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ターン
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ターンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 1~20 1/2ページ
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とても読みやすく一気に読んでしまいました。 主人公が前向きで芯のある女性で素敵な人柄です。 だからこそ読み勧めながら応援している自分がいました。大丈夫かな?この先どうなるの?とドキドキしっぱなし。 電話がなったときは主人公になったようにドキッとしました。そしてロマンチックな出会いへ、、。 風景や状況の表現が素晴らしく頭の中でどんどんターンの世界が広がりました。 最後は感動的と安堵で涙ぐみました。 素晴らしい作品でした。 | ||||
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作者がある意図を持ってのことではあるけれど、二人称の語り口が鬱陶しいと感じた前半。おそらくこの前半を乗り切れず本を投げ出す読者も多いに違いない。後半に入るとぐんぐん物語に引き込まれ一気に読める。 主人公に子どもの頃から聞こえていた「声」は結局だれのものか。主人公が心の中で造り出したものか、あるいは泉さんなのか。どう解釈するかは読者次第であり、その解釈次第で味わいが違ってくるだろう。 | ||||
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著者の「時と人」シリーズの第2弾。冒頭から、二人称で小説は始まる。正直言って、ちょっと読みづらい。途中で放り出さずに読み進めることができたのは、著者の筆力のなせる力だろう。 そして、読み進めるにつれて、この二人称表現に意味があったことがわかる。それが、どういう意味なのかは、是非とも本書を読んで欲しい。 小説の面白さとしては、第1弾のスキップの方が、はるかに上であると思うが・・・。 | ||||
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人生を何度も何度もやり直すという設定の作品は小説にしろ映画にしろ少なくありませんが、本作の設定はなかなかにユニークです。 繰り返すのは同じ1日のみ。 繰り返すその世界には自分以外に誰もいない。 孤島で一人きりだったロビンソークルーソーも日記を書くことで自分を確認し、生きる糧にすることができた。しかし、この世界では書いた日記もすべて消え去ってしまう。一番辛いのはすべてが流れ去ってしまうこと。 ただ、自分の記憶だけは消えないので、好きな本をいくらでも読めるし、好きな音楽もいくらでも聴くことができる。 この機会に語学の勉強をしてもいいし、ギターの練習もし放題だ。 これは憧れの生活ではないか。いつ帰れると分かっているのなら・・・ やりたいことが何でもできる理想の生活も、いつ終わるとわからず続くとなると、何のために生きているのか分からなくなり、次第に無気力になってしまう。 誰も見てくれず誰も言葉をかけてくれない。そして何よりも、どうせはかなく消えてしまうのなら、何も生み出すことはできないのか。 本当にそうなのか。本当に不毛な繰り返しなのか。 そこに希望を見いだすことができれば、生きていくことができる。 本作は、人が希望を見いだすための物語ともいえるでしょう。 | ||||
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面白い本の割にレビューが少ない感じがしました。 同じ毎日、何をやっても同じ時刻に記憶以外は元どおり、自分以外誰もいない世界。 想像するだけで不思議な世界、そしてわたしなら絶望してるでしょうね。笑 | ||||
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この本を読んでから、少し人生が変わった気がする。 自分の好きなことに取り組めば、道は開ける。 | ||||
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今さらながら手にして、膝を打った。 そして、少し、泣きそうな気持ちになった。 ―ターン― 繰り返す、まったく同じ毎日。 人はその「変わらないこと」を、どう生きていくのか… その疑問への回答は、ラスト近くのほんの数行にあったが、ひどく胸にこたえた。 まるで、「変わらない日々を重ねるわたしの疑問」への回答書を読んでいるような気がして、 じっとしておられず、その場で立ったり、座ったりしたくなった。 新刊の刊行から、今では14年も経つのだから、 この14年間にきっと多くの人が本書を手にしたことだろう。 しかし、純文ファンのわたしは本書を知らなかった。 この本も無しに、なんとか青春の虚無をくぐり抜けた自分に、 2014年の秋、精神的なご褒美が差し出されたような気がした。 本書は、日々の虚しさに対峙する、1つの美しい健やかな答えだと思う。 | ||||
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読む人によって、さまざまな問いかけを見つけるのかもしれないが、 わたしに届いたテーマは 『「変わらない日々」を、人はどう生きていくのか。』 その答えはラスト近くの、主人公の心の声を描く数行にあった。 長い物語のなかで、 その箇所だけがバーンッ!と立ち上がって見えるほど、 わたしには鮮烈であった。 マンネリを生きて久しく思える自分に、「ターン」の投与がほどよく効いた。 | ||||
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時ほど『有限』である事を忘れがちな物は他に無いのでは。 今日は昨日の続き、そして気が付けば明日になっていた。 それはいつ目の前から奪い去られてしまってもおかしくない物なのに、そんな事は考えない様にして時間を浪費し続ける。 その気になれば、例え一分間でも出来る事ってたくさんあるというのに…。 主人公はある事故を境に延々と続く同じ1日から抜け出せなくなる。 周りには誰も居らず、自分一人だけ、時の流れから置いてきぼりをくらった様だ。 しかし、ある日かかってきた一本の電話から少しずつ状況が変わっていく。 この主人公が物語の終盤に「こんなに大切なもの(時)を今まで自分はどんな風に扱ってきたのか」と気付かされる所がある。 読み手のこちらもドキッとする。 本当に何て大切なものを粗末に扱っているんだろう。 この延々と続く1日というのは極端なケースの様にみえて、実は私達もそんな毎日を過ごしていないだろうか。 もう何度も読み返しているこの物語で、その度に反省してしまう。 それにしても、『声』の正体はロマンチックの極みだと思う。 終わりも温かで優しい。 読み終わった後に、さあ私も自分の毎日を丁寧に生きていこうと前向きに思える。 良い本に出会えて良かった。 | ||||
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ゆったりとした文章が特徴的で、それでいて独特な表現方法で、 読んだ人同士の感想が被ることなく、 一人ひとり違う感想を述べるのではというほど、 読み手に幅広い想像を持たせてくれる本です。 物語もすごく面白く、時間の大切さがよくわかる。 「昨日」を残してこそ、「明日」がある。 でも、この世界では何も残せない。 ずっと「いま」だけが繰り返される、一人きりの広い世界。 孤独、ですね。考えるだけですごく怖いです。 これからは時間を大切に。 一日を大事に過ごしていこう、と思わせる一作です。 | ||||
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この本も他の北村作品と違わず、読んでいる間に透き通った集中力を与えてくれます。 冒頭部分を乗り越えて「くるりん」が始まった途端、物語が異彩を放ち始め、主人公の生命力に圧倒されます。 ひとりぼっちの世界で暮らす生活のディテイルが描かれることで、主人公が「生きている」手触りをしみるように感じることができました。 不思議な電話に始まり、突如現れる悪意によって深まる愛の物語は、生活感あふれる描写があるからこそ、感動を増幅させてくれるものだと思います。 ショッキングな描写はないのに、はっと目が覚めるような心地よい刺激に満ちあふれた作品。 | ||||
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毎日同じことの繰り返し。 主人公は、この悪循環から抜け出せなければ 死んでいた。 悪循環のまま日々を過ごしていると、 死、とまではいかなくても、 取り返しのつかないことになりうる。 そのことを教えてくれた奥の深い小説。 | ||||
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爽やかに、透明感あふれる読書、という 素敵な経験が出来ました。 主人公達の背負わされるのは、想像を超えた厳しい状況なのに、 なんと透明感溢れる世界となっているでしょう。 ストーリーの面白さはもちろんの事、 どんどん物語の世界と一体化し、 不思議で譬えようもない爽やかさに包まれる気配。 何時出会っても、醸し出される透明感に 包み込まれる幸せをぜひこの本で。 | ||||
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時の三部作の一つ。 何年かぶりに読み返してみたら、まだ新鮮だった。 結末を知っていたって、ドキドキするし、絶望するし、 甘い気持にもなるし、感動する。 「君」と、どこかから語りかける声の主が誰なのか、 真希は誰と話しているのか。 真希に訪れる孤独と、「くるりん」がもたらす繰り返しの日々。 途中は、少し中だるみしそうになる単調な雰囲気もあるのですが、 少しだけ辛抱してそのまま読み進めると、 急展開後の感動が倍加する気がします。 突然、蜘蛛の糸のように真希にもたらされる救い。 逃げられない世界で真希を襲う危機。恐怖。 最後の数ページで急速に視界が開けるような、 真希とともに何かを悟る、すがすがしい感覚。 そして…これは立派な恋愛小説なんです。 昔読んだ時には、その部分には関心がなかったけれど、 今、人を好きになることを知ってから読んでみれば、 なんとも切なく、甘酸っぱく、爽やかなお話です。 べたべたした感じが一切ないのがすごく好き。 ふと繰り出される描写や台詞に、クラクラします。 北村さんの作品すべてに言えることですが、 生きることに前向きになれる本です。 言葉遊びや雑学を織り交ぜながらもくどくなく、 知的で緻密でしなやかな語り口も心地よい。 毎日が退屈な繰り返しに思えてしまう人にこそ これを読んで目の覚めるような感じを味わってほしいです。 | ||||
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北村薫氏の「時と人」シリーズ第2作。「スキップ」は、時の直線の途中が消えて欠落した世界を主人公ががんばって生きる姿を描いていたが、本作品は、曲線状、螺旋状の時のからまりを描いている。同じ毎日が繰り返され、特定の時刻になるとまた、一日前の同時刻に戻る。銅版画作家の29歳の女性、真希は、謎の声との自己内対話だけを頼りに、孤独な時の繰り返しの中、毎日を生きる。その不安な思いや、孤独な時の繰り返しの世界を真希に寄り添いながら共感して読み進めば、この作品はとても楽しめると思う。作品の展開を急ぐせっかちな読者には、この辺りが辛いかもしれない。 しかし、突然の電話がかかってくるところから、ストーリー展開の速度が加速するので、せっかちな方も、ぜひ読み通してほしい。必ず、もう一度読みたくなると思うので。 | ||||
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何気なく観た機内映画。不思議な感じがして2度繰り返して観た。しばらくしてから原作を読んで、その後再度DVDで映画版を観た。「時と人」シリーズと言われるものの一つだと知ったのは原作を読み終えてから。結末が見通せてしまうのはこの設定では仕方ないのかも知れないが、そんなことで興ざめになるとかならないとか考える前に読み終えてしまう、不思議な魅力のある作品だ。そうでなければ何度も映画を観たりしない。 タイムパラドックスもの(本作ではパラドックスと言う程ではないが)に素直に身をゆだねるのは好きな方なので楽しめた。他の2作も読んでみよう。 | ||||
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≪時と人≫シリーズ第2弾。 時と人シリーズの中では、3番目かなぁ。 全体として面白くてぐいぐい引き込まれるんだけれど、タイムパラドックスものはやはり難しいと思う。 タイムパラドックスを使った仕掛けは、どうしても人の意志が入った作為的なものになってしまうなぁ。 ターンのあとがきに書いているタイムパラドックスに関する矛盾に関する著者の説明は あまり論理的ではなく感じました。 サスペンス的な要素を減らした方が、より北村薫ワールドの雰囲気が出たような気がします。 スキップのあとがきにもあったけど、執筆前にK・グリムウッドのリプレイが出て しまったから、少し意識して作為的にしてしまったのかな? 全体を通しての閉じた時間の中で繰り返すという不思議な感覚と繊細な女性の心理描写はさすが北村薫と思いました。 | ||||
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だからもったいないなあって感じました。 二人称というあまりない視点で語られるのですが、なんだか読みにくいんですよね。 でも電話がかかっきたあたりから三人称になり、一人称になるラストまでは一直線。 最後はたいていの人が予想したでしょうけど、やはり良かったですね。 ただいまって言葉が。 | ||||
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いつも思うけれど、この人の作品は、特別なことが起きなくても、何もない当たり前の毎日を大事に生きていくことの大切さを教えてくれている。 とはいうものの、今回は主人公・真希に特別なことが起きる。銅版画家を目指している彼女は交通事故をきっかけに、ある時間になると昨日に戻ってしまう身となった。夕食を食べ、風呂に入り、寝る。翌朝、いつものように目覚めるが、午後3時15分になると、昨日の午後、椅子で眠りこけている自分に戻る。 なにをやっても毎回同じように前日に戻ってしまう。せっかく描いた下絵も消えてしまう。記憶だけは残るけれど、他には何も残せない。お金を使ってもまた財布に戻ってくる。時間がすすまないから、季節もすすまない。ただただむなしくなっていく。 作者が最後に「付記」という形で少々解説をされていますが、その中で、「会社に勤めていて〜(略)同じ仕事をして帰る。家庭の主婦の方が、洗濯をし、〜(略)食事を作る。そういう中で、ふと、疲労とむなしさを感じてしまったら、それは時の《魔》に捕まったようなものです」と言っておられます。これがまさに、この作品のテーマなんだと思います。 同じように見える毎日、同じような繰り返しに思えることも、決して同じ一瞬はないのだ。真希がそのことに気づいたと同時に、生きるってこういうことなんだなと私も理解できました。 今この瞬間というのは2度と戻ってこない、大事な時間、私の人生の一部なんです。特別なことはできなくても、自分が今できることを精一杯やる、それが生きていくってことなんでしょう。 真希は元の世界に戻れるのか、どうやって戻るのか。そんなちょっとしたドキドキ感もありますが、全体としては静かなトーンの作品です。だからこそ、読んだ後にしみじみと胸に染み渡るような温かさを感じます。あー、毎日つまらない、なんて思ってる人、ぜひ読んでみてください。 | ||||
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午後3時15分になると昨日に戻ってしまう。 何をしても結果を残せない毎日。 事故をきっかけに自分以外に誰も居ない世界に迷い込んでしまった主人公「森真希」の日々が始まります。 色々な事を試してみるものの無駄に終わり諦めかけた時、一本の電話が掛かってきます。 版画家「森真希」の作品、青いメゾチントに興味を持ったイラストレーター「泉」からの電話です。 ここから、「ターン」に向けて「森真希」が歩み始めます。 ”男と女は元々ひとつだったもの。それがこの世に生まれ時、分かれたから、失った片方を捜し求める” そういう人の姿を自分の中に抱き、その内なる声と会話を続けていた「森真希」にとって、「泉」の声が正に内なる声だったのです。 ゆったりとした流れで進んでいくロマンチックな「大人の御伽噺」です。 是非味わってみて下さい。 余談になりますが、私は6年間単身で駐在しておりました。 帰宅後、何の音も聞こえない世界が広がり、自分だけが取り残されてしまい、同じことの繰り返しをしているのではないか、もう現実の世界に戻れないのではないか、との気持ちに苛まれましたので、主人公「森真希」の気持ちは痛いほど良く分かりました。 | ||||
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