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撓田村事件 ―iの遠近法的倒錯
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撓田村事件 ―iの遠近法的倒錯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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タイトル通り、読後にはすっきりしない感覚が残りました。ミステリとしての仕掛けや回収はいいと思うんですが、物語としては「え、そんなもん」というくらい、がっかりな落ちでした。オカルトちっくな要素をちりばめておいてからの、イヤに現実感のある展開に少々脱力してしまったんです。二転三転する事実の露見はいかにも本格ミステリといった匂いがするので、そちらを期待して読むのがいいかと思います。 | ||||
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ミステリーの部分が複雑というほどでもないが面倒くさい。ミステリーをメインにしたのがやや失敗か。ミステリーはおまけ程度にして、それ以外(人物とか)に力を入れた方が良かった。探偵キャラもあと一歩という感じ。岡山弁?は良かった。 | ||||
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学生、特に中学生がメインで登場する作品には、大きく分けると二種類ある。 ひとつは、あの頃は良かった。 また、あの頃に戻りたい、と読者に思わせるものである。 そういう作品は、品行方正というか、道徳観の正しい学生達が多数登場する。 もちろん、一部はそうではない者もいるが。 そして、もうひとつが、あの頃は嫌な時代だった。 あんな時代には戻りたくない、と思わせるものである。 本作は、この後者の部類に属する、実にいやな中学生の生態が描かれている。 まあ、これは作品のテーマ的に必然性があってのことなのだが、あまり良い感じではない。 さて、そういう背景ではあるが、本作は著者には珍しい本格ミステリである。 舞台は岡山の田舎、ということで、いかにもという横溝ワールドの雰囲気満載だ。 ただし、横溝作品よりは、メインで登場するのが中学生たちということで、ずいぶんとジュヴナイルにシフトしている感じである。 しかし、背景となっている人間関係は、まさに横溝ミステリも真っ青のドロドロ状態である。 著者が本作の執筆にあたって、横溝ミステリを十分に意識していたことは明確だし、ある点ではそれがミスディレクションにもなっている。 ただし、探偵役の造形に金田一のイメージがチラチラするのまでは、少々やり過ぎのようである。 本作のキーワードは、多分ネタバレにはならないと思うが、「ニセモノ」である。 実は・・・実は・・・というのが終盤に繰り返される。 まるで、白土「ワタリ」第四部の終盤を見ているようである。 分かりにくいたとえだが、分かる人には分かってもらえるだろう。 本叢書はけっこう力作が多く、まったくの“はずれ”はない。 本作も、伏線の張り方とその回収、そして終盤のロジックなど、ミステリとしての完成度はかなり高い力作である。 しかし、本作に登場する中学生たちに、終盤までほとんど好感が持てないままだったことが、残念である。 確かに、自分のことを振り返ると、そんなこともあった。 しかし、そんなこと“ばっかり”ではなかった。 だから、もう少し好感の持てる描写があったら、もっと評価が高くできたのだが、と思う。 ただし、この好感の持てないところが伏線として機能している。 さまざまな感情の交錯の中に、さりげなく伏線を忍ばせているのだから、何とも評価のしづらい作品である。 読後感がけっして良いとは言えないあたり、著者の持ち味なのだろう。 | ||||
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