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(短編集)
朝霧
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朝霧の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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どこがと言うのが難しいくらい、全体的な構成と筆致の妙である。 陳腐なレビューが拒絶される凄みを感じる作品だ。 社会人になり、「おばさん」になり来し方を鑑みつつ、主人公の 今後の不安や希望、身近な疑問が上手く絡みつつ展開していく。 書評など気にせず、すぐに手に取って読むことをお勧めする。 特に、高校3年生・大学2年生~25歳位の若い人や 壮年から老年を迎える世代などにお薦めしたい良作。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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とにかく「大好き」の一言。 言わずもがなの名作ですが、本当に隅々まで素晴らしい。 読書好きにはたまらない、美しい日本語と丁寧な人物描写。 何度読んでも本当に素晴らしい作品です。 | ||||
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円紫シリーズ。この作品では、「私」は大学を卒業して社会人に なっている。前回の作品とは違って今回の作品には人の死というのは 出てこない。そのことに、ほっとする。「朝霧」の中で語られる 祖父と鈴ちゃんの話は、ちょっと切なかった。また、「山眠る」の 中では父の娘への愛情を強く感じた。どの話もていねいに描かれて いて、読んでいて心地よかった。このシリーズはこれで終わりなの だろうか?とても残念な気がする。今までずっとこのシリーズを 読んできて、謎解きだけではなく「私」の成長も楽しみだった。 できればまたいつの日か、円紫さんと「私」に会えることを願っている。 | ||||
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最初の作品『山眠る』では卒論を完成させ、『走り来るもの』では社会人としての一歩を踏み出すと同時に、姉に子どもが生まれてほんものの”おばさん”になる。『朝霧』では祖父の日記の謎解きをする。今までに比べると、時間のすすみ方が早いですね。それは実生活と同じでしょうか。 これまでの作品と同様、なぞが解けたからといって、かならずしも”すっきり”するわけではありません。知ったからこそ、そこに人の悪意というか毒のようなものを見て悲しく切ない思いになる『私』。ただ、これまでと違うのは、多少なりとも社会人としての経験が彼女を強くしているような気がします。優しい女性だから、その出来事からいろいろ感じることがあるのでしょうが、これまでのように大きくショックを受けるというのではなく、そうか、大人になるとこんなことがあるのか、というように少し冷静に受け止められるようになったのではないのかと思います。それはきっと、円紫師匠の優しさにふれることで、彼女が成長してきた証拠ではないでしょうか。大人の世界にはいいことばかりじゃなくて、悪いこと、気分の良くない出来事もたくさんある。だけど、世の中捨てたもんじゃないでしょう?と『私』をいつも優しく見守ってくれる大人の優しさ。『私』がついつい円紫師匠を頼りたくなってしまう気持ちはよくわかります。 この先、『私』は社会人として、どんな風に成長していくんだろう。いつか、円紫師匠から卒業する日がくるんだろうか。先がますます楽しみです。『私』がいい歳になるまで続けてもらいたいなあ。 | ||||
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1998年の単行本の文庫化。円紫シリーズの最終巻。完結編というわけではない。 特に理由はないのだが、円紫シリーズは『六の宮の姫君』で読むのを止めてしまっていた。7、8年を経て本書を読むことになったのだが、「ああ、こういう世界だったな」と懐かしく感じた。他愛もない謎が解かれる喜び。落語。何となく残る後味の悪さ。なかでも後味の悪さが北村薫の本質なのだろうと思う。ミステリにおける謎は犯罪であり、そこにはかならず悪意が潜んでいる。また、悪意が書かれていなければ、作品の厚みが大幅に減じてしまう。 バランスの取れた世界観だと思う。 | ||||
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高村薫も、この北村薫も、「薫」という名前は性別不祥にしたかったからつけたペンネームだそうです。女性の高村薫が書く小説はいたって男性的な感じですが、北村薫は男性なのに作品は女性の感性がしっかり書き込まれています。実際は僕は男性だから女性から見たらどうか分かりませんが…「円紫師匠と私」シリーズの第五作だそうですが、収録されている中篇『山眠る』『走り来るもの』『朝霧』はそれぞれ独立した作品としても楽しめます。文学問答は理科系の僕としてはちんぷんかんぷんのところもありますが、落語家や老作家や、出版社の先輩たちとのしゃれた会話は飽きさせません。そして知らず知らずに、ちょっとしたミステリーへと入っていきます。謎は毎回完結していて気軽に読めるので、通勤の友に最適です。シリーズのほかの作品もぜひ読んでみたいと思います。 | ||||
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社会人になった私と周りとの人間関係はとてもしなやかに感じます。大人同士の会話の中で繰り広げられる秘密の整理、もうこれは芸術かもしれません。行動の裏にある真実の意味を考えさせられました。 | ||||
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日常のちょっとした謎や不思議に目を留め、そこから驚くような答えを導き出す円紫師匠のシリーズも5冊目。大学生だった語り手の「わたし」もぶじ大学を卒業、アルバイトしていた出版社に就職が決まり、社会人として歩き出しました。シリーズ1話からすっかりファンになってしまいずっと読み続けてきた者にしてみれば、この時の流れと成長はうれしいような悲しいような。子供をもつ親の気持ちが少しわかったような気がします。さてこのシリーズ5冊目、ちょっと切ない感傷的な気持ちにさせてくれる文章、文体は前と同じ、さらに洗練されています。作者の趣味なのでしょう、文学や落語について筆を割き言及しているところも同じなのですが、前作、そして本書とその割合が多くなってきています。以前は謎とその解明の間に文学談議や落語の解釈があったものが、それが逆転してしまっていて、文学談議の合い間に謎解きがある感じです。ウンチクは増えますが、まず文学や落語について書きたいことがあって、それに合わせてミステリをつくっているように読めてしまい、ミステリファンとしてはちょっとさびしいですね。 | ||||
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「山眠る」の真相を隠したエピソードの描き方が好きだ。このシリーズはこれまで日常のふとした出来事を推理仕立てにして私たちにミステリーの醍醐味を味わせてくれていた。しかしこの作品では推理の結論は読者である私たちに委ねられている。そして主人公たる〈私〉は、円紫師匠の助けを借りなくても、その謎を解き、その謎に適切な行動を取る、一歩手前まで来ている。一巻目から考えると明かな成長である。私は、本郷先生親子の行く末と同時に、〈私〉の行く末についても暖かい未来を「推理」せざるを得ない。 | ||||
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読んでいてほっとするんです。「あ、世の中にはもしかしたらこんな柔らかな人間関係があるのかもしれない。」そんな、期待をもってしまいそうになる。確かにミステリであるから事件はおこるし、事件そのものは笑えない哀しい、そして皮肉な結末のものもあるけれど、それでも「人はそんなにすてたもんじゃない」そう思えるような救いがこのシリーズには必ずある。ただしそれは綺麗ゴトの帳尻あわせではなく、主人公である私やまわりの人々の日常の出来事の描写、冷麦の中の赤い一本や砂糖をまぶしたピーナツの話しなんかにあると思う。確かに本書にでてくる他人の意見を聞きたいけれど実際には照れくさくてできない文学論議も面白い。「蚊柱のいしずえとなる捨て子かな」と読んだ芥川の情や、愛しい男が虎のいる扉か、他の女との結婚がまっている扉か、どちらか1つを選ばなければいけないとしたら、というリドル・ストーリー、普通の人ならどう考えるだろう、自分の思うところをちょっと他人と話してみたい気はするし、面白いと思う。それは否定しないけれど、やっぱりこの作品の魅力はやっぱりピーナツをしけらせてしまう主人公の日常描写だと思う。 | ||||
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ついに編集者となった、社会人1年目の「私」。この本の題名の「朝霧」という話、好きです。主人公の祖父の日記に書かれていたなぞなぞのような言葉。例のように円紫と丁寧にほぐすように謎を解いていきます。明かされたとき、主人公と一緒に、謎に隠された深い思いが湧きました。最後にどーんと結実するお話です。あとは言えませんやはりこのシリーズは好きです。今後も楽しみですね。主人公はさらに魅力的になり…朝霧のかなたに何を見、思うのでしょう? | ||||
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言わずと知れた北村薫の新作である。"私"も大学を卒業し、出版会社に努める運びとなっている。 北村薫の小説には以前から文学談義が多かったが、この傾向はますます強まってきている。 しかし、それが鼻につくわけではない。北村薫特有の澄んだ文体は今も健在である。まあ説明する間でもなく傑作なのだが、多少気になるところがある。探偵役の円紫さんだ。元々完全無欠の探偵という立場をとっている人物だが、回を重ねるごとに鼻につくようになってきた。役割があまりにもはっきりしているせいか、リアリティを持った人物にみえないのだ。それはシリーズものの難しいところでもあろうし、おそろしい欠点というわけでもないが、傑作であるだけに、余計に目に付いてしまう。 まあそれでも面白い事は間違いない。読むべし。 | ||||
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