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忠臣蔵元禄十五年の反逆
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忠臣蔵元禄十五年の反逆の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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池上冬樹の「ミステリベスト201」での評価が高く、忠臣蔵マニアとしては是非読んでみたい、と思いつづけていましたが、図書館はおろか古書店にも見当たらず。ついにamazonで検索したところ、あっさり入手。ネット時代はありがたい。 サスペンスとしてはやや冗漫で「筆者の最高傑作」という川出正樹の評価には「?」が付くが、一つの忠臣蔵モノとしては十分面白い。そして歴史資料を通観できる機能もあり、流石、井沢元彦の真骨頂! | ||||
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冒頭の殺人未遂事件の真相は、最後の方の付け足し的な分量と説明でしか解明されず、本書の大半は忠臣蔵が実は将軍綱吉殺しをテーマにしたものだったことを、様々な資料を登場人物が検討して解明していく感じで全体が進む。あまりノンフィクションは読まないので、若干冗長な感じはあったが、著者が他のところで示されている歴史の谷間に歴史の真実がある、っていうようなことをノンフィクションを通じで説こうとしていることがうかがえる一冊であった。 時々著者の蘊蓄も垣間見まれて面白いのは面白かった。たとえば、 〇条件がそれぞれ矛盾していると、それらを満たすものは「無い」と断言ができる。 〇切るより刺す方が殺傷確率は高いのになぜ切りつけたか?+浅野は十分に吉良を殺すゆとりはあったはず(乃木大将言)・・・が疑問の赤穂事件(フィクション名:忠臣蔵) 〇輪廻転生=人間は永遠に死なない=エネルギー不滅の法則・・・みたいなもの 〇実証主義=文献偏重主義:日本の歴史学者が明治以降伝統的に身に付けた問題で、明治初期のお雇い外国人フリードリヒ・リースが日本の史学の基礎を気付いたとされるが叩き込んだ考え方。リースの考え方は西洋式で日本には当てはまらないことが多いのにも関わらず! 〇民俗学は体系化されていない。・・・そこが日本的 〇江戸時代にも検閲みたいなものはあった 〇日本でも、家系図に女性の名前が出ない・・・妾の子供が多いから? 〇大樹(だいじゅ)=将軍 〇俗説だが、綱吉と同時代の水戸の光圀公が綱吉を諫めようと領内で犬狩りを行いその皮を這いで送りつけたことあり 〇田畑を襲う害獣である猪や猿や兎は退治する対象だったがそれができなかった鷹匠や漁師 〇元禄当時は大坂の方が文化先進地帯で芝居なんかは江戸は大坂(反幕・反江戸的風刺多し)から移入するしかなく、江戸の出版物数が逆転したのは天明4年1784年 | ||||
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よかったです | ||||
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昔大好きだった作家で、今でも古代史における怨霊信仰の影響、あるいは田沼の評価など同意できる点は多々あるんですが、 この人、関心の濃淡によりあまりにも通説に対する態度の差が大きすぎるのが気になる。 関心が濃い事柄に関しては、一次資料に基づいた通説すら、資料至上主義と批判し、独自の見解を展開し、そこには学ぶべきもの、触発されるものが多いのは確か。 例えばこの本においての浅野乱心説、それを認めない幕府に対する大石の抗議としての討ち入りという流れの赤穂事件解釈は説得力もあれば、十分納得できる。 ただ、仮名手本忠臣蔵に関しては?おそらく綱吉にたいしてはほとんど関心がないんでしょうね。だから生類憐みの令を出した悪将軍という通説をそのまま鵜呑みにし、資料に目を通すどころかほとんど思考停止状態。 で、作品中の人物に「(前略)しかし、人妻を犯したというのは嘘ではない。柳沢以前の最大の寵臣牧野成貞の妻と、その嫁いだ娘を、両方とも犯したという事件がある。これは三田村えん魚の考証にもあることだから、まず事実だろう」(P275)なんて恥知らずにも語らせる。 三田村の考証だから事実?WWWWWWWWWWWWWWWWWWW 資料批判主義を批判する人物が、明治になってから書かれたなんの根拠示されない噂話の集大成を事実?WWWWWWWWWW たった、一文この一文でものすごく気持ちがさめました。 ただ、ネットで数多く見られた、意地でも浅野乱心説を否定したい皆さん、じゃあ、いじめを第一次資料で証明してください、大石だって「事情があったのだろうか」と推測しかできなかったいじめを | ||||
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歴史ミステリーの傑作である。史料や先人の研究成果を押さえながら展開される論理は、緻密で感嘆させられる。 あえて苦言を呈するとすると、仮名手本忠臣蔵の考察が長すぎるのと少し説得力に欠ける。もっとも、「明智軍記」の"信長"は、実は、綱吉(酒にだらしなく、家臣の奥方に平気で手を出す)であるという説の自分には興味深かったが・・・。 梶川与惣兵衛日記に言及しながら、何故、追記に言及しなかったのか?梶川与惣兵衛は、追記で明らかに、浅野内匠頭を止めたことに、後ろめたさを感じている。筆者は、しばしば、場面を現代の会社に置き換えて説明するが、江戸時代の武士は現代のサラリーマンのようには考えない。さらに、吉良上野介の領国政治が良かったことをもって吉良上野介が人格者であるかのような結論を出しているが、吉良上野介が傲慢で周りから嫌われていたことは同時代の 公家の日記を読めば明らかだ、加えて上野介が領内で行った治水工事は金の出所が不明である。ここらあたりは、野口武彦さんの「忠臣蔵」(ちくま学芸文庫)が参考になる。大石内蔵助は、吉良上野介にも腹を立てていたのだ。しかし、この本は、歴史ミステリーとしては最高傑作の部類に入る。復刊を望みたい。 | ||||
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日本人が大好きな、「忠臣蔵」であり「大石内蔵助」である。 怨霊史観を駆使する気鋭の井沢元彦が、小説の形をとってその仇討ちについての「驚愕の事実」を解き明かした作品である。 ここではめずらしく怨霊史観を用いず、「仮名手本忠臣蔵」を解体し、「事件についての事実」から切り離す作業から始めて(ここが非常に長いのだが)、史料から推定される「浅野内匠頭の健康状態」と「他の事件との比較による本事件についての幕府の裁定の正否」について解説していく。 結論として、「将軍綱吉は、生母の名誉な日を汚した浅野にいたく立腹し、腹立ちまぎれに理性的な判断をせず過重な罰を下し、それが大石らの【不当な裁き】への恨みを買った」のが「仇討ち」であった、としている。 浅野の健康状態についても、その食事や睡眠などの生理的行動から推し量るあたり、斬新であるし、おもしろい。 「メシをたらふく食ったうえお代わりを要求した」とか、「死ななければならないのに落ち着き過ぎている」とか、それが必ずしも「乱心」の証と言えるかどうか、難しいところである。井沢はさらに、「イジメの事実などなかった」ことを解き明かしたうえで、「イジメられていないのに切りかかるというのは乱心でしかない」としている。得意の「逆説」がここでも活躍。 この本を読んで最も驚くべきは、大石という人が「殿をいじめた相手」でない、と知っていながら「仇があるふりをして」討ち入った、というところである。井沢説によるなら、途中までは、「乱心」を強調してお家復興運動を続けていたが、あきらめて「乱心」を引っ込め正当な「仇討ち」にすることにしたのだ。 吉良にしてみれば、ほんとうに災難であり、大石は極悪人ということになる。井沢説が正しければ、こんな大それたことをした大石の動機は「将軍綱吉に対するケジメ」だったのである。…これが大石をはじめ当時の武士の「行動論理」だったということになる。驚きだ。 | ||||
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日本人にとってあまりに有名な「忠臣蔵」。しかしその内容は戯曲「仮名手本忠臣蔵」に引きずられ過ぎ、「赤穂事件」の真相を誰も見ようとはしない。本作品は史実と戯曲の違いを分析した上で、「赤穂事件」の真相に迫った名作であると思う。大石が本当に「反逆」したかった人物とは…それは読んでのお楽しみ。ただ、この作品の内容は、赤穂義士礼賛者・忠臣蔵ファンには許しがたいものであると思う。それが証拠にこの説に基づいた「赤穂浪士」作品(映像・文学とも)は、私の知る限り発表後十数年が経過した今も作られてはいない。まもなく作者の現在進行中の「逆説の日本史」でもこの事件が取り上げられるはず。今から楽しみである。 | ||||
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鋭い観点から歴史を考察する井沢氏。 ただミステリー小説はあまり得意でないのかも。しかしながら、この際それは無視して下さい。 忠臣蔵の謎を追いかける主人公、事件の犯人はともかくとして、忠臣蔵事件の井沢氏の推測には、なるほどと納得くがいく筈です。 歴史的事件である忠臣蔵のミステリーを、主人公と供に推理していく楽しさ、そんなものが本書には溢れてます。 歴史好きな方には絶対にお薦めです。 | ||||
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忠臣蔵のイメージが根本から覆る。しかも、きちんと納得できる。 主人公の命が狙われる云々は、少々添え物くさいが、文句なしに面白い。 | ||||
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