晩秋
評判
晩秋の評価:
4.00/5点 レビュー 9件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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晩秋の評価:
4.00/5点 レビュー 9件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
本書『晩秋』は、スペンサーが親代わりになって15歳だったポールを助けだしてから10年の時が過ぎたところから物語は始まる。
今ではプロの舞踏家になったポールが突然スペンサーとスーザンのところを訪れる。
ポールは、隔絶していた母とも時を経てつながりを持つようになっていた。
が、この二ヵ月ほど電話をしても留守ばかりなので心配になりスペンサーに母を探してほしいと依頼する。
スペンサーとポールは、ギャングがらみの事件に巻き込まれた男ボーモントと母パティが失踪した居所先を探し出したところから、やっとスペンサーのハードボイルドが始まり、多少は面白くなってきた。
ネタバレになるから詳しく書くことは避けるが、スーザンの元夫のおきみやげのパールという名前の犬がやたらにページを占めて描写されていてページを繰る手が鈍くなる。
スペンサーとスーザンとの会話もインテリ臭が鼻につきはじめてくるし、この二人がスノッブなのも気になり始めると嫌味になってくる。
スペンサーがパールとどこへ行くにもこの猟犬を連れて歩いて行く理由が判らないんだ、とポールに問うと、すかさずポールが「カセクシス」と言う。
「お前なら知っていると思ったよ」とスペンサーは言う。(P47~48)
読者のなかで「カセクスシ」などの意味を知っている人が何人いるだろうと思いはじめたら、こんな会話も嫌味に思うようになってしまった。
評者は、サマセット・モームの『英国諜報員アシェンデン』を読んだばかりだったから、ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズ『晩秋』を読みはじめて、どうしてもモームの人物描写や情景描写と比べて読んでしまうことになった。
やはり、モームのほうがパーカーより文章も描写力も優れていることを思い知らされてしまったのです。
人品骨格から服装、そして装身具などに至るまで、モームも『英国諜報員アシェンデン』のなかで描写することが多いが、その人物造形には観察眼(上から目線ではない)に優れていて嫌味なく読ませてくれた。
まあ、訳者の力量の差も考慮しなければならないかも知れないが・・・。
ただ本作では、スペンサーの生い立ちを知ることが出来たのが唯一の収穫であったかも知れない。
ロバート・B・パーカのスペンサー・シリーズは、『失投』など何作か読んできたが、本作『晩秋』は、『初秋』ほど良く出来た作品ではなく期待外れであった。