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玻璃の天
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玻璃の天の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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本書の雰囲気から輝かしき明治時代を感じることができた。 話の展開自体は目新しいものはないが、キラキラしていたであろう、優雅であったろう、と黎明期の明治を体感した。 この上もなく、ドレスアップをして、社交界に招かれて贅沢をした気分を味わい、満足です。 | ||||
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こんなに圧倒されたのは、久方ぶりです。 もちろん、ミステリーとしての謎解きの面白さもありますが、この作品はそうした枠組みを超えています。探偵役に花村英子という女学生、しかも昭和初期のエリート階級のお嬢さんで、一人での外出も出来ないような、およそ探偵には似つかわしくない人物を置くという意外性のある設定から、そこに展開される昭和初期の風物の見事な描写、それもそうした描写にぴったりとマッチした文体で読むものを引き付けずにはおきません。 更には、戦争や思想統制に対する強い反対のメッセージがあります。 この作品は、ミステリーを超え、大衆小説の枠組みさえも超えた、文学的な香りの高い素晴らしい傑作になっています。 | ||||
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この世の中に直木三十五賞なるものがなければ、 私はきっと生涯北村薫という作家の本を 手にとることもまして読むことなどなかっただろう。 ここ数年自分に課してる課題のひとつは 直木賞の候補が発表されてから、 選考会までに全ての作品を読んで 受賞作を予測するということである。 そういうことで第136回にノミネートされた 「ひとがた流し」を読んだのが最初で、 今回のこの作品が私が北村作品を読む2回目である。 (ターン、スキップの頃には候補作を読む作業はしてない) トリックのある小説というのは大いなる御都合主義で 書かれていることが普通なのであるし、 古典的な使いふるされたトリックを いかにうまく表現するかが腕の見せ所であるのだが、 この小説は実にそこがうまい。 実に楽しく読める作品である。 でもこれで直木賞なら選考委員の見識を疑う。 北村先生も今更直木賞は欲しくないだろう。 | ||||
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北村薫の「街の灯」の続編となるミステリー短編集です。舞台は昭和8年の東京。経済界の一翼を担う良家に生まれた少女・花村英子とその家のおかかえ運転手・ベッキーさんこと別宮。この二人が謎に挑む3編が納められています。 前作「街の灯」に比して本書は謎解きの興趣の程度が一段とあがっています。しかしそのこともさることながら、北村薫のメッセージ性が全面に出た作品集となっていて、そのことを私は大きな驚きとともに受け止めました。 昭和初期、日本社会を巨大で暗鬱な時代精神が包み込み、ひとつの方向へ押し流そうとしている。多くの日本人はその先にあるものを見据えることもなく、無邪気に熱狂している。そんな社会にあって、主人公である女性二人は凛とした態度で時代と対峙しようとするのです。 北村薫が主人公たちを使ってこの物語群の中で時代に打ち込む楔(くさび)は、時として飾り気もなく剥き出しともいえるほど直截的です。その言葉の一槌一槌に私は幾度もたじろいでしまったほどです。 「公は常に、私の愛に嫉妬するものだ。そういう時の、公の牙は実に醜く鋭く、容赦ない」(131頁)。 振り返ってみると、私は「街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)」の書評で「『私と円紫師匠』のシリーズのほうがまさっている」と記したことがあります。しかしそのことを実はこの「玻璃の天」読了後に少し悔いています。 前作以来、北村薫はこのベッキーさんシリーズでひとつの覚悟をもって筆をとり続ける決意を固めていたのではないかと私は思います。それはもちろん昭和初期という時代をみつめるという懐古趣味ではなく、今私たちが生きている時代を警告を込めて描くという明確な目的をもっての企てであるはず、そう私は今想像しています。 私はこの北村薫の決意を高く評価し、そして私自身も覚悟を決めて彼のこのシリーズを読み続けていこうと考えています。 | ||||
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昭和初期の、花村家令嬢と女性運転手ベッキーさんをめぐるストーリー。 北村薫さんの作品は、ミステリーという、ある意味娯楽分野にあって とても清潔というか、プラトニックな香りただよう上品なミステリーで 読むと、娯楽と教養の両方を味わえる気がします。 ただ芯の部分には、北村さんの「熱い」考えがしっかりとあるので それが、作品をミステリーのジャンルにとどまらない 深いものに仕上げているように感じます。 不必要な残虐性や、いいかげんな薄い描写はみられないので ミステリーが苦手な方にこそ読んでほしい作品です。 じつは何者?と思わせるベッキーさんも魅力的です。 | ||||
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昭和8年の東京。昨年のロス五輪がラヂオで実感放送されたとの記述で時代を説明しています。巻末に記載されている「主な参考文献」を読むのも楽しい。本書は「花村英子と別宮みつ子」コンビが活躍する第二作で、前作の「街の灯」は文庫にもなっています。この年にヒトラーがドイツの首相に就任し、日本は国際連盟から脱退しました。そのような社会背景をも巧みに盛り込んでいます。 ベッキーさんの正体がいよいよ判明するのでしょうか?深窓のご令嬢を覗き見する楽しみまでちりばめられた北村ワールドの待ちに待った一冊です。 | ||||
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本作の舞台となるのは昭和も初期。女性の活躍の場はあまりない。 本作の主人公はとある令嬢とその女性運転手。日常に降りかかる不思議。女性ながら運転手であるベッキーさんの活躍と令嬢の行動力で謎がときあわされていく様はまさに爽快。 魅力ある物語です。 | ||||
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