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(短編集)
ななつのこ
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ななつのこの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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日常にひそむ謎について書いているといえば北村薫の「空飛ぶ馬」なんかと似ているかもしれません。そういえば主人公が若い女性というところも。 さて、短いお話、しかも物騒な殺人や事件ではなくささいな日常の謎解きで本書は構成されています。 思うに、長大重厚な本格ミステリは読む方もしんどい、また書く方にしてもそれより短い話なら着地点を見つけやすい、アイディアが出やすい、というところも あるのではないでしょうか。もちろんいい意味でです。 時折ナイーブな面を見せる主人公の女性に感情移入できるかどうかが、好き嫌いの分かれ目になりそう。 | ||||
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童話集『ななつのこ』は、〈はやて〉という少年が遭遇した事件の謎を 〈あやめさん〉という女性が解き明かしていく、全七話の連作短編集。 その本に惚れ込んだ短大生の入江駒子は、それぞれの短編から連想された 自分の身辺で起こった不思議な事件をファンレターに書き、著者の佐伯綾乃 に順次送っていく。 すると、その都度綾乃から返信があり、そこには、 事件に対する、“解決編”が添えられていた……。 作中作『ななつのこ』に描かれる事件と作中現実で起こる事件、そして、 「はやて‐あやめ」の関係性と「駒子‐綾乃」の関係性がそれぞれ相似形 をなす、入れ子構造が採られている本作。 はやてと駒子は、日常に隠された謎と出合い、それぞれの探偵役による解明に立ち会うこと で、人のあたかさや愚かしさ、人生の歓びや哀感に触れ、少しずつ、成長を遂げていきます。 そして、その成長という主題は、『ななつのこ』の著者の正体という謎にも響いています。 本作は、駒子のみならず、『ななつのこ』の著者の成長物語でもあるのです。 | ||||
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童話集『ななつのこ』は、〈はやて〉という少年が遭遇した事件の謎を 〈あやめさん〉という女性が解き明かしていく、全七話の連作短編集。 その本に惚れ込んだ短大生の入江駒子は、それぞれの短編から連想された 自分の身辺で起こった不思議な事件をファンレターに書き、著者の佐伯綾乃 に順次送っていく。 すると、その都度綾乃から返信があり、そこには、 事件に対する、“解決編”が添えられていた……。 作中作『ななつのこ』に描かれる事件と作中現実で起こる事件、そして、 「はやて‐あやめ」の関係性と「駒子‐綾乃」の関係性がそれぞれ相似形 をなす、入れ子構造が採られている本作。 はやてと駒子は、日常に隠された謎と出合い、それぞれの探偵役による解明に立ち会うこと で、人のあたかさや愚かしさ、人生の歓びや哀感に触れ、少しずつ、成長を遂げていきます。 そして、その成長という主題は、『ななつのこ』の著者の正体という謎にも響いています。 本作は、駒子のみならず、『ななつのこ』の著者の成長物語でもあるのです。 | ||||
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ちょっと文章の上手い素人が調子に乗って書いたような本だ。というのが正直な感想です。 適当に子供向けの絵本みたいなありそうもない日常のエピソードを書き、最後は謎解きとも言えないような勝手な謎解きでオチをつける、という雑な話がいくつも続き、よっぽど途中で読むのをやめようかと思いました。 小学生のころだったら、楽しく読めたかもしれません。 | ||||
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ファンタジーのようなミステリーのような不思議な小説、「ななつのこ」に心魅かれた短大文学部在学中の入江駒子が、その作者佐伯綾乃に生まれて初めて送ったファンレターがきっかけに、二人の間に文通が始まる。 駒子の手紙には、彼女の身の回りで起こった不思議な「事件」が書き添えられていたが、綾乃からの返書には必ず、鮮やかな推理と解決が記されているのだった…。 テレ朝の深夜ドラマ「てるてるあした」の原作者、加納朋子のデビュー作にして、第3回鮎川哲也賞受賞作。同名の小説中小説である「ななつのこ」の7つのお話を「お題」として謎が展開する短編7つから成る連作長編。 加納朋子自身が、北村薫の「私」と円紫師匠シリーズへのファンレターとして書いたらしいが、確かに、日常の謎(殺人や誘拐などではなく)を素材にしている点、主人公が女子大生(文学系)である点、探偵役がいわゆる安楽椅子探偵である点、連作を通じて結果としてビルドゥングスロマンとなっている点等で、北村作品へのオマージュとなっている。 7編中一番読ませるのは第6話の「白いタンポポ」。小説内小説である「ななつのこ」では第7話に当たる(らしい)『明日咲く花』の謎解きとシンクロして話が進むのだが、それぞれ、花の色に関わる謎を片や文学的に、片や科学的?に鮮やかに解決して見せる。物語としての面白さもこれが一番と思う。 | ||||
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内容は、もう書くまでもない。皆さんがとても素敵に紹介してくださっている。私はこの本から加納さんの作品に入ったので(もちろん表紙に惹かれて)、これから読む方も、それがいいかなと思ったりする。 私にとってこの作品が特別だったのは、お一方、簡単に触れておられたが、私が長年、不思議に思っていた北原白秋の作品の謎を解いてもらったから。何年も思い続けていまだに実現しないが、一度本物をこの目で見たいと思っている。さて、何のことでしょう(笑)。 それ以外にも、特にお若い方、ちょっとひけらかせる豆知識に満ちている。ぜひご一読を。 | ||||
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いろんな読み方ができる本だと思うけれど、「人が死なないミステリー」とか、「日常の中のミステリー」とかいうジャンル立てをしてしまうと、この本の楽しみは減るような気がする。 連作短編で、それぞれの話に決着をつけつつ、散りばめられた伏線が、最終話でまとまって、全体として一つの長編としても読める、という構成も確かに見事だが、その点だけに目を奪われてはいけないように思う。 この本の魅力は、主人公の駒子さんの、しっかりしているようでふわふわとした、夢見がちのようで現実も忘れていない、やわらかい存在感が支えているのではないかな。 駒子さんと友人たちとの、自然体のユーモアがただよう学生生活には、現代には存在しないような、でも、ほんの少し前に自分が体験し、あるいは目撃したような、不思議な既視感がある。 そういう「ほのかなノスタルジー」とでも言うべき雰囲気が、作品全体をシアワセなものにしている。これが1992年の作品で、現代から見て微妙に過去だということは、本質的ではないだろう。書かれた当時からこの「ノスタルジー」はあったはずだし、10年後に読んでも変わらないはずだ。 その雰囲気の中で、駒子さんが体験する日常の謎が、作中の「ななつのこ」という童話の話と微妙にオーバーラップし、最後に童話作家からの手紙によって、たぶん正解の「謎解き」がされることで、静かな感動が心に広がるのだと思う。 謎解きの部分は、文句なしに論理的で、雰囲気に流された解決でないところも素晴らしい。最終話で話をまとめるために、各話の結末を曖昧にした部分もあるし、謎解きの手紙の主が、駒子さんの手紙だけで推理していない「ルール違反」もあるが、それは、この作品に関しては欠点とは言えないだろう。 | ||||
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連作短編集の名手、加納朋子のデビュー作。 彼女の作品は、連続殺人とか世間の注目を集める大事件などではなく、日常のささやかな謎を読み解く作品が大半を占める。実際、彼女の作品で殺人が起きるのは、推理作家協会賞(短編部門)受賞作の「ガラスの麒麟」ぐらいではないでしょうか? 本書はとくに、主人公の女子大生・駒子が天真爛漫というか、とぼけた味のキャラクターで、作品全体が明るく読みやすく、その中でもとくに「白いタンポポ」という短編がとても味わい深いです。 | ||||
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今まで謎解きにワクワクするミステリーや展開にドキドキするミステリー、恐ろしいミステリーなどは数々読んできた。中には悲しいミステリーというものもあった。そして、優しいミステリーというものがあるということを、本書で初めて知った。 本書には、ミステリーの中では当たり前な殺人事件とか暴力的なシーンなどが一切なく、まさしく女子大生の日常生活を普通に描いているだけである。その普通の日常の中に、つぶさに観察するとささやかなミステリーが隠れている、というのが本書である。 だから本書を読むときは、本格ミステリーを読むときのように気合を入れて「よし、見事に謎を解き明かして見せよう」などと意気込まず、気軽に物語を楽しむのが良い。そうすると、作者が描き出す日常の中の優しいミステリーに、ごく自然に向かい合えるのである。 その作者が描き出す7つの優しいミステリーの中でも、主人公・駒子と真雪という女の子のサマーキャンプでの交流を描いた『白いタンポポ』という話は、ミステリーとしても物語としても秀逸である。 | ||||
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この本の主人公は19歳。ある日、本屋さんで、表紙に惹かれて手に取った1冊の本を購入します。その本のタイトルは『ななつのこ』。 はやてという少年の身近で起こる小さな謎をあやめさんという女性が解くお話です。 そのお話を読んだ主人公は、作者にファンレターを出すのですが、この主人公、一風変わっていて、ただのファンレターではなく、自分の 身近なところで起こった謎を書き送ったのです。 そして、それがきっかけで、作者と文通のような手紙のやりとりが続くのですが、ただ単にそれだけでは終わらず、7つある物語の最後で、 ちょっぴり驚くような種明かしがされます。 物語のひとつひとつのエピソードが、とても温かく、そっと心に残るので、読了後、ほんわかした気持ちになれます。 | ||||
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『ななつのこ』です。連作短編という形で、推理というよりプチミステリーという感じ。短大生イリゴマが、作家にファンレターを出し、そのやりとりの中で、日常で遭遇する小さな謎を解決して行きます。 日常描写が生き生きしているし、イリゴマの思考経過が面白く書かれているので楽しく読めます。 表紙と、各作品のトビラについているイラストが雰囲気を出していました。 最後の一作で、この本としての総括的ネタバラシをするのですが、そこだけがさすがに説明的で、展開もご都合主義的に感じました。 全体としては面白かったです。白秋の白○○○○ネタが良かったです。 | ||||
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本書が最初に出版されたのは1992年だから、もう12年も昔のことになる。加納朋子もベテランに分類されるようになったわけだ。しかし、本書を読むことは、その出発点を確認する以上の意味がある。ミステリとして純粋に面白いのである。トリックそのものはレベルの低いものが多いが、むしろ、どうしようもないトリックを活かす技術に感嘆させられる。全体に大枠をつくったり、伏線を張り巡らせたり、作中作を用いたり。それによって欠点が隠され、作品としての完成度が高まっているのだ。 この手法は、その後、「連作短篇」という形式となって多くの作家の採用するところとなる。著者自身も多用していく。しかし、逆に連作ということに引きずられてしまったものすらある。そのあたり、本人も含めて『ななつのこ』に回帰して欲しい。 | ||||
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七本の短編からなっている一冊で、それぞれが独立した謎を抱えています。一つ一つの謎は些細なものからスケールの大きいものまで様々ですが、どれも日常に溶け込んでいそうなものばかりです。自分でも似たような謎が見つけられるような気がしてきて、読了後は外に出て自分の「謎」を探してみたくなりました。少し大げさに言えば、世界の見方が変わった、とも言えるでしょうか。 どの謎解も話の結びになると微笑ましい気持ちになりました。その雰囲気こそ、この作品が大好きな最大の理由です。程よい温かさと優しい空気が物語全体を包んでいる感じで、一話ずつ大切に読み進んでいきました。 最初から最後まで、同じ空気がゆったりと流れている気がして、読んでいて心地よい一冊です。 | ||||
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駒子シリーズ第一作。 駒子が、偶然手に取った絵本の著者佐伯にファンレターを書くことに。 しかし、それはただのファンレターではなく、日常で起きた不思議を書いたものでした。 絵本では、主人公のはやと君が出遭った不思議なことをあやめさんが解いていくのですが、それと同じように駒子の不思議も佐伯さんが解いていきます。 ちなみに、返信された手紙では謎は解いてはいるのですが、そこで話は終わってしまうので、それが本当だったかまでは書かれていません。 そこは、多分当たっているんだろうなというのと、あとは読者の想像にお任せしますという意図もあるのでしょうか・・・。 ひとつひとつが完結されているのですが、最後「ななつのこ」を読むと、それがぐっと繋がることになります。 優しい感じの文章で、話も事件といいつつも、最初以外は殺人とかではなく日常の些細な疑問という感じで温かいものが多いです。 身の回りの日常にも、私だったら気に留めないという感じのものが、事件になってしまうんだなという驚きがありました。 | ||||
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表紙に惹かれて購入しました。 読み始めると止まらなくなって、一気に読みました。 話の運びがとても丁寧で、途中で飽きることはありません。 謎解きですが、それは作中に出てくる作家、佐伯綾乃という人物に任せて、読者は主人公駒子とともに、ゆっくりとそれを聞くことができる感じです。 女性が書いたとわかる、優しくて温かい本です。 | ||||
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話は、駒子が「ななつのこ」の作者、佐伯綾乃にファンレターを出したところから始まる。綾乃は、駒子の手紙に書かれている日常のちょっとした謎を、手紙を読むだけで解決してしまう。だが、その謎解きが本当に的を得ているものなのか、最後まで描かれてはいない。読むほうにしてみれば消化不良の思いが残る。作品の構成も面白いとは思うが、読んでいて退屈な面もあり、のめりこむほどにはならなかった。ラスト、この作品に登場する真雪ちゃんについて。彼女の年令は、作者が意図したものなのか?きっとそうに違いない。 | ||||
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鮎川哲也賞を受賞した加納朋子のデビュー作です。女子大生・駒子は『ななつのこ』という小説を読んで気に入り、その作者にファンレターを書きます。その手紙の中に自分の日常生活に起きた謎を書いたところ、作家本人から返事が来て、そこには作家が推理したその謎に対する解答が書かれていたというストーリーです。駒子と作家は文通のようにやり取りを続け、作家はその度に駒子が頭を痛める謎に見事な解答を与えてくれます。 日常に起きる謎だから、もちろん殺人事件のような大袈裟なものではありません。しかし、その謎に悩む駒子から見るとそれらの謎の多くは、その裏に誰かの悪意が潜んでいるように思わずにはいられません。しかし、作家の謎解きを読んだ後には、その誰かに対して暖かい気持ちを抱いてしまいます。そんなスタンスがとても魅力的だと感じました。僕たちの日常でも、他人の言動に悪意が込められているのではないかと疑心暗鬼になってしまうことがよくあります。そうした疑いも、きちんと謎解きをすれば暖かい気持ちに取って代わるのでしょうか。 | ||||
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はじめは、表紙の美しさにひかれて手にとったのですが、中を読んでみると、表紙にぴったりな、とっても心温まるほんわかしたストーリーでした。ミステリーといっても、殺人や窃盗などの事件が起こってそれを解決するという話とは全く違います。題材は日常の中でいつもは見過ごしてしまうような小さな「謎」。そんな日常の「謎」が、あざやかに解明されていく気持ちよさ。それに謎解きには、加納朋子さん独特の人間に対する温かさがあふれていて、読んだあとは、ほのぼのとやさしい幸せな気持ちになれると思います。構成は短編集ですが、最後には全体がひとつの物語としてつながります。全部読み終わった後、もう一度読み返したいと思いました。「謎」はすっかり明らかにされてしまったにもかかわらず。それは作品全体に広がっている温かい雰囲気がなんとも心地よかったからだと思います。この本を読んで、すっかり加納朋子さんのファンになってしまいました。ミステリーは苦手だという人にも、ぜひ一度読んでみて欲しい一冊です。 | ||||
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ファンタジーだけど、甘すぎない。読み終わったあと、あたたかくなれます。私の心に残る一冊の本はこれです。読んだまま心に響かせることができる純粋な目で素直に読んで欲しいと思いました。 | ||||
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~ときにわたしたちは平凡な人生を嘆いたり、波瀾万丈を望んだりします。でもほんとうに、わたしたちの人生は平凡なのかしら。もしかしたら、目が開いていないだけなのかもしれません。この本の最大の魅力は、日常の出来事に目を開いて、感性というアンテナをはり巡らしてせっせと生きている主人公・駒子のココロの有り様にあるのではないかと思います。~~物語は典型的な安楽椅子探偵の形式を取っているものの、構成はこれまでに類を見ません。短編集の中に、別の短編集が入れ子状態になっているのです。そして、どちらの短編集にも安楽椅子探偵が登場します。ふたりの安楽椅子探偵が、それぞれの短編集の中で、謎を解いていきます。最後まで読み進めると、これはほんとうに短編集だったのかしら、と、そんなふう~~にも思います。表紙の男の子と女の子。男の子は作中で明かされます。では女の子は? それはそれはすてきな謎が最後に残されたようで、読後はまた表紙を眺めてしまいました。~ | ||||
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