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複製症候群
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複製症候群の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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突然閉じ込められ、触るとクローンが生まれると言う設定が奇抜。一見、メリットがありそうで将来を見通すとそうでもないと言うことに同感できる。閉鎖社会の中で起こる殺人事件により、どろどろの人間模様が描かれる。 | ||||
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世界中に突如現れた「ストロー」。あらゆる地点に無差別に降り立ったこの「ストロー」に触れてしまうとその内側に完全なるコピー人間が一人生まれる。「ストロー」の内側に取り残された登場人物たちの中で殺意が芽生えやがて殺人事件へと発展していくというのがざっくりしたストーリー。 最近ですとキングの「アンダーザドーム」を連想させる設定ですが、SF的な密室を作り出してミステリー展開に盛り込むのが本当に上手い作家だなぁと思います。特に「ストロー」の設定が効いていて、必ずコピー人間は内側に現れるため、オリジナルの人間が外側に出ても内側の人数は減らないんですね。これがミソで出たくても出られないという状況を作り上げることに成功しています。 ただ今回はSF要素が勝ちすぎていてミステリー要素が若干おざなりになっていたかも。他の作品と比べ、本作は予測がついたトリックが多かったのが残念。殺意を抱く動機もことごとく唐突でそこもマイナス。 あと「ストロー」ですがこの現象に関して納得のいく説明はまったくないのでそういったSF的現象になんらかの答えを求める方は読後モヤモヤするかもしれません。最後の主人公の決断と行動により、登場人物たちはこのあとどうなるんだとハラハラしましたがそれに関しても一切説明はなく、総じて読者の想像に任せる部分が大きかったのもちょっと微妙かな。 とはいえスピード感あるストーリーは健在で、退屈を感じることなく読み進められます。同作者のSFミステリーが好きな方なら読んで損はないでしょう。 | ||||
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突如街がドームに覆われ、その境目に触れるとクローン人間が出来てしまうという例のごとく西澤氏にしか書けないよく分からないSF設定でのミステリー。 小松左京の首都消失を引き合いに出されているが、こちではなく、更に引き合いに出されている岡島二人の「そして扉は閉ざされた」の雰囲気を西澤的設定でやろうとした感じの作品。ラストの雰囲気とはトリックは違うが、「そして扉は閉ざされた」の読後感とよく似ている。 ただミステリー趣向とSF的趣向の仕掛けの大げささがどうもちぐはぐな感じもあり、SFとしてもミステリーとしてもどっち付かずの中途半端なできになっている感もある。 西澤作品としては標準的な出来に留まっているが、退屈はさせないのはさすがである。 | ||||
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他の方も言っていますが、SF設定による強引な展開があります。他の七回死んだ男や、人格転移の殺人に比べると、結末の衝撃では劣るでしょう。 しかしこの作品には、もっと別のところに面白さがあります。コピーという記憶も遺伝子も全く同じ人間でも、その後の経験によって違う人生を歩むことになるのです。これについては、最後に分かると思います。 この作品でも、作者の得意な人物の心理描写が細やかに書かれています。それによって青春小説としての面白さもあります。 | ||||
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1997年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 異常な世界のなかで殺意が爆発する話。西澤作品に良くあるパターンだが、これは失敗作と思う。アイディアはひらめいたものの、うまいトリックにつなげられなかったというところか。特に結末で明かされる謎は蛇足と感じた。 冒険小説・青春小説として読むと面白いかも。 | ||||
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突如、空から降ってきたカベに囲まれてしまった高校生の主人公ら。カベに触れると、その人のコピー人間が作られてしまう。 閉鎖された空間の中、誰がコピーで誰がオリジナルかも分からない。テンポよいストーリーにぐいぐいと引き込まれてゆく。 一人、また一人と仲間が死んで行く設定は、さながらハリウッドのSF映画のよう。 危機的状況におかれた仲間がどんどん錯乱して行く様子も映画的といえるだろうか。 しかし一番ひっかかったのは、カベに触れるとできあがるコピー人間を「クローン人間」と呼んでいるところだ。 クローン人間が話題になったころ、SFの世界で多くの小説家や映画監督がクローンについて扱ったが、 そのほとんどが本書のように「クローン=コピー人間」とするものであった。 突如として自分と同じ姿形、記憶まで共有するそっくり人間の登場という設定は、なるほど恐ろしくて魅力的だし それらを主題にして描かれる物語は、自分のアイデンティティを揺るがされて、衝撃的だ。本書も例外ではない。 しかしながら、当然クローン人間とは本来そんなものではない。一卵性の双子と同じである。 本書のごとく大人のままクローンが出てくるわけではないし、双子といえども身体的にほくろだのアザだの細かな部分の違いはたくさんあって、外見とてそっくりそのままということはない。 ましてや記憶を共有することなどありえない。 本書のクローン人間たちは、外見もそっくり同じで、記憶も継承している。そして自分のことを「オリジナル」だと思い込んでいる。 現実に自分のクローンを作ろうと思えば、それは双子の兄弟を赤ちゃんから育てるのと同じことなのだから、 これを持って「クローン人間」と呼ぶのは多いに抵抗がある。 クローンにあまりSFちっくな解釈を加えて、それをうのみにして倫理とする考え方は誤っているし(「クローンはコピーを作る事だから倫理的に許されない!など) この本に限らず多くのSF小説やSF映画が、この誤解に基づく偏見の一端を担っていると思う。 そういった意味であまり素直に読む事はできなかった。 単純に、クローンとは関係のないところで「オリジナル対コピー」という話で十分だと思う。 フィクションとノンフィクションの境は明瞭にしてこそ、真にSF風な架空の世界を楽しむことができるのだ。 作者の姿勢も問われていると思う。 | ||||
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作者はSF的設定の中である縛りを設け、その縛りの中で謎を論理的に解くというロジカル・ミステリの大家。今回のお題は、「天からピンクの壁が降りてきて、人がその壁に触れるとその人物のコピー(身も心も)ができてしまう」というもの。壁の中に入ってしまった主人公の青年(高校生)を中心に数名の仲間と、彼らが訪ねた先生の所にいた数名の人物が物語の登場人物となる。 冒頭でも述べたように、作者はこうした状況で謎をロジカルに解くのを得意としているが、今回はSF的設定が大きすぎたような気がする。人間のコピーができると言っても、果たしてそれはどういう事なのか定義が難しい。壁の中でも、実は外でも事件が起きているのだが、そんな事件よりも「人間のコピーとは何か」という哲学的な問題の方が大きく、事件に身が入らない(作者は色々趣向を凝らしているが)。また、壁からどうやって脱出するのかというSF的問題も大きい。 本作は、SF的趣向を拡げ過ぎて、ミステリ的趣向が空回りしてしまった作品。 | ||||
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突然異形の壁に閉じ込められた高校生達。その壁に触れると、姿形、記憶や考え方まだ完璧に同じコピー人間が出来てしまう。逃げられない壁の中で起きた殺人事件。犯人は一体誰なのか????オリジナル?それともコピー?この物語の面白いところはコピー人間も自分がオリジナルだと思っているところです。そして政府から告げられたコピーは処分するという通達・・・。取り残された高校生は5人、そして先生一人、皆が先生のお父さんだと思っていた男性が一人。コピーが出来るという異様な出来事を目の前にしてだんだん人格が壊れていく様子などがリアルです。ちょっと殺伐としてるシーンはあるのですが、最後の「あっ」という展開が楽しめる1冊だと思います。 | ||||
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