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左手に告げるなかれ



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【この小説が収録されている参考書籍】
左手に告げるなかれ
左手に告げるなかれ (講談社文庫)

左手に告げるなかれの評価: 2.81/5点 レビュー 27件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.81pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

やっと読めた名著

私の中でずっと名著になっています。世間的にもそうだろうとは思うけれど。今はカヌレを食べながら日曜日の午前を洒落た喫茶店で本書を読んでいて。

やっとそんな生活、気持ちになれました。だからやっと手に取れたこの名著です。本書が刊行された96年は私には地元の阪神大震災の翌年で、本を読むという事が為せなかった。東京ではずっとオウム教の僥倖が…という時。そしてミレニアム、明けてのシドニー五輪とそれに続く911。絶望的に世界と自分が高速でかき混ぜられて、座っていても座っていない様な感覚だった。のだと思う。それから暫くは震災からの後遺症の様な出来事が消えず(消える筈もなく)、本より映像、本より行動の年月がその後10余年の私になる。

軽く20歳、年も取って、もう私の世代ではなくなった世の中を実感して、同じスピードの筈の時間が以前よりゆっくりし始めた。読みたかった本、記憶は鮮明にこの「左手に」にあった。私自身が左利きだから、忘れる訳もなくて。そして読んでみると…私にも書けそうな気がして来る優しい文。写実性に溢れた書物はやっと17世紀ごろから現れたらしいが、小説、novel、という語は、新しいという意味があったらしいです。その頃から昔々の小説は本書の様に描写が長くて私には素敵です。昨今の何でもサクッというのしかお呼びでない、凹みもしない世代とは違い。そういう時間の流れも本書は私に合っていそうです。良かった、そんな感じが。

スリ、痴漢、手品は三大指先の出来事だと思う私ですが、昔々の私の彼女は私は放っといたら悪い方へ行く人、と私を評しました。自覚は全くない。スリ自体がそんな無自覚なのだろうか。でもスリくらい「五分の魂」なんて言い訳が効かないものもない。仕事で怒鳴り合い、殴り合いになっても幾らかは理由は認められても。その許されないものに興味が湧くのが、彼女が見抜いた私の性(たち)なんだろうか、と思いながら、それも確かめる為に読んでいる私です。スリに私を投影しているのでも決してないつもりですが。読めて幸せ感はやっぱりあります。カヌレと同じくらい良い香りの本書です。カヌレなんて言ってますが20年前にはなかったろうに。
左手に告げるなかれAmazon書評・レビュー:左手に告げるなかれより
406208385X
No.6:
(4pt)

丁寧に読めばー社会派の佳作

あまり評価しない作品の様ですが、丁寧に読めば社会派の優れた佳作だと思います。不倫と万引きを巡る、推理ものですが、中々の書き手です。やはりプロの技を生かした文です。味のある作品なので呼んでみてください。
左手に告げるなかれAmazon書評・レビュー:左手に告げるなかれより
406208385X
No.5:
(4pt)

みなさん辛口ね・・・

30代、男です。あら、なんだかみんな辛口ね・・。読後の興奮がおさまらないままここのレビューを読んだら、なんだか私の気持ちまで萎えました。「坂東はいいますよ、渡辺容子はいいぞ!」まあ、所詮他人の意見でコロコロ変わる素人のレビューです。どうもすいません。私は、女性が書くミステリーとして、新鮮な気持ちで読めましたよ。ところどころに現れる「女目線」に味わいがありますね。保安士の仕事、スーパーやコンビニの内幕など、それだけでもとても興味深い内容で面白かったですし。指令長の描写なんか、しびれました。すごーく察しが良い人同士の会話も好きだけどなあ・・。軽い気持ちで入ったのに、あっという間に読んでしまいました。ひとつ言うなら、タイトルは重厚感があってステキですが、内容とはやっぱりちょっとピンボケ感があったのかもしれません。
左手に告げるなかれAmazon書評・レビュー:左手に告げるなかれより
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No.4:
(4pt)

結構面白い

スーパーの覆面警備員という小説ではなかった設定がいい。
読者の評判は芳しくないようだけど、これはこれでありと思う。
ただ、ラストの変装はいただけない。
ミッションインポッシブルのトムクルーズを思い出してしまった。w
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406208385X
No.3:
(4pt)

サクサク読めた

面白かったけど・・・ヒロインの仕事の場面以外は現実味がなさすぎ!
一番の疑問は、見ず知らずの家にいきなり訪ねて行って、どうして皆が皆、ぺらぺらと話してくれるのか。友達みたいになったり・・ありえない。
それと、フルタイムで勤務しているのに、事件を調べたりする時間なんか取れないよなあ、とあまりの非現実さに辟易・・。
冒頭の新人保安士の存在も疑問。
思ったのは、やっぱり宮部みゆきは天才なんだなあ、ということ。
難解ではないのでサクサク読めたのはよかったです。
ありえねえ!と、自分で突っ込みながら読むと楽しいかも。
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No.2:
(4pt)

「着手・現認です」

 デパートで働く保安士八木薔子が、殺人事件の容疑をかけられます。
 かっての不倫相手の妻が殺害されたためです。
 無実をはらすために自分で調査をはじめ、犯人を捜そうとします。
 働く女性達の様子がとても生き生きと書かれていて、謎解きも面白いのですが、そちらもとても楽しめました。
 主人公の職場の様子、その上司の頼もしさ。後輩の初々しさ。
 コンビニエンスストアの女性主人。
 ちょっとしか出てきませんが、健康食品の訪問販売委員。
 
 デパートやコンビニエンスストアの客としてではない視点で書かれた部分も楽しめます。
 主人公が自分の仕事に誇りをもっている様子がとても素敵です。
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No.1:
(4pt)

女性向けミステリーの秀作

まずタイトルが印象的で、前から気になってました。それまでの何冊ものジュブナイルなどでの経験があるというだけあって、文章もこなれています。 男ならハードボイルドになるところを、女性が書いた、女性が主人公のミステリーだから、女性ならではの…ということになるのでしょうが、やっぱりプロット展開はハードボイルドのそれだと思います。スーパーやコンビニの業界事情が分かったのがまず面白かったです。大型店舗には店内を巡回して万引きをしょっぴく保安士という職業があるとは、初めて知りました。不倫が原因でキャリアを棒に振って、現在の捜査もその元恋人の男性と共同で、というあたりは独身男性の私にはどうにも感情移入できない設定なのですが、意外な犯人という条件は充分満たしています。女性には文句なくお勧めできると思います。
左手に告げるなかれAmazon書評・レビュー:左手に告げるなかれより
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