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少女には向かない職業



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少女には向かない職業の評価: 4.02/5点 レビュー 47件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.02pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 41~47 3/3ページ
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No.7:
(5pt)

もし私が同じ境遇にあったら…

きっと、葵と同じことをしていたんじゃないだろうか。
静香――孤独な友達の期待に精一杯応えようとしたんじゃないだろうか。
誰かのために、と理由をつけて強くなれるのは、性別で言えば女の傾向だと思う。
友達のために、親のために、夫のために、子供のために……
誰かのために強くなって、自分でも思いがけないくらい強くなって、
その結果、孤独な自分では考えられないようなことも簡単にしてしまう。
女は最強。
誰かが自分を信じてくれる、期待してくれる。だから頑張れる。
逆に言えば、孤独な女は強くなれない。孤独な少女は強くなれない。
人を支えることで強くなれる。少女とはそんな生き物。
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)より
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No.6:
(4pt)

桜庭一樹の作品

まさに桜庭先生らしい作品だと思います。ミステリに分類されるジャンルのようですが、ミステリといって即座に思い浮かべるようなお話ではありません。いかにして犯人は殺人に至ったか。それを犯人の視点で描いた作品です。個人的には好きですが、好き嫌いは分かれるのではないでしょうか? 一度桜庭先生の他の作品を読んでみてから、購入を検討した方がよいと思われます。
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)より
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No.5:
(4pt)

初・桜庭本

私はこの本で、初めてこの著者の本を読みました。
だからこの本だけで見た、感想になりますが、悪くないと思います。
山口県の島という場所で暮らす、ちょっとだけ目立ってる、けれども家では意外と問題を抱えている中学2年の女の子の話。
そこにほのかな恋愛とか、女の子特有のあのドロドロなのかさっぱりなのかわからない友達関係とか、最近ではそう珍しくない家族問題が入り混じり、事件として『友人』からけしかけられた『殺人』が絡んでくる……。
簡単に言えばそんな感じに見受けられました。
ただ、その友人がゴシックロリータである必然性がちょっとよくわからなかったです。奇抜という意味でそうしたかったのかな……。
主人公には意外と感情移入できました。肝心なときにはどもり癖がでてしまうとか、そういうところはわかるなぁと。
でもクライマックス。今まで動揺なんて見せなかった友人の意外な一面がでてきたし、主人公の毒が溢れて、まあそれはそれで良かったです。
結局それで終わるかー……とは、正直本当に思ったんですが。
とりあえず、すぐに読める類の本です。
この年末にちょっと読みたいと思った時に、お勧めかな。
少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)より
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No.4:
(5pt)

「普通」の少女の絶望と闘い

 作者の桜庭 一樹は「推定少女」以来、多感な思春期の少女が自分を取りまく世界に対して闘いを挑む物語を発表し続けていて、本作「少女には向かない職業」もそうした一連の作品の一つです。好きな作家の小説を追いかけていると、時として堰を切ったように「書きたいもの」が溢れ出してくる時があるのだなと感じるときがありますが、今の桜庭 一樹もそんな感じなのかもしれません。
 本作はいわゆるライトノベルのレーベルではなく、東京創元社のミステリ・フロンティアの一冊として発表されました。ミステリ的な分類で見れば「巻き込まれ型犯罪小説」というか、ごく普通の登場人物が罪に手を染めてしまう物語です。国内外の同系列のミステリに比べると本作は淡泊でコンパクトな感じです。もっと殺人を犯してしまった罪悪感、焦燥感、恐怖感をみっちり書き込んで、「殺人者」に変容してしまう過程を見せていくやり方もあったでしょうし、実際そうした点について「薄い」「浅い」という批判もあるようです。ですが僕は本作のある種の淡泊さは、あくまで「普通の少女」の物語であるために意識して選ばれたものだと思いますし、あえて「向こう側」に落ちこんでしまうサイコ系な展開を避けている点こそが作品の魅力であり、作者の資質であると感じます。本作では「少女」を描くために「殺人」という触媒があり、その結果ミステリとしての枠組みがあるのでしょう。
 作者は上述した「推定少女」をはじめとして「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「ブルースカイ」「荒野の恋」など小説としての趣向は変化しながらも、一貫して「少女」を描き続けていますし、私も作者が見せてくれるものに期待しています。
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No.3:
(4pt)

少女の戦いの物語

 である。全体的に見れば良質な作品だと思う。
 そりがあわない義父。友達にけしかけられて、その義父を殺してしまう主人公。主人公は今度は友達から、殺しを手伝えと言われる。
 という、話で、そこまではOKであり、後半のミステリチック名部分もOK。ただ、最後が尻すぼみ。消化不良かな。キーマンであったはずの幼馴染の男との関連のずいぶん中途半端。こういう話を書くと、どうしても「青の炎」に勝てないのが辛いところか……。
 いや、それにしても今までのきずいてきた少女たちの関係が、最後の最後で逆転する瞬間は鮮やかで、手放しで褒めたい。主人公のキャラも立っていていいのではないか。
 しかし、主人公はものすごいヒーロー願望を持っている。誰かを殺すことで友達の役に立ちたいと思っているはずであり、その部分をもっと掘り下げて書けばもっと良い作品に仕上がっていたのではないか。
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No.2:
(2pt)

期待して買ったけれど

桜庭一樹らしい表現が随所に見られ、かねてからこの作家の本をずっと読んでいたこともあってその辺は満足しています。ただやっぱりハードカバーになったからにはライトノベルっぽい薄い少女の情愛や葛藤を延々とやられてはつらいし、らしさが裏目に出ているような感じがしました。期待していた分だけ、がっかりしたので星ふたつ。
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No.1:
(5pt)

慎重に胸に残さなければならない、そんな話

「これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。」内容を紹介するなら、このキャッチだけでいいと思います。それ以上は無駄になってしまい、それ以下ではあまりに淡白すぎる。まさしく《闘い》でした。田舎(島)に住む女子中学生が道を一歩一歩踏み外してしまう様を精緻に描写した前半が素晴らしいです。「ああ、そうだなぁ」と思える自然な描写に、彼女たちに見る危うさ、胸に突き刺さるような痛さ。とても言葉では表現しきれないほどの雰囲気をもった、超一流の描写力です。後半、一本道になってしまったところはあまり好きじゃないけれど、見事に少女の葛藤が描かれた傑作です。あまりに恐ろしくあまりに痛々しいラストを味わった私は、大袈裟ではなく、しばらく唇が震え、恐怖と痛みで眠ることができませんでした。それでいてなお、何かをしなければならないという衝動にからせる、そういう物語でした。宮乃下静香の告白や物語のそれから、プロローグの位置付けなど、疑問に思ったことを突き詰めていきたいという気持ちもあります。そういうものが、この物語に奥行きを持たせているのだと思います。
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