (文春文庫 き 19-23)より
4167920115

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