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メタボラ
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メタボラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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読み始めから何だかピンと来なくて、 途中でやめてしまいました。 気分が変わったらまた挑戦します。 | ||||
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日本における女性ハードボイルド路線の先駆けと評される本著者、桐野 夏生(きりの なつお、1951年10月7日 - )は、石川県金沢市生まれの小説家。別のペンネーム野原野枝実(のばら のえみ)や桐野夏子の名でロマンス小説、ジュニア小説のほか、レディースコミック原作も手がけているとのこと(Wikipediaより)。Amazon他レビューを読み著者の作品を初めて読みました。上巻P1 〜350、下巻P1〜P374ですが4日で読了。 結論ですが、「小説家の描写力に関心がある」、「自分の存在意義ってなんだっけか?」、「バックパッカー(旅)好きだわ〜」、「派遣・請負労働などに関心がある」方などに一読の価値があると感じました。是非読んでみてください。以下詳細です。 「家族離散、雇用難民、偽装請負。…後戻り出来ない現代の貧困を暴き出す」と文庫の裏表紙には記載があります。が、下巻の最後に評論家の宇野常寛氏の解説にある通り、著者により暴かれたそれは貧困の現実(=現代的な工場労働や夜の世界における搾取構造)よりも、現代の格差社会における問題の本質をアイデンティティ不安=承認の問題ではないか、と提起する部分でしょう。 社会的生き物である人間は公共生活(親類・他人を含む周囲の人)との繋がりにおいて自らの存在意義を定義している、とはよく耳にすると思います。終身雇用の崩壊(=労働市場の流動化)により労働で存在意義・社会的な繋がりや自らの必要性を認識出来なくなってしまった現代の多くの人々。この新しい社会への対応を著者は構造的に4分類として描き出しているようです。 <大分類では2つ> それでも労働を通して自らのアイデンティティを確立しようとするもの、ローカルなコミュニケーションによる承認の獲得を目指すもの。選挙戦やビジネスに傾倒していく釜田やイズム、ホストクラブばびろんの店長などは前者、沖縄で将来への展望や人生設計を持たずに享楽的な生活を志向するミカやリンコ、小沢やフウヤンは後者か。 <小分類で2つ> 男性的、女性的なるもの。こちらの分類が著者の特徴的な分類とされているようです。労働による存在意義を確認出来なくなってしまった男達(男女の性差における優位性の崩壊)。それでも男であろうとする者は自分探し系になり、それを放棄した者がローカルコミュニケーションを志向していく。 登場人物達がどれに当てはまるか、またどう変化(新陳代謝)していくのかは読者の判断でしょう。それよりも個人的に私は他レビューの「奮い立った」とか「希望がある!」の書き込みを見て小説家の解決策のようなものを期待して読んだ口なのですが、ものの見事に裏切られましたね。。。漫画で例えると闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)を読んだ後のように「彼ら・彼女らには抜け道がないじゃん…」としか思えない内容になっています。そもそも「抜ける事」に登場人物(あるいは読者も?)達は希望など感じていない。その分類の中でのアイデンティティの確率を目指しているように私には感じました。 なお、評価についてですが、現代の一般大衆のアイデンティティ不安に関して2007年当時、ないしそれ以前に構造的な考えを示した事、「僕」や「アキンツ」、「銀次」、「佐織里」などの多様な(各々真逆とも言える)登場人物の特徴や心理描写、風景描写をこれほど精査に文章化できる力量、崩壊する「香月家」のリアルなどは非常に一筆なものがあると思うのですが、上記期待したものが得られなかった事、「…で?」感が個人的に強すぎる事(やはり解決策や方向性などを淡く期待していた為だと思います。つまり新陳代謝してほしかったのは本作により新境地に至ったらしい作者や、登場人物ではなく私自身だったのかと。)などもあり星3つとさせて頂きました。それでも一読の価値があることは再度付記させて頂きます。 | ||||
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「ココニイテハイケナイ」って声が聞こえるなんて、第3の存在を感じさせる様なドキドキ感がありましたが、やっぱり超リアルな若者の話でした。 だらしない?若い男の子の話なのに、読んでて違和感がないのがすごい。 ジェイクのあっけらかんとしたキャラクターが好きで、友達にもこんな調子の良いやついるな〜なんて苦笑しながら読んでました。 でもだんだん2人がいろんな意味で追い詰められていく様子がリアルすぎて怖かったです。 | ||||
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色々な、社会を織り込もうとしすぎていませんか? ちょっと、人物に無理があるように思います。 沖縄だから・・という意識が強すぎるのでしょうか? | ||||
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物語は、記憶を失った主人公がなぜか何の荷物も持たないまま、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光という男と出会うところから始まります。 主人公に記憶がなく、また何も荷物もない(お金も身分証明も何もない)状態から得体の知れない男とともに新しい生活をスタートするので、先の展開は全く読めず、そういう意味では新鮮に読むことができます。 ただ、全体を通してドキドキハラハラするような展開があるわけではなく、予想外のどんでん返しがあるわけでもありません。 主人公の記憶について多少気になるものの、ついつい読みふけってしまうような話ではなかったため、評価は3にしました。 舞台が沖縄で、昭光が宮古島出身であることから、会話はほとんど沖縄ことばと宮古ことばで書かれており、そのせいで言わんとしていることが若干理解できないことが多々ありました。 「社会から零れ落ちていく若者のリアルと後戻りできない現代の貧困を暴き出す」とあらすじにありますが、それよりも、主人公の成長というか、変化というか、様々な経験を通して変わってゆく主人公の心情が見所だと思います。 同じ主人公なのに、物語と最初と最後では、感じ方・考え方がまるで別人のように違っています。主人公に対する印象も変わります。でもそれがごくごく自然に描かれているところがすごいなと思います。「あ、この出来事で成長したんだな」とかそういう感じではなく、良くも悪くもいつのまにか冷静に、したたかに、逞しく、素直になってゆく様は見事だと思います。 そんな主人公とは対比的な昭光も印象的でした。 | ||||
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一晩で読みきってしまうほど面白かったけれど 読み終えて感じたのは虚無感みたいなものだけだった。 ラストが、本当にあそこで終わっていいの?という感じ。 ただひたすら鬱にさせられただけで、むしろ不快感が沸いてきた。 桐野さんは、作中の人物に愛情を持っているんだろうか? ただ時事的なネタをのせるためだけのコマのようにでなく 主人公に愛情を持って、少しでも希望を抱けるようなラストにしてほしかった。 こんなひどい時代だから甘いことは書けないというのは分かる。 しかし、偽装請負や沖縄など、色々な時事問題を取り上げるのなら 中途半端にたくさん盛り込むだけで、 何の解決策も見出させないまま、どんどん次へ次へ、というのは、 要するにただ話題のネタを扱って、注目させればいいと思っているだけのように 感じてしまうのだ。非常にマスコミ的というか。 ただの娯楽作品として読むとしても、あの終わり方は納得がいかないし。 個人的には、非常に消化不良な作品だったと思う。 | ||||
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相変わらず、遠慮なく厳しく痛い世界を描ききる。 こんなに暗いのに途中で放棄することが出来ない。 残酷なシーンの続く映画なら、きっと観るのはやめるのに 桐野作品の残酷さや暗さは途中で放棄出来ない魅力がある。 最後まで読んでも救いがないこともわかっていて、それでも期待し、割と厚めの本ながら 一気に最後まですすませてくれる。 波長が合うのだろうか? こんなに中盤から後半にかけて読む速度が一気に加速して、手放せなくなる。 何に面白さを感じるのか、本当によくわからない。 自分には絶対に出来ない世界で彼らは生きている。 そんな憧れがあるのかもしれない。 ボロボロで不自由で、希望もほとんどなくて、息苦しい世界。 どこかで、羨ましいのだ。 だからかなあ。 しかし読了後の数時間私はなんともいえない暗い空気に包まれた。 そんな空気に包まれたい方にはおすすめです。 | ||||
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前半は沖縄で記憶喪失になって、地元の昭光と出会う若者。昭光からギンジという名前を与えられる。そこから自分がだれかわからないままギンジは沖縄で生活するが、正直長すぎた。途中で読むのやめようとしたくらい。でも後半、記憶を戻したところから一気に読んでしまった。壊れてしまった家族関係、請負で低賃金で働く、その後絶望して集団ネット自殺をするという話。あまりにもリアルでこわいくらいだった。壊れてしまった父の描写を読んだ日の夜はは悪夢をみたくらい。請負で働くあたりは、私は経験はないものの、「日雇い派遣グッドウィル、フルキャストで働く」で読んだグッドウィルの派遣労働者の告白そのものだった。そういえば、桐野氏は「OUT」で弁当工場の描写も生々しかったが、社会の暗部を切り取るのが得意な作家だと思った。この作品は後半を中心にするために、前半をもっとコンパクトにしたらもっとよかったと思う。 | ||||
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視点が交差して書かれるのは、よくある手法だと思いますが、あまり有効に効いているように思えませんでした。バランスも悪いし。この視点の入れ替わりは、趣向に終わっていて、必然性があまり感じられませんでした。ストーリー的にも、人間描写的にも。 主人公が昭光にあれほど惹かれることにも、あまり説得力は感じられませんでした。後半の記憶の復活や選挙運動の始まりなどになると、どうも話が散漫になるようで……。 ただ、柏崎の工場や寮の過酷さや、昭光の勤めホストクラブの様子などは、とてもリアルに書かれていて、楽しめました。あのあたりをもっともっと深く描きつくしてほしかった。 | ||||
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作者の意図が現代社会の病巣を切り取ろうとしているのなら的外れな作品になっている。 闇が描けてないのだ。人間の闇が。 主人公は集団自殺の生き残りであるが、その集団自殺しようとした理由というのが家庭内暴力を振るっていた父親に似てきたからというものである。そんな理由で自殺しようとするか?と思ってしまう。 本当に現代の若者を取材したのかさえ、怪しい気がする。ニートになるならニートになる理由が存在する。それがこの作品ではうまく描けていない気がする。 ここででてくるキーワードがまた微妙である。 沖縄、家庭内暴力、集団自殺、派遣労働、ニート。 5年ぐらい前だったらこのキーワードで売れた気がする。今では使い古されたキーワードである。 はっきりいえば、古すぎることをテーマにしていないかと思うのである。 時代を切り取るならば、ネットカフェにいけばいい。いまの時代の病巣がそこにはあるから。 ただひとつほめるところがあるとすれば、恋愛描写である。これは秀逸だと思う。好きな相手の心をすべて手に入れたいという思い。手に入れないもどかしさ、せつなさ。失った消失感。これの描き方は秀逸である。ここだけはよんでもいいかもと思う。 ちょっと社会派な恋愛小説をよみたいならどうぞ | ||||
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主人公が無い所から物語が始まり、徐々に記憶を取り戻していくうちに過去の自分がどんな人 間かが明らかになっていく。 主人公は記憶を取り戻すまでにいろいろ経験をして、 過去の自分を取り戻そうと必死に生きていく。そんな中で自分の記憶が甦り、失望をしてしまう。 過去の主人公の人生が、泥沼にはまっていく様子がとても恐怖感を感じました。 | ||||
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正直、何が書きたかったのかわかりませんでした。 おまけに後半は、(もともと新聞連載小説でエンドが決まっていたからなのかもしれませんが)前半の緻密な描写に比べて端折りすぎた感を強く受けました。 ただグイグイ読ませる力はさすがだと思いますが、桐野夏生は「OUT」とミロシリーズの初期モノを超えるモノを書いていない気がしますねー(これはメタボラを読んだ友人も同感だと言っていましたけど。) | ||||
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