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雪密室
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雪密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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作者初期の作品らしいが、タイトルからして「密室」だし、「読者への挑戦状」もはさまり、本格ミステリを強く意識したらしい。読む方も当然期待したが、さほどインパクトはなく、鮮やかな密室破りと言うより、偽証が飛び交う中、巧くごまかされたな、と言う印象。 が、何より弱いと感じたのはキャラクター造形や情況設定の不自然さで、かなり無理が感じられた。法月警視と綸太郎親子はクイーンリスペクトだろうけど、本筋が終わった後で出生の秘密だの、過去の恨みだのを読まされても後味が悪く、蛇足としか思えなかった。以後の作品の伏線なんだろうか? 悪く書いたが、本格ミステリとしてそこそこ楽しめる作品だったと思う。標準的な佳作と評価。 | ||||
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本書を読み終えた感想。ラノベみたい。 別にラノベを悪くいうつもりはない。文章はなめらかで読みやすく、登場人物の会話は テンポよくウィットも効いており、おっと思うような展開も随所にある。 が、それだけ。 気になるのはキャラの説得力のうすさ。沢渡冬樹がどのようにスゴイ人物なのか、 最後までわからなかった。日本全体を根底から変えるシステムを考案したと言うけれど、 具体的にどんなシステムだったのかの説明はろくになし。 容疑者の中山美和子が蓋をあけたら有名歌手だったというけれど、たしかに音楽で 食べていると思わせる描き込みは一切なし。 武宮は有名な医師だというが医療に関する記述はなし。陶芸家の某は言うまでもなし。 鍵となる政治家にいたっては、顔すらよくわからなかった。そういえば主人公の倫太郎も ろくに容姿描写なかったし。 あとは警察関係。 柴崎は警部だというが、所轄なら警部は課長クラスだから管理職であって、 事件現場へじかに足を運ぶことはない。さらに柴崎の部下の姿がない。 殺人事件なら5,6人の警部補と巡査(部長)からなる班体制が捜査を仕切る。 柴崎には部下がいないのか。 法月警視は休暇中という設定はよいのだが、かりに捜査への飛び入り参加を許されたなら、 現地刑事の誰かと強制的にコンビを組まされるはず。 すると一人で捜査できるような自由は生まれないし、そもそも法月自身が犯行当時 現場にいたのだから、立派に容疑者のひとり。それが警察署へ連れていかれて事情聴取を 食らうこともなく、東京から 「探偵小説作家」 の息子を呼び寄せてコンビを組むというのは 失笑でしかない。 そもそも警察関係者でない一般人に事件をペラペラしゃべったら守秘義務違反で首になる。 そもそも警視クラスの人間が、「50代でまだその階級でくすぶっている」と言われる からには警察庁採用のキャリアなんだろうが、それなら殺人事件の捜査に関してはド素人。 休暇中に出くわした事件に勇躍首を突っ込むなんてことはあり得ない。 本作は話の展開はそれなりに面白いのだが、突っ込みどころは満載。これに近いもの といったら何か。ラノベです。 | ||||
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約20年ぶりに読んだのですが、読後、なぜ内容を全然覚えていなかったかが分かりました。 結局、それだけの作品ということです。 全く面白くないわけではないのですが、本格ミステリというには弱いというか。 設定そのものは悪くはない気もしますが、やはりリアリティを感じません。 気に入らない相手からの招待に応じるというのが、そもそも理解できません。 脅迫とありますが、その内容も弱いと感じました。 ラスト間際の犯人の行動も、ドタバタしていて、どうも美しくない。 もう少し、違った読ませ方にしてほしかったです。 いい歳をした警視が、被害者の死を自殺でなく殺人と言い張る場面なども、 ただ言葉だけで押し切ろうとするだけで魅力を感じません。 警視と息子 ( 探偵役の綸太郎 ) の、電話でのやり取りは嫌いではないのですが、 〔 作品全体を通しての盛り上がりどころがない 〕 という感じがしてなりません。 P235で 「 …… をすぐに調べておけば …… すぐにわかったはずなんだ 」 とあるように、 犯人の考えた計画は完璧ではなく、実際にはアリエナイことに見えてしまいました。 あくまでも小説の中だけのゲームというか。 約20年前、講談社ノベルズを読みあさり、新本格の方たちの作品にずっと接してきましたが、 個人的に法月綸太郎氏の作品は、どうも印象が強くありません。 それは探偵役の法月綸太郎に魅力を見出せないのと、父親の警視まで登場して、 そちらの方のやり取りだけで結構なページがあるからです。 つまり、事件そのものよりも、事件以外のことに関する記述が多いと感じてしまうのです。 P269と決して長くはないのに冗漫に思えるのは、そのせいでしょう。 個人的には、 〔 エピローグ 〕 は蛇足のように思いました。 動機も行動も納得できませんし、狙いすぎという気がします。 あらすじだけ読むと、とても面白そうに感じるのですが、ちょっと残念ですね …… 。 | ||||
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足跡の全くない、周りを雪で閉ざされた建物で人が殺され犯人が消え失せているという準密室物の作品。 このシチュエーションの作品ではカーの「白僧院の殺人」という大傑作があり、本作品でも言及されている。 ただ作品のトリックを安易にばらしてしまうのはいかがなものか。「白僧院の殺人」は不朽の名作と称えられる作品であり、カーファンの中には彼の最高傑作に推す人もいるくらいの作品である。それ程の認知度がある作品であるから、大抵の人は読んでいるだろうとしても、安易にトリックをばらすのはいただけない。読んだ人は記憶にあるだろうし、読んだことのない人はそれを基に推理を組み立てることができないだけなのだから、あえてトリックをばらす必要性はないのである。何より作品はすでに古典であり、共通の財産と言って良いもの。それを著者でもない者がネタばらしをするというのは人道にもとるといわねばならない。「すべてがfになる」や「頼子のために」などのネタばらしを著者が他の作品でやるなどとは次元が違うのである。 トリックに関してはこれもカーの亜流の感は免れない印象である。カーを読んでいる人なら簡単。読んでいなくてもネタばらししてあるので一緒か。この作品で使ったトリックを使う場合何らかの形で読者に示唆を与える必要があると思うが、実際問題としてヒントを与えるのは至難である。(それが無くても感の良い人はピンとくるか……) 犯行のトリックは分かった(心理的盲点を突いた作品には強い)が犯人は当たらなかったというのも、カーの「白僧院の殺人」と通ずる。玄関の鍵等小技が効いているのは個人的に好み。 | ||||
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ミステリ初心者のオレ的にはとても標準的なミステリ小説と感じた。謎解きについても普通な印象です。被害者がとても「ワル」い人間のために多くの人に「動機」があり犯人が誰かわからない面白さがありました。読後の感想は「何もそこまで悲しく理不尽な設定にしなくても・・・」。 | ||||
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1989年に講談社のベルスとして出たものの文庫化。 著者のデビュー2作目で、法月警視・綸太郎親子の初登場作。探偵・法月綸太郎シリーズの第一作であるにも関わらず、父の法月警視が主人公になっているのがユニーク。「法月警視自身の事件」ということらしい。 本格ミステリにサスペンスを織り込んだ味わいの作品で、ちょっと読者の好みが別れるかも知れない。特に、本格ファンには受けないかも。 とはいえ雪の密室というわかりやすいトリックと、家族を巻き込んだ愛憎劇が溶け合った良作だと思う。 | ||||
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デビュー作は青春ミステリーでしたが この作品から推理小説作家法月綸太郎&警察官の父という構図ができあがります。 雪の山荘で発見者以外の足跡が存在しない、しかも、合理的理由から犯人は発見者ではありえないという推理小説の合理的な謎。 その本編に比べるとかなり陳腐なサイドストーリーが興ざめだったりします。 | ||||
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