ボディガード 二ノ宮舜
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読み始めてすぐに物語に引き込まれていました。 まず何といってもプロローグが、鮮やかです。 主人公の舜クンは、美女と出会います。場所は、シューティングバー。彼女は酔っている上に、冬なのにコートも着ておらず、「裸足」です。 心配する舜クンに、酔ってあらわれた美女が尋ねます。 「カラオケ、お好きですか?」 この質問に対する舜クンの答えとモノローグ、そしてバーのマスターとの会話といったものから、舜クン、実はそれほどカラオケは得意でなさそう、というのが読者にはわかります。彼、彼女に「一目惚れ」してしまったんでしょうね。このシーンが凄いのは、「一目惚れ」といった言葉を一切持ち出さずに、彼の心に広がる波紋を描いていることです。一人称スタイルの小説にこだわってきた作者の本領が発揮されています。 物語の語り部となる舜クンは、26歳。 身長180センチ、体重70キロ。東京大学理科一類に合格するも二カ月で中退。 空手・テコンドーは3段、クラヴマガはレベル5。加えて、相当な美男子のようです。 ここまで好条件が揃っていると、「オマエが撃たれろよ」と、ひがみっぽい人の嫉妬を集めそうですが、舜クンの見せる「行動」の一つ一つから、仕事に対する情熱と他人への配慮、真面目で優しい人となりが読み取れ、魅了されること間違いなしです。外国暮らしが長かったせいで日本語の難しい諺や敬語に苦労しているところも、リアルでよかったですね。 スルガ警備保障に勤務するボディーガードの舜クンは、ある女の子の警護を担当します。 警護対象の風間小麦さんは、17歳の女子高校。世に言う深窓の令嬢ですが、透明感といいますか清潔感を漂わせていて、しかも、何といじらしい女の子なんでしょう……! 事件そのものは悲惨でも、この二人の「帰国子女」VS.「令嬢」の会話が、実に愉快。一服の清涼剤の役目を果たしています。 ボディーガードの世界を余すことなく描ききった上に、大きくうねりながら広がっていく謎に満ちた物語の結末は、いかに……。 これ以上は自重しますが、渡辺さんが男性が主人公の作品を上梓されたのは初めてではないでしょうか。あたかも男性作家が書いたような骨太の作品に仕上がっていますけれど、細部に女性作家だからこその工夫が反映されていたように思いました。 物語を彩る、いくつものキー・アイテムと音楽。そちらも読んでいて楽しかったです。 「落花生」もその一つですが、私は「ネギめし」に食欲をかきたてられました。 八木ファンも、ご安心あれ。貫祿十分、ボディーガードの神髄をあらわす役目を担って登場されています。 | ||||
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八木薔子シリーズのスピンオフ的な作品。『罪なき者よ、我を撃て』を改題、文庫化。また、日常とは違う世界に行ってしまったなというのが、読後の第一印象。 八木薔子も登場するが、同僚の警備保障会社のボディガード・二ノ宮舜が今回の主人公である。二ノ宮が依頼されたのは脅迫を受けた会社社長の義娘の警護だったが… 江戸川乱歩賞受賞の『左手に告げるなかれ』では、八木薔子はスーパーで万引き犯を補足する保安士として描かれ、非常に面白い作品だった。続編の『ターニング・ポイント』で八木薔子はボディガードに転身し、その後もシリーズは続くのだが、どんどん日常とは乖離した世界で物語が展開しているようで、面白味が無くなっているように感じる。 | ||||
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