裁くのは俺だ
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スリリングなストーリー展開は、エンターテイメント小説の手本であり、当時流行した理由が分かる。アクションシーンの鮮やかさは、ハードボイルド小説の引き金となっただけある。この点、プロの作家としての力量から、星2つ分の値打ちがある。 しかし、当時は斬新だったかもしれない表現やストーリーも、現在では似たような小説が氾濫して、今では珍しくもなく、読者を感動させるものがない。 主人公は正義を主張するが、町の不良には容赦のない暴力を振るう。キリスト教国家では、片方の頬を打たれれば、もう片方の頬を打たれる寛容性が正義である。日本においても能ある鷹は爪を隠すという姿勢が正義とされる。日本人にも受け入れられない正義感である。 自分の言うことを聞かない人間に暴言を吐き、いい女には見境なく手を出す。この登場人物の正義とはいったいなんなのか、はっきりとしない。なによりも愛し合い結婚まで考えた人物に、「友情が絶対正義だ」として、あのような処置を行うことには疑問だ。友情よりも女との情愛を優先することは私たちの社会で多い。「正義」を主張しておきながら、その正義が独善的なものならば、辟易してしまう。この点で、星二つ減とする。 結局、人物描写が浅く、小説全体を貫く美学が欠けている。そのため、流行に乗れても、時代と共に風化してしまう。レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』には、主人公に信念があり、美学があった。ストーリーに深みがあり、情景描写も鮮明であった。その点、この小説は不朽の名作にはなりえない。 さらに、ストーリー上、次の点も重大な欠点がある。次はネタバレになるので未読の方は気をつけていただきたい。 この小説の最大の欠点は、真犯人であるシャーロット・マニングの最後の行動と、それに対する主人公の振る舞いである。 プレイボーイの主人公を心底惚れさせるのだから、シャーロットの魅力と愛は相当なものであったはずだ。ところが、主人公は真犯人が分かった時に、嬉々としており、婚約者が犯人であったことの失望感がまったくない。そして、躊躇なく射殺する。普通ならば、自らの手で殺めるのは忍びないために、警察官に引き渡す。また、頭脳明晰で大胆不敵なシャーロットが、最後に追い詰められた時、全裸になりお色気で命を守ろうとする点は、バカバカしい。主人公が惚れたのは、その真逆な性格ゆえである。主人公との駆け引きこそが最後の見どころであったはずだ。 本作はミステリーではないために、トリックや巧妙な犯罪はないが、それにしても、知能犯のシャーロットがテニスの試合中に、偶発的に主人公が離れた時に、抜け出して殺人を行うというのは知能犯のすることではない。主人公が戻ってくる時間や殺人を行うための条件も偶然性が高すぎるからだ。また、警察官と対立しているわけでもないのに(むしろ極めて友好的)、警察官が逮捕するよりも先に自分が犯人を射殺することに執念を燃やすことが、独善たる「正義」以外なにものでもない。この点、当時の時代であろうとやはり減点となる。星一つ減だ。 よって、評価は星2つとしたい。 | ||||
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ミッキー・スピレインの名声を日本で高めたのが本作。 と、言うか日本ではミッキー・スピレインの作品はこれくらいしか知られていないのではないだろうか? ハードボイルド小説と言うと今日では中々馴染みが薄いので、コアな人しか読まないかもしれないが、本書はライトな人にも是非読んで欲しい。 と、言うのも書かれた時代、それと訳者が非常に良い仕事をしている。 物語冒頭で主人公マイク・ハマーと事件の犠牲者の軽い紹介がマイクの一人称で語られるのだが、その犠牲者。 「日本兵の畜生に左腕を切り落とされた」と書いてある。 日 本 兵 の 畜 生 これ、今日ではちょっと許されない訳だろうが、私はこの過激な訳に一発で参ってしまった。 他には物語には全く関係ないのにマイクの車のエンジンが紹介がされていたりと所々で挿入される、ちょっとズレた文章がたまらない。 私は本書が(一応)推理モノは初めてだったのだが、あちこちで拳銃をぶっ放し、新聞に挑戦状を叩きつけたり、ホモのマフィアが意味もなく唐突に出てきたりと、これが推理モノ…?と思ったのは事実だが、トリックは自分の就いている仕事なら確かに可能だと目から鱗が落ちた。 現実にこんな探偵がいてたまるかと思うが、空想の世界だったらこんな無茶苦茶があってもいいだろう。 リアリティの欠片とかそんな物は関係ない、頭の悪さが本書の魅力なのだ。 | ||||
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から買った。それだけ | ||||
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ハードボイルドな口調が滑稽な気もしますが、 そこらへんは割り切るべきなんでしょう。 けっきょく途中で退屈して放り出しました。 | ||||
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戦後、世界中にハードボイルド・ブームを起こしただけでなく、様々な作家に多大なる影響を与えた巨匠、スピレインの処女作。 私立探偵、マイク・ハマーが戦友の仇討のため、コルト45片手に法律の盲点を突いた犯罪者に戦いを挑む。 今の目から見ると、ウリにしていた暴力・性描写は大したことはなく、話の展開も先が読めてしまう。 しかし、ハードボイルド作品の敷居を読者のために広くするとともに、ハードボイルド作品=暴力作品という誤った見識を広めてしまった事実は大きく、あらゆる意味で記念的であることに変わりはない。 スピレインが作品を造る際、ラストシーンから構想を練るというだけあって、ラストシーンは実に強烈。発表から60年以上たった今でも語り草となっている。 しかし、ハマーが犯人に対して事件の真相を10P以上も長々と話しているのは不自然だと思う。民法の安っぽい2時間ドラマじゃないのだから。 | ||||
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