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(短編集)

ななつのこ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ななつのこ
ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこの評価: 3.98/5点 レビュー 43件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.98pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 1~20 1/3ページ
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No.43:
(4pt)

ファンタジックな日常系ロマンミステリー

人によってはご都合主義ともとれる、大雑把な展開もあるが、そういうのも含めてファンタジー的な日常というか、「こういう世界もあっても良いんじゃないか」的な雰囲気の物語が楽しめます。
主人公の駒子に軽い苛立ちも覚えることもあるかもしれません。ただそれはある意味ビルディングストーリーとして意識的に置かれた幼さだと思います。未完成で好奇心旺盛で夢見がちで純粋で意外とたくましい、そういう良いキャラクターになっていると思う。北村薫の「円紫さんとわたし」の「わたし」は純度の高い文学少女を書いたのに対し、今回の「駒子」はもう少し地のついたある種現実的な女性なのでその欠点も含め感情移入しやすかったです。

各エピソードには面白さのばらつきがあると思う。
個人的に出色だったのが「バス・ストップ」と「白いタンポポ」。

バスストップ
教習所で上手く行かなく自堕落な夏を過ごす駒子。
はじめて会う男性に「自動車用語」を自慢げに説くあたり、リアルな「青さ」があって良い。
金網越しに何かしている老婆と少女。
その謎が極めて社会的な問題にふれながら、あくまでも作中では「情」の問題として扱っているのが好き。

白いタンポポ
作中の人の描き方の深さが、このエピソードが一つ抜けている。
「お姉ちゃんはね」と自分を呼ばないで「わたしは」と子供に呼びかける駒子の不器用な純粋さが、子供にも響いたに違いない。駒子自身の成長も感じられる。
そうした話を、文通のエピローグで、「知」として「白いタンポポ」とはと新しい視点(発見)を与えつつ、美しく着地する締め方も含め、素晴らしい。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347
No.42:
(1pt)

子ども騙し 中高生が書いた作品

受賞作ということで期待して読んだが、期待外れだった。
 あまりにもご都合主義であり、物語だから許されると言えるレベルを超えている。
 また作品の本筋に関係のない描写や比喩表現が多く、作者は己の表現力を見せつけたいだろうことだけが透けて見えて、鼻につく。
空をこえて七星のかなた から加納作品に入り、空を〜のときにも同様の感想をもった。
1作品で断じてはならぬと、ななつの子を読了したが、全く同じ感想に終わった。
 ななつの子に至っては途中で投げ出したくなり、何度も閉じかけたが、
我が家の近くにある、今はなき町田東急百貨店のプラネタリウムが出てきたことに懐かしさを感じ最後までなんとか読み切った。
 しかしもう二度と彼女の作品に手が伸びることはない。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347
No.41:
(4pt)

日常に潜む小さな謎と奇跡を描く心温まるミステリー

敬称略

『ななつのこ』は、加納朋子による魅力的なミステリー小説?。

この作品は、複数の短編から構成され、それぞれが微妙に絡み合いながら一つの大きな謎を解き明かしていく。

加納朋子の筆致は非常に緻密で、読者を引き込む力がある。

特に、キャラクターの描写が秀逸で、読者は登場人物たちの成長や感情の変化をリアルに感じ取ることができる。

子供たちの視点から描かれる物語は、純粋さと素朴さに溢れており、大人の読者にも新鮮な感覚を提供する。

また、各短編は独立して楽しむことができる一方で、全体として一つの大きな物語を形成している。

この構成は、読者に対して適度な緊張感と満足感を提供し、一度読み始めると止められない魅力を持っている。

加えて、伏線の回収が巧妙であり、最後に全てが繋がる瞬間には感動が訪れる。

『ななつのこ』は、日常の中に隠された小さな謎を楽しむことができる一冊。

ミステリー好きにはもちろん、温かい人間ドラマを求める読者にもおすすめ。

加納朋子の世界観を存分に堪能できるこの作品は、読後感も爽やかで、心に残る一冊となる。
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No.40:
(5pt)

日常の謎を美しく描く

ミステリーのジャンルとして定番となっている日常の謎
謎解きは好きだけれど、殺人などの事件性を好まなかったり
文学寄りの趣向を持つ方には好まれる一冊と思います
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.39:
(5pt)

心穏やかに

なんとも気持ちがよく
それでいてミステリアス
そしてえっ!と驚く事も入れてある
絶対読んで損は無いと思う。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.38:
(2pt)

複雑にした割には。。。。。

本書のタイトルは「ななつのこ」。そして作中作として本書とは別の「ななつのこ」が出てくる。
主人公駒子は本屋で「ななつのこ」と言う本を購入し、大変に気に入る。その「ななつのこ」には七つの短編が収められており、はやてと言う名の主人公が何かしらの事件に遭遇し、それを病気で療養しているあやめさんと言う女性に相談すると、あやめさんは安楽椅子探偵のごとく、部屋に居ながらはやて少年に謎の解決を授ける。

そして本書も当然七つの短編。その一つ一つが本書内に登場する別の「ななつのこ」に対応する様な事件が主人公駒子の身の回りで起き、駒子はその作中作である「ななつのこ」の作者綾乃に出したファンレターに駒子の周りで起こった事件を書き、ファンレターを受け取った綾乃は、同じく安楽椅子探偵の様に駒子への返信で事件の解決を授ける。

面白かったのは、この作中作と本作をわざと同名のタイトルにし、内容も主人公が安楽椅子探偵役に相談して事件が解決すると言う手法。
しかしそれ以外は全く面白くない。どの事件も無理が有り過ぎる。お寺の住職が地域の何人かに子猫を引き取ってもらったが、それが全く同じ日に居なくなった話など、読んでいて呆れてしまった。

また、主人公駒子とその友人との会話もむず痒さが残る。本書の作者加納氏は朋子と言う名前の通り女性だし、履歴を見ると女子短大卒なので、まぎれも無い女性なのだが、自分には女性に縁の無い男性が憧れで書いた様な会話の様に感じた。
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No.37:
(2pt)

小心者インテリの処世術

オーディオブック版の配信、ネームバリュー、大崎先生の『平台がおまちかね』の「ときめきのポップスター」で作中書店員達のオモチャ(売出品の陳列に対する遊び心として)になった作品として。
書店で椅子に座り「スイカジュースの涙」を流し読みで一気に読み終え「読める」本なので、この際全部読んでみようかと購入。

身の回りの事象に作家「綾乃さん」への作品感想に混ぜた手紙で私事を明かし謎を推理してもらう話。謎の概要を知りたければ各章終わりの数ページだけを見ればよい。主人公自身の手紙の内容は一「スイカジュースの涙」、七「ななつのこ」後日談以外は基本的に省略。本編以上に主人公自身が綾乃さんへ宛てた内容を推理してみるのも一興かもしれない。

「こんな長い手紙があるか」という趣旨のレビューで故人が寄せた手紙の寄せ集めという体の『若きウェルテルの悩み』を思い出した。読者は、まず手紙自体が架空の、読み物としての手紙、手紙という形をとった小説という認識を持たなければならない。
身の回りの悩み相談だけあって「若きウェルテルの悩み」のような、あえて長文である書き手の切実さも、編者の断りの下に手に取った読者が遺書の緊迫感を感じながら読み進めることもない。
所詮は女の子の長電話、のようなもの。長いので意味があるかと思えば当事者でこそ深く考えていないし下手に追及すると逆ギレ、ヒスを起こす。

謎に対する主人公の位置付けは第三者(野次馬)なので、主人公自身は容疑者リストの「この中」に入ることさえない。
同情しているようで、どこか他人事の主人公が、果たして作品感想の手紙に混ぜた私事程の思い入れを抱えていたのだろうか。
蝶と蛾をくっ付けてキメラだ、という「水色の蝶」オチに西洋の昔話が出てくるなど、あくまで犯人の無邪気に相容れず、女学生の学問上の理屈付けとしての理解だと不快だった。相手に相容れぬところを保身から識者に投げて理論武装しようとしているだけだろう。少年漫画/アニメ/戦隊ヒーローの人形遊びが好きなお子さんを必死で理解しようとしている教育ママの心理内容だ。

ラストオチ、読書中に『若きウェルテルの悩み』が過っただけに私の本書結論は決まった。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.36:
(3pt)

技術に優れオリジナリティに乏しい

よく工夫しているけど、既視感溢れるほんわかミステリーでした。
 実際にこんな長い謎かけの手紙をもらったら、読む方はさぞ「ウザイ」でしょう。人との出合に偶然が過ぎるのもミステリーとしては弱いです。
 私にとっては、何年間かに1冊くらい読むがなかなか連続買いに至らない作家さんです。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.35:
(1pt)

ご都合主義

登場するすべてのエピソードが、強引にオチに結び付けられる。
「どうせこういう結末だろう」と簡単に予測できるうえに、ストーリーの
展開も不自然。用意した結末のために無理やり用意したような出来事の数々。
主人公の女の子の行動も愚かすぎて、納得感もない。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.34:
(3pt)

構成も凝っているしなかなかよく出来た小説だと思うんだけど、後味が悪い

何というのか、、少しダークな底意地の悪さを内包していて
各エピソード読後の印象はあまり良くない。
もっと温かくてほのぼのしたものを想像していた。
(以下ネタバレあり)
親子泥棒とか、友人のペットを轢き殺して死体遺棄とか、、。
それで解決としてあっけなくフォローもなく各章が終わる。
後味が悪い。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.33:
(5pt)

作家(安楽椅子探偵)と読者(依頼人+助手)の奇妙な関係

大崎梢の作品で取り上げられていたのをきっかけに本作を入手。
短大生の入江駒子が導かれるように手に取った作中作『ななつのこ』。それは田舎に住む少年・はやてが
経験した不思議な出来事に、療養所(サナトリウム)暮らしをしている女性・あやめさんが推察を繰り広げる
という連作短編。時を同じくして駒子の周囲で起きた不思議な出来事を彼女が『ななつのこ』作者である
佐伯綾乃という人物にファンレターの形で送ったところ、作中のあやめさんよろしく推察が返事で
来るようになり……というおはなしであり、ある意味において『日常の謎を解く安楽椅子探偵』を描いた
連作短編である。
いなくなった犬と道路に点々とした血に対する盗まれたスイカ、入れ替わった絵に対する金色鼠、
七年ぶりに広島から帰ってきた写真に対する消えた青い絵の具、米軍住宅の柵にいた祖母と孫に
対する水色の蝶、新宿まで30キロほどの距離を移動した恐竜に対する竹の花咲く老いらくの恋、
白いタンポポに対する赤と青のアジサイそして鉢が2つから4つに増えた歯科医院のペチュニアに
対する同時に消えた7匹の子猫と、駒子の周囲で起きた出来事と作中作がリンクしていることも
さることながら、それらの話の節々に登場する伏線(具体的には何かは言わないでおこう)が最後に
一つにまとまると同時にどうして作者が駒子に返事を書くようになったのかが明らかになるくだりに、
これが一般文芸ではなく創元推理文庫というレーベルから出ていることを思い出させてくれる。
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No.32:
(5pt)

七つの子

推理小説というよりは懐かしさを感じるストーリーでした。心がホッコリしました。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.31:
(5pt)

面白い!

一気に読んでしまうのがもったいない位、面白い本です。一話毎に次のお話が楽しみで、本を読み終えるのが残念な気がしました。
また最初から読むと思います。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.30:
(3pt)

「ささらさや」↑↑からななつのこへ↓↓

ささらさやとは同じ著者とは思えない…。
でも書いたのは昔っぽいので、まだ作風が固まってなかっただけかも?

ただ、ささらさやであれだけ好きになった表現の数々が、こちらでは皆無。
何度も「なに言ってんの?」ってなりました。

あやめさんの推理も、手紙の文面だけであそこまでわかるのはいくら何でも不自然。

日常系ミステリーだけど、これまた流れが不自然。

その日常の内容自体も退屈で、ミステリー部分も退屈。

何かしら事件があって、あとはどーでもいい内容でページを埋めて、話に動きがない。
そして、頃よいページ数に達したらあやめさんに手紙を書いて推理させて、終わりのくりかえし。

ささらさやと、てるてるあしたを読んで「この作家は間違いない!」と思って、この人の本いっぱい買いそろえたけど、
早まったかもと思っているところです…。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.29:
(2pt)

日常の謎ゆえに退屈で、日常の謎にしてはリアリティに欠ける

<はやて>少年に日常の謎を解決してみせる<あやめ>さんが登場する作中作と、その作者が主人公駒子の日常の謎を解決するという二重構造の連作短篇集。連作短編集という体裁も含めてこの小説の構造自体がトリックであることが最後に明かされる。

ただ全体的に稚拙でぎくしゃくした印象を受ける。たとえば第三話の冒頭、亡くなったクラスメイトの机の虚無感を表現するのに満員電車のひとつ空いた席を対比させるところなんぞ、まるで女子大生がなんとか原稿用紙のマスを埋めようとしてひねり出したようなぎこちなさを感じる。あ、書いているのは小説家加納朋子ではなくて短大生入江駒子ちゃんだから、それはしょうがないのかも。

それから<あやめ>さんがさあいざ解決、というだんになって、もったいぶってその解決編を<はやて>だけに耳打ちし、読者にはすぐに明かさないところに腹が立つ。あ、だがこれは小説家加納朋子のせいではなくて、作中作の作者佐伯綾乃のせいだからしょうがないのかも。しかしそれにしても、佐伯綾乃の解決編にも腹が立つ。特になんだあのブロントザウルスの巻の子どもが考えたようなうそ臭い解答は。うーん、だがそういった腹立たしいことも含めて、実はトリックの一部であることが最後に明かされるのだが……、だが、不思議とカタルシスは得られない。日常の謎というわりにはリアリティ感に乏しく、日常の謎ゆえに退屈な作品。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.28:
(5pt)

爽やかな余韻・・・

もう何作も朋子さんの作品は読んでます。←とにかく文体・表現が好き!
駒子シリーズの第一作目。
ちょうどジーン・ウェブスターの”あしながおじさん”を思わせる(僕にとっては)感じ。
途中から”あしながおじさん”の正体も、あっこの人!とか だいたい分かってきます
が、駒子シリーズ全体を通した表現のリズムの様なものがあるので、シリーズ全作品
を読まないと余韻にたどりつけません。
シリーズの原点として、いろんなとこにちりばめられたヒントを忘れずに良く覚えて
おきましょう。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
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No.27:
(4pt)

たおやかで豊かな、言葉あそび

「ななつのこ」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
私は「行きは良い良い、帰りは怖い」からホラーっぽい展開を予想して読み始めましたが(単行本の表紙はそういう雰囲気があります)、予想とは裏腹の、たおやかな物語でした。

短編に擬態した七つの章で構成される、長編小説です(こういうのは連作短編と言うのですか?)。 
三章までは、「盗人にも三分の理」的な、心の機微に触れる小話、落語の枕みたいな話が続きますが、四章「バス・ストップで」から「ぐうぅ〜」っと、静かな引力で引き込まれていきました。

そして第六章。「白い〜」で登場する女の子が、僕には「もう一人の主人公」のように思えます。
多くの人には理解されない、ある種のナイーブな子ども__あるいは大人ででもそうかも知れませんが__と接するとき、彼・彼女の傍らに、最初はただ「居る」だけしかできないことがあります。そこから、彼らと同じことをするとか、問わず語りでこちらの話をしてみるとか。そんなことをしながら友達になっていく、ということしかできないことがあります。正面からでは、はじき返されてしまうことが…
本章を読みながら、僕は「そうなんだよね」と、心の中でうなずいていました。自分も昔、難しい子どもだったと思うのですが(妻いわく今でも)、作者にもそんな感性を感じて、親近感を覚えました。

終章。いささか、都合良く話を進めてしまった感はありますが、「腑に落ちる」(この表現も、日本語としてなじんできてしまいましたね)ところに落ち着く、たおやかなカタルシス(うーん、日本語で言い換えると「心洗われる感じ」か?)を、素直に受け入れることにしました。

優れた先達から受け継がれる日本語の、豊かな「言葉あそび」の世界。尊敬しつつ、それらを上手に引き出してきた著者の、たおやかな感性に拍手。
特に、これから教職につきたいと思っているような若い人には、是非とも読んで欲しいと思います。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347
No.26:
(5pt)

とてもかわいらしい

加納朋子ファンとしては、恥ずかしいことに、デビュー作品をやっと読むことができました。
主人公 駒子が、とても可愛らしく描かれていて好感が持てるのは、やはり加納作品だからなんでしょうね。
駒子の日常に対する疑問や、驚きは私にも思い当たる部分が多く、他人とは思えないくらいに共感出来ます。
だからかもしれませんが、加納さんの作品は全て面白く、好きなのです。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347
No.25:
(4pt)

やさしい謎解き

やさしい気持ちになれる謎解きです。
この作品では、殺人事件や、誘拐事件が起こるわけでもない。
日常の中で起こる謎解きを、読者と作中作品の『ななつのこ』の著者の間のファンレターとその返事による往復書簡の中で解決するという、ちょっと変わったミステリー。
構成でいえば、7編の短編連作の形式になっていて、作中作品の『ななつのこ』の1話ずつと内容がリンクしているのもおもしろかった。
さらに言うと、全編を通じての謎解きが、大きく1つ仕掛けてある。よくよく考えてある構成だなと感心しました。
各話謎解きが一回の往復書簡の間でされ、さらに言えば何が謎なのかも最後まで分からないなど、自分で謎解きを楽しみにしている向きには面白くないかもしれない。
ただ、全編が優しい気持ちで書かれているため、優しい解決が示されるとホッとできる。
こういった優しい謎解きはもっと増えて欲しいなぁと思います。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347
No.24:
(5pt)

ささくれ立った気持ちのときに・・・

この本の事を知ったのは、大崎梢著の「平台がおまちかね」の話の中でです。
出版社の営業が薦める他の出版社の本の中のひとつとして、取り上げられていました。
他の作家さんが、お話の中でとはいえ、薦める本というものに、興味を持って手に取りました。
大好きな本のファンレターから、文通が始まり謎への解決に至る…
ミステリーと言うには、あまりにも身近な謎で、自分ならきっとスルーしてしまうような事が、
きちんと解決されて、なんだかすっきりしてしまいます。
最終話では、一話完結の短編がきれいにつながり、ほのぼのした気持ちになります。
ちょっと、ささくれ立った気持ちのときに読むと、自然に笑顔になれるお話です。
ななつのこAmazon書評・レビュー:ななつのこより
4488023347

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