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毒殺者 仮面劇
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毒殺者 仮面劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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旧作「仮面劇」を改題改訂した作品。作者や出版社の事情でこうした改題作が出版されてしまうのは、読者にとって非常に不親切だと思うのだが、作品の出来自身は良い。表面上は世間を騒がせた保険金目当ての妻殺し疑惑「M事件」をモチーフにしているのだが、実は、本作の根源はNHKが放映した海外ドラマにある。 私も"たまたま"そのドラマを観ていたのだが、東野氏と折原氏も観ていたらしい。東野氏はそれに触発されて「仮面山荘殺人」を執筆した。これは元のドラマをほぼストレートに小説化したもので、そのドラマを観ていた私は冒頭でカラクリに気付いてしまった。東野氏に先を越された折原氏は口惜しがった由だが、その代替と言うべきか、本作にはそのアイデアが巧みに織り込まれており感心した。流石に叙述トリックの名手というべきか、大きくて錯綜した枠組みの中でそのアイデアが最後の決め手として使われているため、そのアイデアが使われている事自身に全く気付かなかったという鮮やかさである。 この他、妻が夫の過去に疑念を抱く件で、ウィリアム・カッツ「恐怖の誕生パーティー」(傑作)にさりげなく言及する等、遊び心と叙述トリックの名手としての矜持に溢れた作品。作者としても油の乗り切った時期の作品で、ワザワザ「**者」シリーズ(出来の良い作品が殆どない)の一作にする必要はなかったと思う。叙述トリックの名手としての作者の手腕を味わいたい方には好適の秀作だと思う。 | ||||
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解説に「実際の事件に想を得た「―者」シリーズの原点となった『仮面劇』」と記載されているが、折原氏の~者とは全く何の関係もなく出された仮面劇ーマスクーというタイトルの本格推理路線の作品の復刻バージョンで何故か愛読者などと同じく、強引に~者シリーズとしてパッケージされている。 本作は著者が東野圭吾氏の仮面山荘殺人事件にて、暖めていたあるトリックを先に東野氏にやられてしまい、悔しい!と思ったが負けずにはり合ってタイトルも仮面劇と付けて刊行したという経緯がある作品である。 なので東野氏の仮面山荘と同じ落ちなのだが、そこは折原氏のことなので、より構造を複雑にしている。 当然~者シリーズの実在の事件をどう持ち込むかという視点は全くなく、最後のどんでん返しに全てを賭けた技巧一辺倒の作品である。 | ||||
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東野圭吾氏の仮面山荘殺人事件の文庫の解説で折原一が書いているのだが、そこで先を越された!と嘆いていたのが印象的だったが、その先を越されたネタというのがこの本作である。題名も東野氏の仮面山荘と並んで仮面劇である。勿論技巧派の折原氏のことなので、東野氏の二番煎じではなく、お得意のどんでん返しが決まった折原ワールドが堪能できる作品である。 | ||||
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叙述トリックの名手折原氏が、妻の保険金目当ての殺人を計画する男の犯罪を中心に描くサスペンス劇の傑作。 途中までは普通のサスペンス小説かと思いきや、逆に男が失踪する辺りから作者の手腕が冴え出す。特に男の家族が妻の家に居座り、傍若無人に振舞って、妻に脅威を与える描写は圧巻。そして、最後に待っているカタストロフィー...。 実は本作の中心アイデアはNHKで放映した米ドラマに基づいており、東野圭吾氏の「仮面山荘殺人事件」と同工異曲のものだ。東野氏の同作品の解説を折原氏が書いており、「東野氏に先を越された !」と悔しがっている程だ。折原氏は構想を練って、同じアイデアを別な味付けで料理したのだ。実は私も同ドラマを観ているのだが、このアイデアは読む者に与える異様なまでの緊迫感と、最後に待っているカタストロフィーの落差が勝負だ。私の見解では折原氏の本作の方が緊迫感とアレンジの仕方で上回っていると思うが、何れにしても両作を読み比べるのも一興だろう。 叙述トリックの魔術師の名に恥じない衝撃の結末が読む者を襲うサスペンス・ミステリの傑作。 | ||||
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