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雪密室
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雪密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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名探偵法月綸太郎のデビュー作ですが、デビュー作であるにもかかわらず、法月親子の業績はすでに作中の世界においては広く知られており、一定の評価を得ているという前提で物語が進んでいくので、初めましての読者としては感情移入がしづらいだけではなく、ついていけない面があります。え、これ前作があるの?という混乱を生むこともあるかもしれません。さらに言うと、父も子も掘り下げが全然ないので非常に独善的で独りよがり、父に至ってはとにかく性格が悪く頑固で強権的な警視、息子は成人している割に父親べったりの気持ち悪い男といった感じです。探偵にありがちな奇人変人ではなく、ただの嫌な奴でしかなく、今回の事件の被害者も、また、宿敵(?)と呼ぶべきある人物も、たとえばこれがシリーズで何作かに登場してきた人物であればラストも含めてカタルシスが得られるのでしょうが、結局これはどういう人なの?と最後までよくわからず、従って繰り返しになりますが感情移入がまったくできません。物語の設定からしても、警視はあの状況ではただの容疑者でしかないはずで、なぜ現場の捜査官より上に立って指図しているのかまったく意味不明ですし、読んでいて結構不愉快になります(笑) さて、肝心のメイントリックですが、はっきりいって子供騙しというか、あまりにしょぼすぎです。金田一耕助の時代ならともかく、あれが看破できないほど現代の警察の鑑識は馬鹿ではないでしょう。足跡と鍵の二重の密室というのは期待は膨らませるものの、机上の空論すぎて自分には駄目でした。有益な伏線もほとんどなく、また結局あればなんだったの?という部分もあり、やはり、少なくとも自分には、この著者の作品は合わないと(いくつか読んだうえで)再確認しました。 | ||||
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作者初期の作品らしいが、タイトルからして「密室」だし、「読者への挑戦状」もはさまり、本格ミステリを強く意識したらしい。読む方も当然期待したが、さほどインパクトはなく、鮮やかな密室破りと言うより、偽証が飛び交う中、巧くごまかされたな、と言う印象。 が、何より弱いと感じたのはキャラクター造形や情況設定の不自然さで、かなり無理が感じられた。法月警視と綸太郎親子はクイーンリスペクトだろうけど、本筋が終わった後で出生の秘密だの、過去の恨みだのを読まされても後味が悪く、蛇足としか思えなかった。以後の作品の伏線なんだろうか? 悪く書いたが、本格ミステリとしてそこそこ楽しめる作品だったと思う。標準的な佳作と評価。 | ||||
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非常に楽しめた。 この作品は典型的なパズラー。そしてパズラーとしてはかなり良質な作品だと思う。 法月作品でいえば、「都市伝説パズル」とかが好きな方ならおすすめ。 雪密室を題材にする作品は「白い僧院」以来いろいろ出されたが、個人的には この作品が一番好きかな。 それにしても器用な作家さん。いろんなテイストの作品で良い作品がある。 サスペンス調の「一の悲劇」も面白かったし、ジュベナイルの「怪盗グリフィン」も楽しめた。 ハードボイルドテイストを入れたとされる「頼子のために」は期待に届かなかったけど。 | ||||
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人物造詣が浅いとのコメントがありますが、私はあえてトリックではなく、人間ドラマの部分を評価したいと思います。 確かに、登場人物たちは、キャラクターの掘り下げが甘く、犯罪を巡る人間の持つ嫌らしさや傲慢さ、弱さが分かりにくく、読者の共感を得にくい描写に留まっているといえると思います。 しかし、現実の世界では他人の心のうち、特に旅先であったばかりの人物の心理や経歴など、良く分からないまま、適当なあて推量で決め付けることが多いのではないでしょうか。そのようなことを思いながら読めば、読者もまた登場人物たちの心のうちを推測するしかない傍観者として、事件を見ざるをえないもどかしさをこの本を通じて考えさせられるのではないでしょうか。 作者が意図したかは分かりませんが、多くのミステリで全知全能の神として登場人物たちの心や行動を見ることが当然と考える、読者の視点に一石を投じたといえなくも無いと思います。 | ||||
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クイーン崇拝者だけあって、探偵役の息子&警視役の父親という配役もさることながら、一丁前に「読者への挑戦状」も差し込まれている。 だがしかし、全体を通してアンフェアな状態かつ薄っぺらい印象。「○○と言うのは、実は根も葉もないでっち上げだった」っていう事実が1個だけなら未だしも幾つも事後に判明する辺りもアンフェアな着地に一役買っている。 肝心のトリックはバカミスの部類。 カーター・ディクソンの「白い僧院の殺人」から着想やヒントを得たのか、そのオマージュなのかどうかは分かりかねるが、そのネタバレを作中で述べてしまうのはキチガイ。 ましてや、その作品のレベルには程遠い出来の今作の作者の技量には情けなくなる。 もし万が一にも改訂版が出るようであれば(出る可能性皆無の書物だが…)、その箇所は絶対に削除すべき。 | ||||
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本書を読み終えた感想。ラノベみたい。 別にラノベを悪くいうつもりはない。文章はなめらかで読みやすく、登場人物の会話は テンポよくウィットも効いており、おっと思うような展開も随所にある。 が、それだけ。 気になるのはキャラの説得力のうすさ。沢渡冬樹がどのようにスゴイ人物なのか、 最後までわからなかった。日本全体を根底から変えるシステムを考案したと言うけれど、 具体的にどんなシステムだったのかの説明はろくになし。 容疑者の中山美和子が蓋をあけたら有名歌手だったというけれど、たしかに音楽で 食べていると思わせる描き込みは一切なし。 武宮は有名な医師だというが医療に関する記述はなし。陶芸家の某は言うまでもなし。 鍵となる政治家にいたっては、顔すらよくわからなかった。そういえば主人公の倫太郎も ろくに容姿描写なかったし。 あとは警察関係。 柴崎は警部だというが、所轄なら警部は課長クラスだから管理職であって、 事件現場へじかに足を運ぶことはない。さらに柴崎の部下の姿がない。 殺人事件なら5,6人の警部補と巡査(部長)からなる班体制が捜査を仕切る。 柴崎には部下がいないのか。 法月警視は休暇中という設定はよいのだが、かりに捜査への飛び入り参加を許されたなら、 現地刑事の誰かと強制的にコンビを組まされるはず。 すると一人で捜査できるような自由は生まれないし、そもそも法月自身が犯行当時 現場にいたのだから、立派に容疑者のひとり。それが警察署へ連れていかれて事情聴取を 食らうこともなく、東京から 「探偵小説作家」 の息子を呼び寄せてコンビを組むというのは 失笑でしかない。 そもそも警察関係者でない一般人に事件をペラペラしゃべったら守秘義務違反で首になる。 そもそも警視クラスの人間が、「50代でまだその階級でくすぶっている」と言われる からには警察庁採用のキャリアなんだろうが、それなら殺人事件の捜査に関してはド素人。 休暇中に出くわした事件に勇躍首を突っ込むなんてことはあり得ない。 本作は話の展開はそれなりに面白いのだが、突っ込みどころは満載。これに近いもの といったら何か。ラノベです。 | ||||
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約20年ぶりに読んだのですが、読後、なぜ内容を全然覚えていなかったかが分かりました。 結局、それだけの作品ということです。 全く面白くないわけではないのですが、本格ミステリというには弱いというか。 設定そのものは悪くはない気もしますが、やはりリアリティを感じません。 気に入らない相手からの招待に応じるというのが、そもそも理解できません。 脅迫とありますが、その内容も弱いと感じました。 ラスト間際の犯人の行動も、ドタバタしていて、どうも美しくない。 もう少し、違った読ませ方にしてほしかったです。 いい歳をした警視が、被害者の死を自殺でなく殺人と言い張る場面なども、 ただ言葉だけで押し切ろうとするだけで魅力を感じません。 警視と息子 ( 探偵役の綸太郎 ) の、電話でのやり取りは嫌いではないのですが、 〔 作品全体を通しての盛り上がりどころがない 〕 という感じがしてなりません。 P235で 「 …… をすぐに調べておけば …… すぐにわかったはずなんだ 」 とあるように、 犯人の考えた計画は完璧ではなく、実際にはアリエナイことに見えてしまいました。 あくまでも小説の中だけのゲームというか。 約20年前、講談社ノベルズを読みあさり、新本格の方たちの作品にずっと接してきましたが、 個人的に法月綸太郎氏の作品は、どうも印象が強くありません。 それは探偵役の法月綸太郎に魅力を見出せないのと、父親の警視まで登場して、 そちらの方のやり取りだけで結構なページがあるからです。 つまり、事件そのものよりも、事件以外のことに関する記述が多いと感じてしまうのです。 P269と決して長くはないのに冗漫に思えるのは、そのせいでしょう。 個人的には、 〔 エピローグ 〕 は蛇足のように思いました。 動機も行動も納得できませんし、狙いすぎという気がします。 あらすじだけ読むと、とても面白そうに感じるのですが、ちょっと残念ですね …… 。 | ||||
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筆者は「文庫版あとがき」で「人物造形の薄っぺらさ」について述べており、確かに山荘に集まった登場人物のなかには 紋切型だったり、血の通った人間としてうまくイメージできなかったりする者もいる。また、トリックや謎解きはやや鋭さ に欠けるようにも思われる。 しかし、全編を通じて一定の間隔で交わされる法月警視と(彼の亡き妻=礼子のまたいとこの)代議士とのやり取りにおいて、 近しい(姻戚関係にある)者に対する愛憎がこれ以上ないという迫力で描かれており、その点でこの小説は傑作である。 これに匹敵するような緊張感をもった会話を挙げろと言われても(その範囲がたとえ文学全般であっても)、正直私には 難しい。 | ||||
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法月探偵シリーズ一作目だが、ストーリー上の主人公は父親の法月警視である。雪の降る密室での犯人の足跡がなかったという謎がメインだが、屋敷に各登場人物が呼ばれる理由は霧舎巧の「名探偵はどこにいる」と同じだし(勿論こちらの方が先だが)、メインの雪の足跡のトリックも以前読んだどっかの推理小説で捨てトリックとして出てきたような気もする。もちろんこちらの作品の方が先なのだが、20年以上も前の作品なので最近の推理小説を沢山読んでいると、既視感のある設定にトリックなので、どうしても古臭く感じてしまうが、それだけ定番のオーソドックスな推理小説を創り上げようとした当時の氏のもくろみは評価したい。 | ||||
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法月綸太郎作品を初めて読んでみての感想。 面白くない。Wikipediaや巻末の解説、作品リスト等から判断すると、本作は初期の作品で、シリーズとしてはおそらく第1作目にあたる作品だろうと思う。そのこともふまえて読むと、非常に不親切だと思う。主人公である探偵のキャラクターなり、背景なりの説明が十分になされないまま話が進んでいく。もちろんそれらは事件そのものと直接的に関わっている訳ではないが、正直、自分の知らない話をあれこれとされても面白くない。そもそもの作者の意図がどういったところにあったのかは定かではないが、多分ほとんどの読者には伝わらないだろう。 純粋にミステリとしてみた場合でも、やはり粒が小さいというか、これといった驚きがないままに終わるように思える。この辺りは作者本人の責任による部分もあるだろうが、出版する出版社ももう少し意識を高くしてもらいたい。少なくともある程度の品質は保証してほしい。 | ||||
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法月綸太郎の作品は初めてでした。 エラリークイーンが好きなので期待してたのですが、 とくにワクワクする所もなく、法月親子のやりとりも普通で退屈でした。 2日で読み終わりましたが、短編や2時間ドラマで十分と思いました。 | ||||
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足跡の全くない、周りを雪で閉ざされた建物で人が殺され犯人が消え失せているという準密室物の作品。 このシチュエーションの作品ではカーの「白僧院の殺人」という大傑作があり、本作品でも言及されている。 ただ作品のトリックを安易にばらしてしまうのはいかがなものか。「白僧院の殺人」は不朽の名作と称えられる作品であり、カーファンの中には彼の最高傑作に推す人もいるくらいの作品である。それ程の認知度がある作品であるから、大抵の人は読んでいるだろうとしても、安易にトリックをばらすのはいただけない。読んだ人は記憶にあるだろうし、読んだことのない人はそれを基に推理を組み立てることができないだけなのだから、あえてトリックをばらす必要性はないのである。何より作品はすでに古典であり、共通の財産と言って良いもの。それを著者でもない者がネタばらしをするというのは人道にもとるといわねばならない。「すべてがfになる」や「頼子のために」などのネタばらしを著者が他の作品でやるなどとは次元が違うのである。 トリックに関してはこれもカーの亜流の感は免れない印象である。カーを読んでいる人なら簡単。読んでいなくてもネタばらししてあるので一緒か。この作品で使ったトリックを使う場合何らかの形で読者に示唆を与える必要があると思うが、実際問題としてヒントを与えるのは至難である。(それが無くても感の良い人はピンとくるか……) 犯行のトリックは分かった(心理的盲点を突いた作品には強い)が犯人は当たらなかったというのも、カーの「白僧院の殺人」と通ずる。玄関の鍵等小技が効いているのは個人的に好み。 | ||||
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法月綸太郎の長編第二作。まさに王道と呼べる舞台設定に状況設定。そしてそこで演出される殺人劇の謎に挑むは,作者が大好きなクイーンの 基本設定に倣い創造された法月親子! デビュー作となる前作でみせた前衛的な作風からしてみれば,まるくなった感も受けるが何々侮れませんよ。読み応え充分です。 だからといって何も革新的なトリックが本書に使われているわけではないが,アリバイの問題・鍵の問題・雪の問題と,それぞれの要素を 圧倒的なアレンジセンスで複雑に組み立てられる手腕が凄いのだ!特に大前提にして最難関にもなる雪の要素はお見事。不可能に秩序を与えて 可能にするさまが実に鮮やか。 ほか,キャラクター造型はともかくとして,お決まりで陳腐な愛憎劇の範疇なんかには収まらない,登場人物間で心と理性が蝕まれるような 関係性を作り上げてみせた事に関して個人的にはとても高く評価したい。 あまりにシンプルで堂々としたタイトル。。この響きにピンと来た方,雪で構築されたこのパズルにぜひ挑戦してみてはいかがですか? | ||||
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思わせぶりな招待状に導かれ、信州の山荘「月蝕荘」を訪れた法月警視。 彼はそこで、自分を呼び寄せた女性・篠塚真棹の死に遭遇する。 真棹は、庭の離れの寝室で縊死体として発見されるが、離れと本館の あいだに積もった雪の上には、発見者の足跡以外、残されていない。 しかも、離れの入り口には鍵が掛かっており、開錠するには、 被害者とその夫だけが持つ、特殊な鍵が必要だった。 この二重密室から、犯人はいかにして姿を消したのか? メイントリックは、有名な《足跡》トリックを 状況設定やアリバイ工作でアレンジしたもの。 また、犯人特定のロジックには、残された足跡のサイズをもとにした クイーン流の消去法が用いられており、古典本格へのオマージュを 感じさせる、いい意味でオーソドックスな作品となっています。 しかし本作は、単に古典へと回帰した、ウェルメイドな作品というだけにとどまりません。 エピローグを二つに分け、本編の前後に配置することで ミスディレクションを仕掛ける、というトリッキーな構成や、 クイーン作品における父子関係を踏襲しつつも、そこに 陰影を帯びさせた綸太郎と警視の関係性などからは、 本作以降の著者の作風が暗示されているといえます。 | ||||
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作者の2作目にして、名探偵・法月倫太郎の初登場作品。「白い僧院はいかに改築されたか?」という扉の一文がまず魅力的。 休暇で招待された別荘にやってきた法月警視は、一面銀世界の家の離れで殺人事件に遭遇するが、足跡は発見者のものしかないという設定で、カーター・ディクスンの名作「白い僧院の殺人」の雪の密室を髣髴とさせながら、エラリー・クイーンのように読者への挑戦状を挿しはさむという欲ばりな一冊。トリックもシンプルで優れている。 デビュー作、本書と本格派作品が続き、作者は本格派かと思いきや、以後作者の作品はどんどん変格ものに傾いていくのがとても残念。 | ||||
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法月氏がミステリの定番、雪の上の足跡に挑んだ作品。 実にオーソドックスなテーマだが会話のやりとりの 軽妙さもあいまってなかなかの良作となっている。 トリックも目新しいものではないがしっかりとツボを抑えている。 頼子〜や生首〜のように仰々しい話よりこういう作品の方が 法月氏の良さが生かされている気がするので個人的にはおすすめ。 | ||||
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ミステリ初心者のオレ的にはとても標準的なミステリ小説と感じた。謎解きについても普通な印象です。被害者がとても「ワル」い人間のために多くの人に「動機」があり犯人が誰かわからない面白さがありました。読後の感想は「何もそこまで悲しく理不尽な設定にしなくても・・・」。 | ||||
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1989年に講談社のベルスとして出たものの文庫化。 著者のデビュー2作目で、法月警視・綸太郎親子の初登場作。探偵・法月綸太郎シリーズの第一作であるにも関わらず、父の法月警視が主人公になっているのがユニーク。「法月警視自身の事件」ということらしい。 本格ミステリにサスペンスを織り込んだ味わいの作品で、ちょっと読者の好みが別れるかも知れない。特に、本格ファンには受けないかも。 とはいえ雪の密室というわかりやすいトリックと、家族を巻き込んだ愛憎劇が溶け合った良作だと思う。 | ||||
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デビュー作は青春ミステリーでしたが この作品から推理小説作家法月綸太郎&警察官の父という構図ができあがります。 雪の山荘で発見者以外の足跡が存在しない、しかも、合理的理由から犯人は発見者ではありえないという推理小説の合理的な謎。 その本編に比べるとかなり陳腐なサイドストーリーが興ざめだったりします。 | ||||
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法月綸太郎が専業作家になって初めて発表した作品です。探偵役に作者と同名の法月綸太郎を起用しての第1弾にあたります。エラリー・クイーンを意識したその設定は、綸太郎の父親を警視として設定するところまで徹底しています。本作は第1弾であるにもかかわらず、法月警視自身が事件に深く関与しているという設定で、いきなり綸太郎の出生の秘密にまで話が及んでしまうところがユニークだと感じました。“雪密室”というのは、殺害現場の周りに雪が積もっているので逃亡した犯人の足跡が残るはずだがそれがないという広義の密室もののひとつで、密室の王者カーを始めとして数多くの作家がチャレンジしている分野です。本作はその分野の最高傑作だとは言えないものの、その分野に新たな一歩を加えた見事な作品だと思います。 | ||||
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